境界線上の書道展
書道の魅力がわからない。そうゆう声をよく耳にする。
実際、書道は絵画や音楽と異なり、現代の人々が日常的に触れ合う機会が少なく、
作品の魅力がわからず興味を失ってしまうことも多い。
しかし、一度熟考してみれば、書道が多くの芸術分野の諸要素の
融合点となっていることがわかる。
まず、書道には視覚表現や造形表現が伴っているために、
明らかに絵画の要素を有する。
一方で、書道では一画目から筆脈を辿って点画が次々と連なって
作品が構成されていくため、1つの紙面上に通貫した時間の流れが生じる。
ある意味、書作品を複雑な楽譜と捉えれば、
書には音楽の要素があるとも言える。
また、多くの書作品には当然、文学や言葉が伴っている故、
詩や文学の要素をも孕んでいる。
確かに、書道には、芸術表現として大きな制約があるが、
逆にその制約があるがゆえに、上述のような諸要素が生み出されており、
そこには確かに無限の可能性が秘められている。
自身初となる本個展『境界線上の書道展』では、
絵・詩・音楽という3つの要素の境界線に自らが立ち、
それらの要素を書によって統合することで
自身のオリジナリティを萌芽させた。
この個展を観る前と後で、
書や字の見方がガラリと変化する感覚を体験していただければ幸いです。
8月7日(土)~8月12日(木)
10:00-19:00
最終日18:00終了
書道展 入場無料
主催 長田 洸明