読書の感動を文章に表現することを通じて、読書の楽しさや素晴らしさを体験し、考える力を育みましょう。
ぜひ、特別な1冊を探してください。
※電子書籍を読んでの応募は不可となります。
北の海の氷の上でうまれた、タテゴトアザラシのアニュー。お母さんのお乳を飲み、数日で毛の色が黄色から白に。1週間もすると体重はうまれた時の3倍になり、10日経つとお母さんは、海の中で泳ぎ方を教えてくれた。
2週間が経ったある日、毛の色がグレーになったら北極を目指すようにと言って、お母さんはアニューを残して北極に行ってしまった。
独りぼっちになってから2週間、いよいよアニューの北極への冒険が始まる。
大好きなおばあちゃんと、しばらく一緒に暮らすことになったはなちゃん。最初は良かったが、あいさつをしっかりすることやおやつの後の歯磨き、お風呂上がりも注意されて、モヤモヤしてしまう。遊びに来た友だちにまで注意されて「おばあちゃんなんて、きらい」と言ってしまった。
おばあちゃんが家に帰る日も、謝れないまま。しばらくして、おばあちゃんが病気で入院してしまった。謝れないままのはなちゃんは、決心してお見舞いに。
学校や図書館でもおちびさん扱いされる小さな女の子テンは、おちびさんじゃないと前向き思考である。
今日、マルという男の子が転校してきた。テンより身体が小さそうだ。昼休みの食堂で、テンは、マルに意地悪を言ういじめっ子を注意する。すると、「ちーび」と言い返された。テンは、ひるまずに大きな声で言い返す。
「あたしはちびじゃないっ!!」
いじめっ子が去った後、テンは、マルからの素晴らしい一言を聞く。
普段、お店で目にするチョコレートだが、どのように作られているのかはあまり知られていない。
海外で栽培される原料のカカオの実は驚く大きさ。カカオ豆と呼ばれている種を取りだして、乾燥させてから輸入し製造工場へ。皮をむいて、砂糖を加え機械ですりつぶし、型に入れたらいつも見ている板チョコの姿になった。
たくさんの人の手を経て出来上がる過程が、つぶさに描かれる。板チョコを使って独自のチョコも作ってみよう。
ある夏の日、みくとゆきなは図書館に向かう途中で迷子のおばあさんに出会う。「あたしは、関根すず。9さい!」。自分は9歳だと言うおばあさん。誰かと体が入れ替わってしまったと考えた2人は、おばあさんの本当の体をさがそうと共に町を歩き回る。町全体が見渡せる景色を目にしたすずは、「これは、夢?戦争はどうなったの?」とつぶやく。
そして後日、2人は意外な場所で「彼女」と再会する。それはすずがかつて描いた夢の絵「いつかの約束」だった。
筋ジストロフィーのかっちゃんと、山ちゃん、シューちゃん、ぼくの4人は、天神集落の4年生。「4年生の夏休みを、最高の夏休みにしよう」と提案したのは、かっちゃん。テーマは、冒険。熊吉つぁんの伝説を確かめること、天神橋からのとびこみ、おばけトチノキを見に行くこと。さまざまな体験を通して、4人の絆が深まっていく。
夏のにおいが濃く立ちこめる山あいの村で、いのちを謳歌する少年たちの姿をみずみずしく描く。
五千年以上前の古代シュメール人は、ビールを美味しく飲むために、中が空洞になっている葦を使い始める。これが紙製になり、その後、プラスチックの新たな使い道としてストローが大量に作られ、消費されることになった。
2011年に9歳の男の子が始めた「ストローをなくそう」キャンペーンから、ストローを紙や生分解性の物に変える流れが動き出す。これからは3Rに加えてもう一つのR、Refuse(リフューズ)(必要ないものをことわる)も心掛けたい。
人間にも、動物にも、耳が2つあるのはどうして?本書は、「音」「聞く」といった私たちが日々経験していることを、科学的視点から見ることの面白さを教えてくれる。
音の波の伝わり方やステレオ効果、「耳小骨」「蝸牛」といった専門用語も、説明は易しすぎず、難しすぎず、知的好奇心が大いに刺激され、シンプルで美しい絵が理解を助けてくれる。読み終えると、いつもの見慣れた日常がくっきりと見えてくる。
広島に住む小学校5年生のリョウタは、祖父の兄ミノルが原爆で亡くなったことを知る。遠い昔の出来事が、祖父の被爆体験を聞き、ミノルの足跡をたどることで身近になった。
リョウタの先輩、レイ。彼女の曽祖母タヅも、原爆で息子を亡くした。記憶が曖昧になり息子を捜し歩くタヅを、レイは心配していたが、ある日迷子になってしまう。
原爆で大切な人を亡くした人たちの想いと祈り、それを受け取る子どもたちが描かれる。
読み聞かせが大好きな10人の子どもたちは、先生が読み聞かせてくれた本について、作家のことやお話作りなど知りたいことがたくさん出てきたので、作家の家を訪ねることに。
作家の家には、有名な本の国々からできている「コスモポリタン連邦」に続くドアがあり、パスポートと有効なビザがあればドアを通れるという。子どもたちは行きたい国のビザを相談しながら作るうちに、自分自身を見つめ、友だちのことを理解し、受け入れ合うようになっていく。
第二次世界大戦中のロンドンから祖母を亡くした12歳のウイリアム、11歳のエドマンド、9歳のアンナは学童疎開に行くことになる。弁護士が疎開先で後見人となってくれる家庭をさがすことを提案したのだ。
戦時下のイギリスを背景に描かれる厳しい疎開生活の中で、3人の心の拠りどころは公共図書館だった。大好きな本と司書のミュラーさんの細やかな心遣い。お互いに認め合い成長する3人の姿も温かい。
2011年3月の東日本大震災は、岩手県の大沢小学校にも大地震と津波をもたらした。子どもたちは小学校での避難所生活が続く中、自分たちでできることを考えた。それは、学校新聞「海よ光れ」を作り、全校表現劇「海よ光れ」を上演し続けることだった。新聞は被災者の大人たち、救援活動を続ける大人たちを元気づけ笑顔にした。
学校新聞コンクール受賞常連校の新聞委員5人と先生が、閉校により最終号を発行するまでを伝えるノンフィクション。
築百年の靴屋往来堂は看板も昔通りに右から読む。そのオーダーメイドシューズの4代目マエストロは夏希の祖父だ。
ところが、5代目になる修業を放り出し兄が突然、家を出ていってしまった。祖父の靴を愛するお客さん同様、夏希だって靴が好きでマエストロを尊敬している。でも、夏希がやりたいのは…。往来堂の将来が夏希の心を重くする。
ひょんなことから、クラスメイトの宗太が見習いに来ることに。なぜ、往来堂の靴は愛されるのか。
中学生のアーネストは、亡くなった祖父に、屋根裏部屋の整理を託されていた。学校ではいじめっ子のトミーに立ち向かおうとして、ライアンに助けられる。二人は難を避け森に入り、言い伝えにある願いごとをかなえる井戸につながるほら穴をみつける。
期せずしてクラスメイトや町の人の願いごとを聞いて起こした行動が、祖父から託された屋根裏部屋のものとからみ、通称「残念な町」に奇跡のようなことを引き起こし、思いやりの連鎖が人々の思いを救っていく。
アフリカ・ウガンダで色鮮やかなバッグの工房を営む仲本千津さん。貧しい現地のシングルマザーに輝きながら働ける場を提供し、自立を支援する。
「人の命を救う仕事がしたい」というのが子どもの頃からの夢。医師、国連職員と、目指す道を探し続けた。いったんは大手銀行に就職したものの、夢はあきらめず、アフリカ支援の活動に身を投じた。「社会起業家」という生き方を選んだ女性の歩みをたどる。
さまざまな事情を抱え、東新宿にある都立の定時制高校に通う生徒たちが、理科担当の教師藤竹に誘われて、ディスレクシアが原因で勉強がうまく行かなかった岳人を筆頭に、アンジェラ、佳純で科学部を結成することになった。
火星のクレーターを再現し、学会で発表するという目標に向かって、日々実験を繰り返す彼らであったが、そこにはもう一つの実験が隠されていたのだった。
年齢も境遇も違う個性豊かな面々が、困難にぶつかりながら、ともに成長していく青春小説。
主人公は、韓国の名門進学校に入学した男子高校生1年のジュノ。成績トップ30名だけが自習できる「正読室」を利用できる優等生だが、勉強に明け暮れ、常に成績に振り回される生活に辟易している。
やがてジュノは、親友ゴヌと一緒に入部した時事討論サークルで、実直なユビンや博識のボナ先輩と出会う。自由に話し合える仲間を通して、周りを気にせず、自ら判断して行動するようになり、自分を取り戻していく。
大の動物好きの著者は「野生動物を守る」夢をかなえたくて、南アフリカ政府公認のサファリガイドに。ライオン、ゾウからアリ、カタツムリに至るまで、大自然の生き物たちに接し、驚きに満ちた生態系にひきつけられる。
一方で、生息地の消滅や変容は、地球規模で進む深刻な環境破壊を映し出している。野生保護と人間の地域コミュニティの線引きも容易ではない。多様な現実と向き合い、住民も参加する保護活動を模索し続けている。