1964年、紀伊國屋ビルディングが竣工したこの年、『ちいさなうさこちゃん』は福音館書店から翻訳出版されました。前年の1963年、福音館書店・編集者の松居直さんがアムステルダムの児童図書館で出会った『nijntje(ナインチェ)』。石井桃子さんによって「うさこちゃん」と翻訳・名付けられます。以来60年、世代を超えて愛されつづける「うさこちゃん」とブルーナ絵本。表紙を見ているだけでも癒されますが、是非ページをめくって「ことば」にも注目してみてください。

うさこちゃんは、ダンスをおそわりました。せんせいにほめられたうさこちゃんは、みんなにダンスを見せにいきました。
「ミッフィー」の作者、ディック・ブルーナさんがはじめて語ってくれたインタビュー集『ディック・ブルーナぼくのこと、ミッフィーのこと』の文庫版です。ミッフィー誕生のひみつや夢を実現するヒント、失敗ののりこえかたなどブルーナさんから届いたことばの贈り物をあなたへ。
ぐりとぐら、だるまちゃん、おおきなかぶ…。数々の人気作品を生んだ月刊絵本「こどものとも」初代編集長松居直の自伝。
子どもは早くから文字を読むようにしむけられ、親は熱心に文字を覚えさせようとする。はたしてこれで読書のたのしみを知るだろうか?―良質の絵本とはどういうものか、子どもはどんなふうに絵本の世界へ入ってゆくのか。福音館書店で数々の名作絵本を世に送り出し、日本の児童出版文化の礎を築いた著者による絵本の本質と魅力をまとめた第一論集が初の文庫化。
一九五四年、初めて欧米にわたった著者は、すぐれた作家や図書館員に出会う。以来、心の友となったそれらの人々を再訪する旅、ポターやファージョンの世界が息づく自然を訪ねる旅、児童文学の国際会議への旅と、いく度か外国旅行を試みる。その体験をまとめた本書には、著者の思索と心の軌跡がみごとに刻み込まれている。
石井桃子は、「子どもの本」は根源的に「人間の本」であるという信念のもと、子どもと本を結ぶことを生涯の仕事とした。子どもにとってよい本とは?児童図書館の必要性、読み聞かせの秘訣など、幼時のゆたかな読書体験、子どもの本の編集・翻訳・創作、かつら文庫での実践を通して学んだことを、惜しみなく、やさしいことばで伝えてくれる。