慶應義塾大学経済学部で教鞭も執られている松沢さんの専門は、日本社会史(近世・近代史)。
これまで多くの著書・編著を世に出されてきました。
今回『歴史学はこう考える』執筆にあたって影響を受けた本や、『歴史学はこう考える』の中で実際に取り上げられている本などを選書いただきました。
「歴史」も「歴史学」もなんだかざっくりとしていてよくわからない……となる方(私です)も、この選書を見てゆくとその奥深い輪郭が見えてくる、かもしれません。
もちろんもともと興味のある方、歴史学ではないけれど人文系の学問・書籍が好きな方にもおすすめです。
松沢さんのコメントと合わせてぜひご覧ください!
松沢裕作/著
価格 1,034円(本体940円)
筑摩書房(2024/09/11発売)
史料とは何か? 解釈が複数になるのはなぜ?
安易な議論に振り回されないために、歴史家が築いてきたこれらの理屈を学べば、歴史の解像度がもっとあがる!
選書のラインナップを見る前に、それぞれのカテゴリの解説としていただいたコメントを見てみましょう。
①『歴史学はこう考える』に影響を与えた本
執筆にあたって、「こんな本が書きたい」「この発想を歴史学に応用してみたい」と思っていた本たち。
②『歴史学はこう考える』でとりあげた本
『歴史学はこう考える』のなかには、歴史家の書いた文章をとりあげて、それを分析する作業をしている部分があります。そこで俎上に載せた本たち。
③歴史学にも歴史がある
歴史学の歴史は「史学史」と呼ばれ、わたしの専門とする研究領域の一つです。『歴史学はこう考える』は、歴史学の方法の本でもあるとともに、歴史学の歴史の本でもあります。史学史に関心を持つ読者向けの本。
④社会を知るためのさまざまな方法――『歴史学はこう考える』の隣にある本
『歴史学はこう考える』は、歴史学は社会を理解するための方法の一つという立場で書かれていますが、わたしの専門に由来して、題材は日本近代史に偏っています。それとはちょっと違った方法で社会を理解するためのヒントになる本たち。
⑤歴史学がやりたくなってしまったら……
『歴史学はこう考える』は、歴史学を専門的に学んだり、研究者になったりする人のために書かれた本ではありません。むしろそうではない人に向けて書かれています。とはいえ、読んだ結果「歴史学をやりたい」と思ってしまったら……。