『ANAMNESIAC』の刊行を記念した、
著者選書フェアをウェブストアで開催いたします!
ふとしたとき手にとる10冊をご紹介します。
病めるときも、健やかなるときも、
言葉とともにあらんことを。
(高田怜央)
日常と記憶をめぐる探究の結晶。
第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』に続き、著者自身による
英日バイリンガル構成の11×2篇を収録。
静謐さと軽やかさが共存する時空間に、
永遠の余韻が吹き抜ける。
映画『PERFECT DAYS』の翻訳を手掛けた高田怜央が、
詩の歴史の新たな1ページをめくる。
2nd GIG『ANAMNESIAC [アナムネージアック]』
詩・訳 高田怜央
発行日:2024年11月30日
価格:1,980円(税込)
【特典】オリジナル栞つき(サイン入り)
詳細は著者のnoteアカウントでも公開中!
しなやかさというたからもの、と、かつてある人がつかったことばを再利用させてもらうのが高田怜央の詩を形容するのに最適だと思う。知性と感性、という分け方がそもそも無意味になるような自在さで思いが泳ぎ、舞い、跳ぶ。在ることと無いこととのあいだでいとも自然に壁抜けがなされる。英語と日本語がどちらも原文でありどちらも訳文であるという、詩の歴史において類を見ない形式も、そうしたしなやかさの実演だからこそ意味がある。
柴田元幸
翻訳家
憶えていることと思い出すことは違って、憶えていないことでもわたしたちは思い出すことができる。思い出した瞬間に、生じる記憶。たぶん、言葉を持っているから。言葉がわたしたちの中に入ってきたとき、見たことも聞いたこともないものたちを大勢引き連れてきたから。言葉を使うたび、わたしたちは存在しない記憶を取り戻す。それでは、ふたつの言語で想起するとき、想起されるのは同じ記憶なのだろうか?
川野芽生
小説家・歌人・文学研究者
時計が刻む時間とはまったく別の〈詩の時間〉は、英語と日本語の閾を往復することで鍛え上げられた詩人の身体から生み出されている。多言語を混ぜ合わせる身体のぬか床で漬けられた言葉から垣間見える時間――それはまさに「想起症」を患う者の時間である。
(寄稿「風のひき算」より)
伊藤潤一郎
哲学者
英国スコットランド育ち、上智大学文学部哲学科卒。バイリンガル詩作および日英双方向の翻訳を行う。
著書に第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』、写真家・遠藤祐輔との共著『KYOTO REMAINS』、作家・川野芽生とのZINE『黎明通信』など。翻訳にヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』、CHANEL 2023/24 Cruise Collection『TOMORROW ELECTRIC』、田口犬男「エミリー・ディキンスンからの電話」(MONKEY 英語版 Vol.5)など。
NY派詩の訳書を構想中。