1942年、モスクワ近郊の村に暮らす少女セラフィマの日常は、急襲したドイツ軍によって突如として奪われた。母や村人は惨殺され、自らも射殺される寸前、赤軍兵士イリーナに救われたセラフィマは、復讐のため狙撃兵になることを決意する。同じ境遇で戦うことを決めた少女たちと共に訓練を重ねた彼女は、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へ。おびただしい死の果てに目にした“真の敵”とは?本屋大賞第1位。
ぼくらは誰のために、何のために闘っていたのか。そして、この国は何処へ行くのだろう──。「かつてのように正義を振り翳して闘う社会よりも、電波空間のなかでの独善に溺れ、現実世界が波風の立たないことを歓迎していた。それが平和な社会なのだろうか。黎の観念が『それは違う』と憤っている。」(本文抜粋)。混乱する1960年代末、〈闘争〉に憂き身をやつした男の独白小説。
著者がかつて飼っていた愛犬との出来事を基に創作した物語。ある四人家族に迎えられた犬のジョンはすくすくと成長していくが、ある時、その身に悲劇が訪れる。その後、時は流れ30年が過ぎた頃、不思議な出来事が起こる。本作は、人間と純粋無垢な犬という命あるもの同士としての魂が深く結びつき、時を超えて互いを思いやる心の絆が描かれた、優しく切ないファンタジー。
1921年(大正10年)、海軍大臣加藤友三郎は首席全権としてワシントン軍縮会議に向かった。「ロシアのバルチック艦隊を潰滅させた連合艦隊参謀長自らが海軍軍縮案に賛同する発言に、各国全権、海軍軍人、新聞記者を始め満場の人々は深い感慨と大きな僥倖に満たされ、惜しみない賛辞を贈ったのである」(本文より)。海相でありながら“軍縮”を行った友三郎が見ていた国の未来とは。
訪れた国は約100カ国、旅歴約40年のトラベルジャーナリストがセカンドステージの舞台に選んだのは、東京の離島の古い小さな港町、波浮港。こよなく愛するコーヒーを相方に営む「ハブカフェ」は、いつしか地元の若者や観光客が集う「ハブ」として地域で欠かせない存在になった。いくつもの偶然に導かれ、さまざまな人に出会いながら、新たな人生を醸し始めた著者が、それまでの日々と、それからの日々を綴っていく。
年賀状、暑中見舞い、封筒宛名、のし袋、履歴書など実寸大。ひらがな、カタカナのなぞり書きから、手紙の常套句、季節のあいさつまで。筆順、書き方のポイントがよくわかる。
夫婦で営む小さな小鍋屋「よろづ」は今日も千客万来。鍋の具は鰆と七草、メバルと韮など滋養満点の旬のものばかり。つまみにしても飯のおかずにしても抜群で、客に愛されていた。女将のお咲は、元公事師。そんな裏の顔を知っている常連たちは、揉め事の相談をするようになるが…。美味しい小鍋と公事知識でお客の悩みをほっこり解決!江戸の人情にお腹も心も温まる新シリーズ開幕。
珠玉の名言が、読むだけであなたを幸せへと導いてくれる!必要な時に必要な言葉が分かるチェックテストつき。3ステップで元気になれる!1.名言→2.解説→3.結論。
本書では1年365日、どのように禅語を活かして暮らしていくか、その手がかりをまとめました。人との出会いはもちろん、美しいものや新たな知識など、さまざまな出会いをとおして、心は豊かになり、幸せを感じるようになります。そんな出会いを禅では「縁」といいます。本書を手にしてくださったことは、紹介している禅語と出会うこと、縁を結ぶことです。その縁は必ず、あなたに気づきを与え、幸せに導くことでしょう。
『九十歳。何がめでたい』を超える興奮の書
◎佐藤愛子さん曰く「人生論を書くつもりはなかったけれど、図らずも人生論になってしまいました」
◎小島慶子さん曰く「佐藤さんが下さった最後のお手紙の一節に、私は不覚にも涙が出ました」
1923年生まれの佐藤さんと1972年生まれの小島さんが交わした空前絶後の往復書簡集。テーマは夫婦のこと、生きること、今の時代、書くこと、話すこと、戦うことなど、実に様々。「理屈の隘路にハマって呻吟している」小島さんの悩みに、時に厳しく時に優しく返事をする佐藤さん。往復書簡だからこその至言、金言が続出する大興奮間違いなしの一冊です。
<夫婦喧嘩の大義は要するに「ウップン晴らし」ですからね。「颱風一過。後は雲ひとつない、ルンルン青い空」が望ましい>(佐藤さん)
<佐藤さんは私の愛が深いとおっしゃいます。そうかもしれませんが、だとしたら愛なんてロクなもんじゃないと思います>(小島さん)
読後感はルンルン青空。元気がわき出ること請け合いです。
本書は、『あなたは酢ダコが好きか嫌いか』を文庫化にあたって改題し、デザインなども一新。単行本から5年、小島さんの「文庫化にあたっての後日談」を新たに収録しています。
とにかくかわいい紙面でやる気アップ!「ゆるふわ~」やP丸様。ワールドの問題もおもしろいから、スイスイ解けちゃう!廣瀬裕介先生の監修!小学校6年間で必ずおさえておきたい5教科の大切な単元を、楽しくおさらいできちゃう!「思い出そう」や「中学のサキドリ」コーナーで、大切なポイントがパパッとわかっちゃう!
記憶力×超効率化×時短。米国内科専門医が実践している!ハイパフォーマンス学習。学生の時に知りたかった!正しい脳の使い方を知るだけ!再読、線引きは効果低!アウトプットがすべて!学びたい人の「人生の必読書」。
人生は忘れがたい断片にいくつ出会い、心動かされたかで決まる
一人の人間の人生は、出会った言葉でも、預金額で決まるとも、恋愛だの結婚で決まるとも思えない。
ある夜友人が電話で語ってくれた台詞、または恋人がふとした瞬間吐き捨てた台詞、バーで隣の男が語ってくれた一夜限りの話、なんの救いもない都会の景色、あるいは、夜道で雨のように己の全身を貫いた、言葉にもならない気づき。そういったものによって人生は決定されたように思うのです。
私はその断片を「二十代で得た知見」と名づけることにしました。
(本文より)
30年ぶりに訳文に大幅に手を入れた、改訳・新装版!
To HaveからTo Beへ―財産、知識、健康、社会的地位、権力…“持つ”ことがすべてでいいのか?あらゆる執着から解き放たれ、何にも束縛されず、変化を恐れない“ある”生き方とは?フロムによる永遠の古典の新装版。
天皇陛下、青春時代の清新な英国留学記、新装復刊。内側から英国を眺め、外にあって日本を見つめ直した「何ものにも代えがたい貴重な経験」。