紀伊國屋書店:【書物復権2025】第29回 9社共同復刊 ― リクエストで名著がよみがえる!応募締切:2025年2月28日 ご参加をお待ちしています

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【書物復権2025】第29回 9社共同復刊 ― リクエストで名著がよみがえる!応募締切:2025年2月28日 ご参加をお待ちしています

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⦿ご案内
 毎年恒例の〈書物復権〉共同復刊、2025年は第29回を数えます。復刊の候補にあがったのは106点108冊と、充実したリストをそろえることができました。参加各社がそれぞれの出版の歴史のなかで、この後も読者に届けたいと考えている各分野の基本書です。
ぜひ、ご覧のうえリクエストいただき、1点でも多くの復刊の実現にご協力ください。応募期間は2025年2月28日まで、ぜひ皆さまから多数のリクエストをいただけますようお願いします。
また今回も、通常では復刊が難しい少数の要望にも応えるべく、個別の注文に対応するオン・デマンド版での復刊も実施いたします。

⦿実施要領
1. 下記の応募ボタンでリクエストフォームへ移動します。参加9出版社の復刊候補リストを分野別に掲載してあります。番号(リクエストの際に使用します)、出版社名、書名、著者名、初版刊行年、最終発行年、判型、頁数、予価(オン・デマンド予価ではありません)、内容の順に記載されています。最終発行年は品切れ期間がどれくらいだったかの目安としてご覧ください。

2. このリーフレットに掲載されている書目は復刊の候補書籍です。皆さまからいただいたリクエストの結果を受け発行出版社の判断により、実施書目を決定いたします。

3. リクエストは下記の応募するボタンからお願いします。リクエストの理由、またリスト以外の9社の品切れ書で復刊を希望される書籍などもお書きいただければ幸いです。

4. 復刊決定書名は4月中旬発行予定の〈書物復権〉共同復刊決定書リーフレットおよびこのウェブサイトでお知らせします。ご予約はそれ以降にお願いします。

5.リクエスト締め切りは2025年2月28日です。

6.通常の方法で復刊された書籍は5月下旬より全国の協力書店でご覧になれます。オン・デマンド版はご注文いただいてからの製作になります。

●書籍の内容についてのお問い合わせは各出版社まで

▶<書物復権2025> リーフレット(PDF)
▶<書物復権2024>復刊書目

書物復権によせて

林 大地
(はやし・だいち)1997 年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学商学部卒業。2020 年より京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程、現在は同研究科博士課程二年。専攻は20 世紀ドイツ思想史。趣味は古本屋めぐり。著書『世界への信頼と希望、そして愛──アーレント『活動的生』から考える』(みすず書房、2023)。京都大学生協発行の書評誌『綴葉』の元編集長。現在も同誌の編集委員として、毎月書評活動を行なっている。

 昨日、本棚から一冊の本を取り出した。リルケの『芸術と人生』(白水社)である。芸術や人生をめぐってリルケが語った言葉を、主に書簡から拾い集めてまとめた美しい一冊。たしか〈書物復権2022〉で復刊されたものだったように思う。ぱらぱらとページをめくっていると、次の一節に目が留まった。妻のクララ・リルケに宛てた手紙の中の一節だ。「芸術家はまるで難船した者のように、それらの事も物のをあとに残そうとして、岸に向かって投げつけているのではないでしょうか?」

 ここには、詩人のマンデリシュタームやツェランが語った「投壜通信」のイメージが反響している。今にも沈没しようとする船から、誰かに届くことを祈って、壜に詰めた手紙を投げ放つ。誰かに届く保証は一切ない。どこにたどり着くかもわからない。しかし、船乗りに残された行為はそれしかない。彼の存在を証してくれるのは、小さな壜の中に折りたたまれた手紙、その一枚だけだ。芸術家もそのようにして、完全に海に沈み込むその前に、自身の作品を死を超えてこの世界に残そうとする──リルケはそう言いたいのだろうか。

 ともあれ、この投壜通信の比喩は、私とリルケの関係性にも当てはまるように感じられた。クララに宛てたこの手紙が書かれたのは一九二四年。今からちょうど百年前。百年の歳月を経て、リルケが放った投壜通信は私という岸辺にたどり着いた。しかもこの本は一度水底に沈んだもの、すなわち品切れになったものだ。それが再び〈書物復権〉を通じて水面へと浮上した。それゆえそこには二重の偶然的な出会いがある。〈書物復権〉はさながら、砂を被った海底の沈殿物を再び海面へと引き上げる魔術的な糸のようである。

 しかし私は同時に、拾われた投壜通信の背後には、拾われずにいる投壜通信が無数にあることを忘れたくない。いまだ漂流を続けるもの、水底の暗がりに沈んだままのもの、あるいは漂流の中途で粉々に砕け散ったもの。いまだ復権が叶わぬ失権したままの書物は数限りない。復権の無条件の祝福は失権の忘却を生みかねない以上、私は毎年の復権を祝福しつつ、それら失権したままの書物の存在も記憶に留めておきたい。その存在に気づいて初めて、私たちは、あの魔術的な糸を自分で垂らすことができるようになるだろう。

 失権したままの無数の書物、その存在を開示するものとしての〈書物復権〉──それもまた、この祝祭の大事な意義のひとつではないかと思う。

 

書物復権 参加出版社

■岩波書店 〒101-8002 東京都千代田区一ツ橋 2-5-5 TEL 03-5210-4113 
https://www.iwanami.co.jp/

■紀伊國屋書店 〒153-8504 東京都目黒区下目黒 3-7-10 TEL 03-6910-0519
https://www.kinokuniya.co.jp/

■勁草書房 〒112-0005 東京都文京区水道 2-1-1 TEL 03-3814-6861
https://www.keisoshobo.co.jp/

■創元社 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-2 田辺ビル TEL 03-6811-0662
https://www.sogensha.co.jp/

■東京大学出版会 〒153-0041 東京都目黒区駒場 4-5-29 TEL 03-6407-1069
https://www.utp.or.jp/

■白水社 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町 3-24 TEL 03-3291-7811
https://www.hakusuisha.co.jp/

■法政大学出版局 〒102-0073 東京都千代田区九段北 3-2-3 TEL 03-5214-5540
https://www.h-up.com/

■みすず書房 〒113-0033 東京都文京区本郷 2-20-7 TEL 03-3814-0131
https://www.msz.co.jp/

■吉川弘文館 〒113-0033 東京都文京区本郷7-2-8 TEL 03-3813-9151
https://www.yoshikawa-k.co.jp/

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