紀伊國屋書店:書物復権2025 復刊書目決定!【2025年5月下旬刊行予定】

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書物復権2025 復刊書目決定!【2025年5月下旬刊行予定】

書物復権によせて

小川公代
(おがわ・きみよ) 1972年生まれ。 ケンブリッジ大学政治社会学部卒、 グラスゴー大学文学部博士課程修了 (Ph.D)。現在、上智大学外国語学部英語学科教授。専門は、ロマン主義文学および医学史。主な著書に『ゴシックと身体』 (松柏社)、『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版)、『ケアの倫理とエンパワメント』 (講談社)、訳書にゴードン 『メアリ・シェリー』(白水社) 他。

 ハン・ガンがアジア女性初のノーベル文学賞を受賞したが、私は済州島四・三事件をモチーフとした『別れを告げない』(白水社)を読み終わって、これがハン・ガンによる文学の最高到達点なのかとじんわり胸が熱くなった。主人公の女性キョンハが友人のインソンと彼女の母親の記憶に寄り添いながら朝鮮半島の現代史上最大のトラウマというべき物語が語られている。

 そのとき、ふとアメリカのSF作家アーシュラ・ル=グウィンの言葉を思い出した。ブリンマー・カレッジでのスピーチのなかで彼女はこう語っている。

私たちは火山なのです。私たち女性がみずからの経験を真実として差し出すとき、あらゆる地図が変わります。新しい山がいくつも生まれるのです。それこそ私が求めるものです。

 私にとっては「書物復権」という実践は、長いこと忘れられていた山が再発見され、地図に明記される工程に似ている。なぜなら、絶版という現象は、確固として存在していたはずの書物(=声)が、いつの間にか印刷されなくなり、ル=グウィンのいう忘却された山を連想するからである。彼女は「まだ目覚めていないセント・ヘレンズ山よ、あなたの声を聞きたいのです」と呼びかけた。

 奇しくも、『別れを告げない』の舞台となった済州島には韓国最高峰の火山ハルラサンがある。これまでも数々の忘れられた山々が再発見され、文学史上の地図が書き換えられてきた。2023年にはシモーヌ・ド・ボーヴォワール『決定版 第二の性』(河出書房新社)が復刊された。また、長いこと絶版になっていたアドリエンヌ・リッチの『女から生まれる』も来月復刊される予定である。ところが女性の手による書物で、復刊が望まれているものはまだ数多くある。個人的にはメアリ・シェリーの作品で復刊していいものも何冊かある。

 火山繫がりでいうと、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』が誕生した背景には、1815年のタンボラ山噴火によって引き起こされた翌年の異常気象がある。大量の火山灰が大気中に放出されたことによりヨーロッパで雨が絶え間なく降り続き、屋内にいたメアリ、パーシー・シェリーやバイロン卿たちが怪談を書くことになった。活発な火山活動は、家父長制によって押さえつけられてきた女性たちの伸びやかな生命力や創造力のメタファーでもあり、それがシェリーやハン・ガンたちの書物を生んできたと思うと感慨深い。

2025年9社共同復刊29

[ごあいさつ]
 2025年、第29回目の9社共同復刊、今回も多数のリクエストをいただきありがとうございました。2月28日までの期間中に、紀伊國屋書店内公式サイト、復刊ドットコムの特設サイトおよびFAXで、受けつけたリクエストは総数約8,723票、最多書籍には209の票が寄せられました。いただいたコメントには、それぞれの書目に対しての皆さまからの熱心な要望が伝わっており、各発行出版社はこの結果を元に、復刊書目の選定をいたしました。今回の共同復刊で実現できなかった書目からも、各社独自の方法で復刊を予定している場合もあり、1点でも多くの品切れ書の復刊の実現にむけて努力してまいりますので、今後の各社の復刊情報にご注目くださるようお願いいたします。

 今回、各発行出版社の判断により復刊を決定した書目は37点38冊。書籍は5月下旬より全国約200の協力書店店頭にて展示されますので、足をお運び頂けましたら幸いです。

 今年も充実した復刊ラインナップができました。来年以降も、読者の皆様のご期待に添えるように活動を継続させて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

[ご案内]
・刊行はすべて、2025年5月下旬を予定しています。
・内容についてのお問い合わせは発行出版社までお願いします。

読者からのメッセージ

■読まれるべき本が絶版で目に触れられず手に取られないのはとても勿体ないことで、このような復刊の試みは大切な取り組みだと思っています。(26歳・大学院生)

■毎年楽しみにしています。自分が探していた本以外にも、これは読んでみたいと思う本の発見につながってうれしいです。(55歳・会社員)

■たいへん面白い企画だと感じました。私にとって、書籍は新たな世界を開いてくれるものであり、書店はそんな新たな世界との偶然の出会いを楽しむ場だと考えています。(23歳・学生)

■ぜひ参加出版社を増やして欲しい。(66歳)

■毎年この時期を楽しみにしております。自分が興味を持つ前に絶版となってしまった貴重な本を、再び新刊として読むことのできる喜びや期待感を大切にして、毎回投票しています。(28歳・会社員)

■出版不況が長引くなか、読みたい本はいつも手元に置いておきたい(いつ手に入らなくなってしまうかわからない)という切実な思いが高まっている。(35歳・会社員)

■リクエストについて、この企画に参加していない出版社に対しても意向をまとめて伝えていただけるような仕組みがあればありがたいです。(41歳・公務員)

■電子書籍復刊の企画も実施してもらいたい。(45歳・団体職員)

■『ホロコースト全史』は今関心を持って調べている分野であると同時に、すべての人が忘れてはならない出来事なので、この機会にぜひ復刊してほしいです。

■『新エロイーズ』は現代の恋愛小説の起源とされながらながらく手に入りづらく、読めなかったため。(37歳・デザイナー)

■過去に出版された本を入手・閲覧できる機会が年々少なくなっている。今回の〈書物復権〉を機に、リストに掲載された図書が書店や図書館などで多くの人たちに手を取られるチャンスを得て欲しい。(30歳・会社員)

■書物復権によって知ったり、読んだりした書籍がたくさんあります。内容を見て気になるものや今の情勢に対して読まれる必要があるのではないかと思う書籍を選びました。(25歳・大学職員)

参加出版社

岩波書店
〒101-8002 東京都千代田区一ツ橋 2-5-5 TEL 03-5210-4113

紀伊國屋書店
〒153-8504 東京都目黒区下目黒 3-7-10 TEL 03-6910-0519

勁草書房
〒112-0005 東京都文京区水道 2-1-1 TEL 03-3814-6861

創元社
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-2 田辺ビル TEL 06-6231-9010

東京大学出版会
〒153-0041 東京都目黒区駒場 4-5-29 TEL 03-6407-1069

白水社
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町 3-24 TEL 03-3291-7811

法政大学出版局
〒102-0073 東京都千代田区九段北 3-2-3 TEL 03-5214-5540

みすず書房
〒113-0033 東京都文京区本郷 2-20-7 TEL 03-3814-0131

吉川弘文館
〒113-0033 東京都文京区本郷7-2-8 TEL 03-3813-9151

書物復権2025 リーフレット 第2号(2025.4)(PDF)はこちら

書物復権2025 リーフレット 第1号(2025.1)(PDF)はこちら
林 大地さん「書物復権によせて」

書物復権によせて

林 大地
(はやし・だいち)1997 年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学商学部卒業。2020 年より京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程、現在は同研究科博士課程二年。専攻は20 世紀ドイツ思想史。趣味は古本屋めぐり。著書『世界への信頼と希望、そして愛──アーレント『活動的生』から考える』(みすず書房、2023)。京都大学生協発行の書評誌『綴葉』の元編集長。現在も同誌の編集委員として、毎月書評活動を行なっている。

 昨日、本棚から一冊の本を取り出した。リルケの『芸術と人生』(白水社)である。芸術や人生をめぐってリルケが語った言葉を、主に書簡から拾い集めてまとめた美しい一冊。たしか〈書物復権2022〉で復刊されたものだったように思う。ぱらぱらとページをめくっていると、次の一節に目が留まった。妻のクララ・リルケに宛てた手紙の中の一節だ。「芸術家はまるで難船した者のように、それらの事も物のをあとに残そうとして、岸に向かって投げつけているのではないでしょうか?」

 ここには、詩人のマンデリシュタームやツェランが語った「投壜通信」のイメージが反響している。今にも沈没しようとする船から、誰かに届くことを祈って、壜に詰めた手紙を投げ放つ。誰かに届く保証は一切ない。どこにたどり着くかもわからない。しかし、船乗りに残された行為はそれしかない。彼の存在を証してくれるのは、小さな壜の中に折りたたまれた手紙、その一枚だけだ。芸術家もそのようにして、完全に海に沈み込むその前に、自身の作品を死を超えてこの世界に残そうとする──リルケはそう言いたいのだろうか。

 ともあれ、この投壜通信の比喩は、私とリルケの関係性にも当てはまるように感じられた。クララに宛てたこの手紙が書かれたのは一九二四年。今からちょうど百年前。百年の歳月を経て、リルケが放った投壜通信は私という岸辺にたどり着いた。しかもこの本は一度水底に沈んだもの、すなわち品切れになったものだ。それが再び〈書物復権〉を通じて水面へと浮上した。それゆえそこには二重の偶然的な出会いがある。〈書物復権〉はさながら、砂を被った海底の沈殿物を再び海面へと引き上げる魔術的な糸のようである。

 しかし私は同時に、拾われた投壜通信の背後には、拾われずにいる投壜通信が無数にあることを忘れたくない。いまだ漂流を続けるもの、水底の暗がりに沈んだままのもの、あるいは漂流の中途で粉々に砕け散ったもの。いまだ復権が叶わぬ失権したままの書物は数限りない。復権の無条件の祝福は失権の忘却を生みかねない以上、私は毎年の復権を祝福しつつ、それら失権したままの書物の存在も記憶に留めておきたい。その存在に気づいて初めて、私たちは、あの魔術的な糸を自分で垂らすことができるようになるだろう。

 失権したままの無数の書物、その存在を開示するものとしての〈書物復権〉──それもまた、この祝祭の大事な意義のひとつではないかと思う。

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書物復権2025 復刊書目

哲学・思想・言語・宗教社会歴史・民俗心理・教育文学・芸術法律・経済・政治自然科学・医学

哲学・思想・言語・宗教

岩波書店
「大衆」と「市民」の戦後思想 藤田省三と松下圭一
趙星銀
初版2017・最終版2017年◆A5判◆416頁◆税込6,820円
「現代」という時代と格闘した二人のデモクラットの思索を通じて、戦後日本の「市民」概念がいかに「大衆」を意識しつつ形作られてきたかを探る。

岩波書店
リベラル・ユートピアという希望
リチャード・ローティ/須藤訓任・渡辺啓真 訳
初版2002・最終版2004年◆B6判◆360頁◆税込4,070円
リベラルな社会という〈希望〉への連帯を説く哲学者が、自伝的考察や時事的テーマに即しその主張を簡潔に示す、ローティ自身によるローティ入門。

紀伊國屋書店
サイード自身が語るサイード 新装版
エドワード・W.サイード、タリク・アリ/大橋洋一訳
初版2006・最終版2006年◆四六判◆192頁◆税込2,860円
主著『オリエンタリズム』で西欧中心の中東・アジア観を鋭く指摘、批判したサイードの、1994年のインタビュー。自身の肉声による良質なサイード入門。

勁草書房
意味の限界 新装版 『純粋理性批判』論考
P.F.ストローソン/熊谷直男、鈴木恒夫、横田栄一訳
初版1987・最終版2013年◆A5判◆380頁◆税込5,500円
ストローソンによるカントの読解。〈経験に不可欠な構造〉についての分析的な議論を、〈学的ファンタジー〉から解き放って再構成する。

勁草書房
意識の自然 現象学の可能性を拓く
谷徹
初版1998・最終版2013年◆A5判◆776頁◆税込11,000円
三部構成によりフッサール現象学の全体像を描く。第Ⅰ部は思想的源流、第Ⅱ部は内部構造、第Ⅲ部は継承者の評価と今後の展望を語る。

勁草書房
現象学的な心 心の哲学と認知科学入門
S.ギャラガー、D.ザハヴィ/石原孝二、宮原克典、池田喬、朴嵩哲訳
初版2011・最終版2017年◆A5判◆400頁◆税込4,950円
現象学は「心」に関する自然科学的研究にどう貢献できるのか? 英米哲学の系譜とは異なる、現象学の立場からの「心の哲学」の冒険。

勁草書房
現代哲学基本論文集Ⅰ フレーゲ ラッセル ラムジー ヘンペル シュリック ノイラート カルナップ
坂本百大編
初版1986・最終版2011年◆四六判◆280頁◆税込3,850円
フレーゲ、ラッセルから論理実証主義に至る揺籃期の若々しい息吹。現代哲学における〈言語論的転回〉の諸相を読む。

東京大学出版会
都市の詩学 増補新装版 場所の記憶と徴候
田中 純
初版2007・最終版2007年◆A5判◆512頁◆税込5,390円
都市論、建築論、神話、詩、小説等のテクストや絵画、写真、映画のイメージを対象に、表象文化論の一つの結実を提示する。

東京大学出版会
政治の美学 増補新装版 権力と表象
田中 純
初版2008・最終版2008年◆A5判◆656頁◆税込6,380円
政治的暴力が美化される情動の論理を、芸術や学問と政治が交差する領域において探求する表象文化論のスリリングな実践。

白水社
フランス啓蒙思想入門 新装版
J・H・ブラムフィット/清水幾太郎訳
初版2004・最終版2004年◆四六判◆216頁◆税込4,180円
デカルトやニュートンの自然研究の方法を社会・政治の批判研究に援用したフランス啓蒙批評家。現代思想の起源ともいえる彼らの思想を分析する。

白水社
科学認識論 新装版
ガストン・バシュラール/竹内良知訳
初版2000・最終版2000年◆四六判◆288頁◆税込5,500円
科学的認識の理論に新しい道を拓いたバシュラール。その科学および科学史に関する思想の核心を伝えるべく編集された格好の入門書である。

法政大学出版局
ベンヤミン - ショーレム往復書簡 新装版
G.ショーレム/山本尤訳
初版1990・最終版1990年◆四六判◆440頁◆税込4,950 円
現代批評の俊英ベンヤミンとユダヤ神秘思想研究の碩学ショーレムが、悪化する状況、人々の消息、互いの仕事とその周辺を綴った1930年代の精神史的証言。

法政大学出版局
健康の神秘 新装版 人間存在の根源現象への解釈学的考察
H.-G.ガダマー/三浦国泰訳
初版2006・最終版2006年◆四六判◆232頁◆税込3,300 円
近代科学主義によって健康を対象化する現代医学を批判しつつ、解釈学的存在論の立場から「存在」としての健康の神秘を考察する、ガダマー最晩年の不屈の批判精神。

みすず書房
人権について 新装版 オックスフォード・アムネスティ・レクチャーズ
ジョン・ロールズ他/中島吉弘・松田まゆみ訳
初版1998・最終版2010年◆四六判◆328頁◆税込4,840円
〈人権〉概念をめぐるオックスフォード大学連続講座。ルークス、ロールズ、マッキノン、ローティ、リオタール、ヘラー、エルスター7人の講演を収録。

みすず書房
自由論 新装版
アイザィア・バーリン/小川晃一・小池銈・福田歓一・生松敬三訳
初版1971・最終版2018年◆四六判◆536頁◆税込7,150円
政治哲学者・思想史家バーリンによる、自由についての四つのエッセイ。「歴史の必然性」、「二つの自由概念」などを収録。

みすず書房
ランスへの帰郷 新装版
ディディエ・エリボン/塚原史訳
初版2020・最終版2020年◆四六判◆264頁◆税込4,400円
ゲイであることよりも、下層出身であることを知られるのが怖かった。フランスの哲学者が自らの半生に浮き彫りにした。仏独ベスト&ロングセラー。


社会

東京大学出版会
社会学の方法的立場 増補版 客観性とはなにか盛山 和夫
盛山和夫
初版2013・最終版2013年◆四六判◆384頁◆税込4,400円
ヴェーバー、デュルケム、シュッツなどの社会学方法論を検討し、現代社会が直面する課題にアプローチする学問的営みのあるべき姿を提唱する。

東京大学出版会
若者と仕事 増補新装版 「学校経由の就職」を超えて
本田由紀
初版2005・最終版2011年◆A5判◆256頁◆税込4,180円
〈若者と仕事〉の厳しい現状の背景にある要因として「学校経由の就職」の機能不全と「教育の職業的意義」の不在を指摘、打開策を提案する。

吉川弘文館
百貨店で〈趣味〉を買う 大衆消費文化の近代
神野由紀
初版2015・最終版2015年◆四六判◆248頁◆税込2,750円
風流道具、人形玩具…。百貨店で販売された商品を取り上げ、その背後にある〈良い趣味〉を読み解き、その活動を考える。


歴史・民俗

創元社
ホロコースト全史
M・ベーレンバウム著/芝健介監修/石川順子、高橋宏訳
初版1996・最終版2009年◆四六判判◆500頁◆税込5,280円
ナチスの台頭、ユダヤ人迫害の歴史、ゲットーでの生活、強制収容所での大量殺戮、収容所開放と社会復帰までの道のり…写真とともに伝える。

法政大学出版局
ファシズム時代のシオニズム 新装版
L.ブレンナー/芝健介訳
初版2001・最終版2001年◆四六判◆476頁◆税込5,720 円
シオニズム運動を世界史的な視野で考察しつつ、シオニストとナチとの知られざる関係を剔抉し、全体主義に覆われた20世紀の暗部を鋭く照射する反シオニズム論。

法政大学出版局
メフメト二世 新装版 トルコの征服王
A.クロー/岩永博、井上裕子、佐藤夏生、新川雅子訳
初版1998・最終版1998年◆四六判◆458頁◆税込4,620 円
コンスタンティノープルの征服によりローマ帝国に永遠の終焉をもたらし、オスマン帝国の基礎を築いた征服王メフメト二世の生涯,政治的理念と強烈な個性を描く。

みすず書房
書物の中世史 新装版
五味文彦
初版2003・最終版2006年◆A5判◆552頁◆税込7,920円
2024年、文化功労者に選ばれた国文学の碩学による、文学・歴史の領域に架橋する画期的《書物史》。

吉川弘文館
楠木正成
新井孝重
初版2011・最終版2011年◆四六判◆256頁◆税込2,640円
正成とは何者か。籠城・遊撃・奇襲! 変幻自在のゲリラ戦。武装住民ネットワークを駆使し、鎌倉武士を翻弄した軍事カリスマの実像。

吉川弘文館
建物が語る日本の歴史
海野 聡
初版2018・最終版2018年◆A5判◆336頁◆税込2,970円
建築物は歴史を語る証人である。寺院や城郭、住居など、原始から近代まで社会との関わりから建物を考える、新しい日本建築史入門!


心理・教育

紀伊國屋書店
意識の起源史 改訂新装版
エーリッヒ・ノイマン/林道義訳
初版2006・最終版2006年◆A5判◆644頁◆税込9,900円
「個人の自我意識の発達は、人類の歩んできた意識発達の元型的諸段階を辿る」という仮説を元にその軌跡を世界の神話に探る。ユング心理学の金字塔。

紀伊國屋書店
フロイトの生涯 新装版
アーネスト・.ジョーンズ/竹友安彦・藤井治彦訳
初版1969・最終版2007年◆A5判◆636頁◆税込9,790円
峻烈な心理の探究者であるとともに極めて人間的な側面を持ったフロイトの苦闘の歴史を浮き彫りにした、フロイト伝の決定版。

創元社
発達障害への心理療法的アプローチ
河合俊雄編著/田中康裕、畑中千紘、竹中菜苗著
初版2010・最終版2020年◆A5判◆232頁◆税込3,960円
発達障害を中枢神経系の障害として捉える見方が趨勢を占める中で、心理療法的アプローチの有効性を探ろうとする。障害の新たな理解の視点を提供。

創元社
心理臨床と「居場所」
中藤信哉
初版2017・最終版2018年◆A5判◆200頁◆税込4,400円
臨床実践の場で語られる「居場所」という語の歴史的変化、社会的・文化的要因を紐解き、その概念を心理臨床学の視座から捉えなおす。


文学・芸術

勁草書房
ヒエロニムス・ボス 奇想と驚異の図像学
神原正明
初版2019・最終版2019年◆A5判◆568頁◆税込10,450円
ヨーロッパが中世からルネサンスに移行する時期にあって、変貌する世界観を丸ごと視覚化した画家、ヒエロニムス・ボスの図像研究。

白水社
カフカ最後の手紙 新装版
J.チェルマーク/M.スヴァトス編  三原弟平訳
初版1993・最終版1993年◆四六判◆181頁◆税込3,850円
1986年プラハでカフカ最晩年の両親宛書簡が発見された。ベルリンでの困窮、迫る死。一級資料であり、カフカ文学を伝える迫真のドキュメント。

白水社
新エロイーズ(上) 新装版
ルソー/松本勤訳
初版1979・最終版1988年◆A5判◆498頁◆税込7,920円
スイスを舞台に貴族の令嬢と平民の家庭教師との身分違いの恋を描く書簡体小説。ロマン主義文学に大きな影響を与えた18世紀最大のベストセラー!

白水社
新エロイーズ(下) 新装版
ルソー/松本勤訳
初版1981・最終版1990年◆A5判◆474頁◆税込7,920円
スイスを舞台に貴族の令嬢と平民の家庭教師との身分違いの恋を描く書簡体小説。ロマン主義文学に大きな影響を与えた18世紀最大のベストセラー!

法政大学出版局
訳された近代 文部省『百科全書』の翻訳学
長沼 美香子
初版2017・最終版2017年◆四六判◆438頁◆税込6,380 円
明治初期に文部省主導で進められ、最先端の西洋文明を紹介した全97編の『百科全書』翻訳・出版事業は、近代日本の学知に何をもたらしたのか。

みすず書房
写真講義 新装版
ルイジ・ギッリ/萱野有美訳
初版2014・最終版2018年◆A5変型判◆256頁◆税込6,600円
自らの撮影技術を丁寧に示しながら、写真の魅力を熱く静かに語りかける。イタリア写真界の無名の巨匠がのこした最後の授業。

吉川弘文館
工芸とナショナリズムの近代 「日本的なもの」の創出
木田拓也
初版2014・最終版2014年◆A5判◆260頁◆税込5,280円
なぜ〈工芸〉は生まれたのか。桃山復興、戦後の「伝統工芸」復活など、歴史的展開を辿り、近代ナショナリズムとの関係を問い直す。


自然科学・医学

創元社
不思議で美しい石の図鑑
山田英春
初版2012・最終版2019年◆B5判◆176頁◆税込5,500円
世界的瑪瑙コレクターが編んだ、驚異のオールカラー石図鑑。古代から人々を魅了して止まない、石の中の美的宇宙へご案内。

東京大学出版会
環境創造の思想 増補版
武内和彦
初版1994・最終版1998年◆A5判◆232頁◆税込4,180円
われわれが求める「自然」とはなにか。人間と自然の新たな共存の理念と方法をランドスケープ・エコロジー(地域生態学)の視点からときおこす。

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毎月15日は 紀伊國屋ポイント2倍デー

第172回 芥川賞・直木賞の受賞作決定! 芥川賞ダブル受賞:安堂ホセさん『DTOPIA』鈴木結生さん『ゲーテはすべてを言った』/ 直木賞:伊与原新さん『藍を継ぐ海』(2025/1/15)

【3階アカデミック・ラウンジ】『食の本 ある料理人の読書録』刊行記念 稲田俊輔さん×新保信長さんトーク&サイン会 「食を"描く"ということ」

【9階イベントスペース】『小説集 筋肉少女帯小説化計画』出版記念 大槻ケンヂ氏サイン会

新聞の書評コーナーで紹介された本:週末掲載 - 2025年4月11-13日版:読売・朝日・毎日・日経・産経・東京・週刊読書人

ようこそ大阪市へ 3のつく日はポイント3倍【大阪市内6店舗対象】

【抽選】佐藤流司4th写真集『Reason』(講談社)発売記念イベント

【紀伊國屋ホール】ラッパ屋公演 紀伊國屋書店提携「はなしづか」

萩原利久2nd写真集『W』パネル展&直筆サイン入りパネルプレゼント

ヨシタケシンスケ×紀伊國屋書店 コラボグッズ 好評発売中!〈本の虫シリーズ〉

『JTB時刻表』100周年メモリアルトークイベント 久野知美さん(女子鉄アナウンサー)×大内学さん(JTB時刻表17代目編集長)

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