2024年11月12日、第46回「サントリー学芸賞」の贈呈が発表されました。おめでとうございます!
本賞は「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門で、前年1月以降に出版された著作物を対象に選考し、広く社会と文化を考える独創的で優れた研究、評論活動をされた方が顕彰の対象です。
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第46回 サントリー学芸賞決定!(2024/11/12)
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紀伊國屋書店
- 対象68店舗
- 札幌本店
- 厚別店
- 小樽店
- 千歳店
- 仙台店
- 前橋店
- さいたま新都心店
- 浦和パルコ店
- 川越店
- 入間丸広店
- 流山おおたかの森店
- セブンパークアリオ柏店
- 新宿本店
- 西武渋谷店
- 玉川高島屋店
- 笹塚店
- イトーヨーカドー木場店
- 吉祥寺東急店
- 国分寺店
- 小田急町田店
- アリオ亀有店
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- ららぽーと横浜店
- 西武東戸塚S.C.店
- 武蔵小杉店
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- mozoワンダーシティ店
- 名古屋空港店
- プライムツリー赤池店
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- 高槻阪急スクエア店
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- クレド岡山店
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- ゆめタウン徳島店
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- いよてつ髙島屋店
- 福岡本店
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- 佐賀店
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- 熊本光の森店
- あらおシティモール店
- アミュプラザおおいた店
- アミュプラザみやざき店
- 鹿児島店
政治・経済部門
歴史・文化・社会的に形成される男女の差異=ジェンダー。その差別には近年批判が強く集まる。本書は、実証経済学の成果から就業、教育、歴史、結婚、出産など様々な事柄を取り上げ、格差による影響、解消後の可能性について、国際的視点から描く。議員の女性枠導入=クォータ制が、質の低下より無能な男性議員排除に繋がる、女性への規範が弱い国ほど高学歴女性が出産するなどエビデンスを提示。旧来の慣習や制度を問う。
元禄四年(一六九一)に三井高利が開設した三井大坂両替店。当初の業務は江戸幕府に委託された送金だったが、その役得を活かし民間相手の金貸しとして成長する。本書は、三井の膨大な史料から信用調査の技術と法制度を利用した工夫を読み解く。そこからは三井の経営手法のみならず、当時の社会風俗や人々の倫理観がみえてくる。三井はいかにして栄え、日本初の民間銀行創業へと繋げたか。新たな視点で金融史を捉え直す。
社会・風俗部門
かつてスクリーンを取り巻いていた、多彩な音のありようを拾い集めるかつてない試み! 映画館ではスクリーンの沈黙を覆い隠すように、サイレント時代から現代にいたるまでさまざまな音響が響き続けてきた。「サイレント映画」の時代にはサイレント映像に弁士や楽隊が実演で音響実践を行なっていたが、その後のサウンド映画の時代にはサイレント映像に録音で音響を流すようになった。しかしスクリーンの前に聞こえてくる音響の種類が変わったということだけではない。映像そのものも変化するなかで、映像がともなう音響も、映像と音響の関係性も変化してきたのである。 サイレント映画の時代、日本の映画館では弁士(あるいは説明者、解説者)と呼ばれた語り手が台詞や解説を語り、音楽家たちが映画の伴奏音楽を生演奏していた。この音楽家たちは映画の上映中だけでなく、上映の合間に余興演奏を行なう場合もあった。当時の映画館は洋楽受容の拠点として、西洋音楽が鳴り響いたことはよく知られているが、それだけではなく、囃子鳴物、長唄、琵琶唄、浪花節、義太夫節、新内節、さらには西洋音楽と日本音楽が折衷された和洋合奏という合奏形式も人気を博していた。しかし、現代の日本の映画やドラマで日本音楽が出てくることはきわめて稀である。むしろオーケストラが流れている方が耳馴染みがあるような気さえする。それほど西洋音楽的な音楽語法が現代の映画体験にとって標準になっている。 本書では、サイレント時代からトーキー初期の日本の映画館でスクリーンを前にどのような音が鳴り響いたのかを問い、それが歴史のなかでどのような音文化を織りなしていたかを明らかにしようとする試みである。具体的には戦前の東京の事例を手がかりに、日本の映画館における音文化の歴史を多角的に明らかにする。 残された言説や限られた資料をつぶさに掘り起こし、日本映画と外国映画、弁士と楽士、邦楽と洋楽、実演とレコードなど、様々な事象が入り交じって豊穣な文化を作り出していた実態を描き出した力作。
権威主義体制が長く続いた台湾。1996年に総統の直接選挙が始まり、2000年には国民党から民進党への政権交代が実現した。今や「民主主義指数」でアジア首位に立つ。中国の圧力に晒されながら、なぜ台湾の民主主義は強靱なのか。また弱点はどこにあるか。白熱する選挙キャンペーン、特異なメディア環境、多様な言語と文化の複雑さ、そしてあらゆる点で大きな影響を及ぼすアメリカとの関係に注目し、実態を解き明かす。
芸術・文化部門
日本文学は「どうしても翻訳できない言葉」で書かれてきた、と大江健三郎は言う。事実、谷崎も川端も三島も、英訳時に改変され、省略され、時に誤読もされてきた。なぜそのまま翻訳することができないのか。どのような経緯で改変され、その結果、刊行された作品はどう受け止められたのか。米クノップフ社のアーカイヴズ資料等をつぶさに検証し、一九五〇~七〇年代の作家、翻訳者、編集者の異文化間の葛藤の根源を初めて明らかにする。
政治動向と不可分に展開してきた中国と台湾の20世紀美術を日本とのかかわりも交えて俯瞰することで、東アジアの近現代美術史に新たな視点をもたらす気鋭の論集。ともすれば一国主義中心に傾きがちな美術史観では捉えきれない作品と芸術家の活動について精緻に検証する。
思想・歴史部門
アジアの中央で交錯する複数の秩序・利害・権力―。仏教を介して中国と特別な関係を結び、広大な領域を治めたダライ・ラマ政権。東アジア国際秩序の構造転換を前に、彼らは勢力を維持すべくいかに行動したのか。そこで主張された「独立」「自治」の意味とは何か。現代に至るチベット問題の起源を、チベット語を中心とする貴重な一次史料に基づき究明した画期的成果。
西洋列強による植民地支配が行われたカリブ海の国々をそれぞれ孤立したものとしてではなく、ひとつの世界として認識し、その独自の思想を体系化する画期的著作。