紀伊國屋書店 出版部 目録 [社会・歴史]

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2023年4月現在


5
グローバル資本主義はいかに生まれたか
46判 852頁 本体4,500 円
スヴェン・ベッカート鬼澤忍佐藤絵里
2022978-4-314-01195-2
奴隷制,植民地主義,強制労働……社会的・経済的不平等や差別は資本主義の歴史の例外ではなく,その核心だった。膨大な資料をもとに5000年,5大陸にわたる綿とそれにかかわる人々の歩んだ道をたどり,現代世界の成り立ちを追究した,バンクロフト賞受賞作。

29
シュメールの粘土板からデジタル時代まで
46判 744頁 本体3,500円
フェルナンド・バエス八重樫克彦八重樫由貴子
2019978-4-314-01166-2
シュメールの昔から,アレクサンドリア図書館の栄枯盛衰,ナチスによる“ビブリオコースト”,イラク戦争下の略奪行為,電子テロまで。どの時代にも例外なく継承すべき叡智を失ってきた人類の“恥辱の年代記”。幼少期に地元図書館を洪水によって失った著者が,やがて膨大量の文献や実地調査により世界各地の書物の破壊の歴史をたどる。エーコ,チョムスキー絶賛。

34
ナチ宣伝相秘書の独白
46判 272頁 本体1,900円
ブルンヒルデ・ポムゼルトーレ・D. ハンゼン石田勇治監修森内薫赤坂桃子
2018978-4-314-01160-0
「なにも知らなかった。私に罪はない」ヒトラーの右腕としてナチ体制を牽引したヨーゼフ・ゲッベルスの103歳の元秘書が,69年の時を経て当時を回想する。その発言はハンナ・アーレントのいう“悪の凡庸さ”を想起させ,ナショナリズムとポピュリズムが再び台頭する現代社会へ警鐘を鳴らしている。20か国以上で刊行決定。映画「ゲッベルスと私」の書籍版。

35
〈新装版〉
46判 208頁 本体2,600円
加藤九祚
2018978-4-314-01158-7
1945年8月,旧関東軍の一員として満州で終戦をむかえ,以後5年にわたり東部シベリアの収容所を転々として抑留生活を送った著者が帰国後,彼の地で習いおぼえたロシア語の文献をひもとき,その歴史を日本で初めて概観した一冊。2016年,ウズベキスタンで発掘調査中に94歳で死去するまで生涯現役を貫いたシルクロード研究の世界的権威の出発点。

36
〈新装復刊版〉
46判 192頁 本体2,400円
久野昭
2018978-4-314-01162-4
「葬送の倫理的な意味は儀礼の形式それ自体にはない,そのような形式を通じて死者を葬送する主体の側にある,そこを見失うべきではないと思うのだ」――死者への思い,死者との関わりは生きている者にとってどのような意味をもつのか。形式としての儀礼が残ったのはなぜか。古人の死霊観や葬法の変遷から考察する。

47
新宿、もうひとつの戦後史
46判 252頁 本体1,800円
稲葉佳子青池憲司
2017978-4-314-01151-8
〈らんぶる〉も〈スカラ座〉も台湾人がつくった――終戦までの50年間,日本統治下にあった台湾。8万人近くが“日本兵”として戦地に送られ,戦前から日本に“内地留学”していた者も多くいた。戦後,今度は一転,“外国人”として裸一貫放り出された台湾人は駅前のヤミ市で財をなし,焼け野原に新たに構想された興行街・歌舞伎町を目指した。初めて明らかにされる,貴重な時代証言。

72
46判 380頁 本体2,000円
田辺茂一坪内祐三解説
2014978-4-314-01124-2
明治の新宿に生まれ,昭和2年に21歳で紀伊國屋書店を創業。ロードスターで本を運び,ギャラリーを併設した店内で同世代の作家や画家たちと文芸誌を作った若き日から,戦後の再建を経て“夜の市長“と呼ばれた晩年まで。「眼くるめく変貌」を遂げた新宿の地で,文化を発信しつづけた書店主による回想記,待望の復刊。井伏鱒二ら28名の「紀伊國屋と私」収録。

83
A5判 272頁 本体2,200円
戸沼幸市編著青柳幸人高橋和雄松本泰生
2013978-4-314-01099-3
この「まち」の力はどこから来たのか――赤線・闇市・新宿コマ劇場・ゴールデン街・伊勢丹・超高層ビル街・コリアンタウン…内藤新宿以来の歴史をふりかえり,乗降客一日350万人の世界最大のターミナル駅と有数の繁華街を持つまちになるまでどのように発展してきたのかを描き,新宿の近未来像を提案する。カラー口絵・図版90点・年表・まち歩きガイド付。

84
なぜアメリカ人は戦争を選ぶのか
46判 352頁 本体2,500円
リチャード・E. ルーベンスタイン小沢千重子
2013978-4-314-01106-8
1830年代にトクヴィルが見たアメリカ人像は総じて対外戦争を忌避する平和愛好者だった。しかし,以後かの国では戦争が常態化している。愛国心・共同体意識・自衛の概念・開戦事由のレトリック――その歴史から集団暴力が道徳的に正当化されてきた要因を探る。イラク戦争から10年が過ぎたいま,米国の対外戦争を是認してきた日本であらためて読まれるべき1冊。

94
46判 524頁 本体3,200円
ジェイムズ・ロジャー・フレミング鬼澤忍
2012978-4-314-01092-4
雨乞いの儀式にはじまり,ペテン師たちの暗躍,さまざまな思惑が錯綜する軍事・商用目的の人工降雨,エアコンの発明,天気予報,気象衛星まで――ままならぬ自然の支配を切望した人間の歴史をたどるとともに,地球温暖化を解決しようとSFばりのアイディアが検討される,現代の「地球工学」の政治的・倫理的問題点を衝く。

101
46判 688頁 本体3,400円
タミム・アンサーリー小沢千重子
2011978-4-314-01086-3
9・11――その時はじめて世界は〈ミドルワールド〉に目を向けた。十字軍遠征,植民地時代,そして,9・11――西洋版の世界史の後景に追いやられてきたイスラーム世界ではいかなる物語が進行していたのか。さらにはムスリムは自らの歴史をどう捉え,いかに語り伝えてきたのか。混迷を続けるイスラーム世界の成りたちが見えてくる,もう一つの世界史。

116
A5判 376頁 本体2,400円
岩崎稔編著上野千鶴子編著北田暁大編著小森陽一編著成田龍一編著
2009978-4-314-01052-8
封印された記憶を言語化する――ようやく語られ始めた戦後史があった。〈戦後〉を問い直すための見取り図を提示するとともに,これまでこぼれ落ちてきた論点をアクチュアルな問題として拾い上げ,特に社会運動に力点をおいて総括するシリーズ第一巻。東京大空襲/憲法/GHQ/復員兵/東京裁判/講和/サークル詩/朝鮮戦争…。各巻に詳細年表付(道場親信編)。

117
A5判 384頁 本体2,400円
岩崎稔編著上野千鶴子編著北田暁大編著小森陽一編著成田龍一編著
2009978-4-314-01051-1
かつて〈革命〉を信じた時代があった―― 〈戦後〉を問い直すための見取り図を提示するとともに,これまでこぼれ落ちてきた論点をアクチュアルな問題として拾い上げ,特に社会運動に力点をおいて総括するシリーズ第二巻。安保/ベ平連/水俣/全共闘/リブ/連合赤軍/沖縄/少年マンガ…。噴出する〈社会運動〉の時代を検証する!

122
A5判 376頁 本体2,400円
岩崎稔編著上野千鶴子編著北田暁大編著小森陽一編著成田龍一編著
2008978-4-314-01053-5
1995年,日本はここから変わった?! 〈戦後〉を問い直すための見取り図を提示するとともに,これまでこぼれ落ちてきた論点をアクチュアルな問題として拾い上げ,特に社会運動に力点をおいて総括するシリーズ第三巻。ニューアカ/フェミニズム/おたく/ピースボート/ネオリベ/バブル/グローバル化/オウム/9・11/イラク戦争/格差…

118
行動経済学からみる脳のトラップ
46判 360頁 本体1,600円
マッテオ・モッテルリーニ泉典子
2009978-4-314-01054-2
人は直感が大好き。理屈で考えるより先に無意識に行動する。それは集団をも巻き込み,国家や企業の命運を決める重大な判断や決断さえも左右するのだ。最新の行動経済学は,人の認知のみならず判断や行動に見られるバイアスを明らかにしてきたが,この脳が仕掛ける「トラップ」を理解し,自分の錯覚と他人の策略から身を守る方法を提示する。

123
はじめての行動経済学
46判 322頁 本体1,600円
マッテオ・モッテルリーニ泉典子
2008978-4-314-01047-4
「三つあると真ん中を選ぶ」。人は合理的で,常に自分の利益になるように行動するはずが,実際にはなぜか非合理な選択をしてしまう。そのような人間の心理を解明した「行動経済学」の入門編。問いとクイズ形式で,株式投資からビジネス,レストランでの食事,買い物まで,感情が動かす「心の法則」を,最新の「神経経済学」を交えて紹介する。

140
火を投げるサルが宇宙を飛ぶまで
46判 320頁 本体4,200 円
アルフレッド・W.クロスビー小沢千重子
2006978-4-314-01004-7
なぜ人類はかくも繁栄したのか。本書はその理由として,直立二足歩行や火を操る能力と並んで,「ものを投げる能力」を挙げる。飛び道具を使って,遠く離れた場所に変化を生じさせることへの飽くなき探究心こそが歴史を形作ってきたのだ。人類進化の足跡から,戦争の様式と軍事技術の変遷,惑星探査や宇宙開発まで,壮大なスケールで描く画期的な人類史。

175
ヨーロッパ覇権をもたらした世界観の誕生
46判 356頁 本体3,500円
アルフレッド・W. クロスビー小沢千重子
2003978-4-314-00950-8
ヨーロッパ帝国主義が成功をおさめたのはなぜか? 理由のひとつは,中世・ルネサンス期に,人びとの世界の捉え方や思考様式が,宗教的なものから普遍的・効率的なものへと変化していたことだと著書は言う。暦法,機械時計,地図,記数法,絵画の遠近法,楽譜,複式簿記……広範な分野で並行して起こった,数量化・視覚化という革命を跡づけてゆく西欧精神史。

151
遺されたB級戦犯妻の記録
46判 280頁 本体1,800円
小林弘忠
2005978-4-314-00987-4
太平洋戦争のB級戦犯に指定された傷痍軍人,本田始。彼は,捕虜監視員時代に捕虜を虐待した罪で起訴され,たった一日の裁判で死刑判決を受けてしまう。そこから,彼の妻・タネの,見つからない真実を追い続ける戦後が始まる。「彼は本当に捕虜を殺したのだろうか?」――今もなお戦後の傷跡を背負って生きる女性の生涯を描くノンフィクション。

152
46判 256頁 本体1,800円
大江志乃夫
2005978-4-314-00976-8
日露戦後,軍馬改良の一環として競馬が奨励され,馬券も黙許された。だが,その利益を当て込んで競馬会が乱立,紛争・不正も続発して,明治41年,馬券競馬は廃止されるに至る。この騒動の片隅で,一見些細だが,やがて来る検察権力の暴走を予兆する事件が起きていた……。近代史研究の大御所が陸軍秘密文書を駆使しながら描く,歴史の裏側に隠されたドラマ。

153
意識の誕生と文明の興亡
46判 640頁 本体3,200円
ジュリアン・ジェインズ柴田裕之
2005978-4-314-00978-2
人類が意識を持ったのは,今からわずか3000年前のことだった。古代文明は,右脳に囁かれる神々の声に従った〈二分心〉の者たちが担ったのだ――人類が意識を持つ前の人間像を初めて示し,豊富な文献や遺物を駆使して「意識の誕生」をめぐる壮大で大胆な仮説を提示する……哲学・心理学,歴史解釈をはじめ多方面で論議を呼んだ画期作,堂々の刊行。

154
西洋篇
A5判 328頁 本体2,800円
荒川紘
2005978-4-314-00995-9
シュメール・バビロニアの神話的世界観からユダヤ教,ギリシア・ローマ,スコラ哲学の世界観・宇宙観へ。ルネサンス以前の五千年に及ぶ世界観・宇宙観の変遷の歴史が,現代に問いかけるものとは? 「外から宇宙をみる西洋,内から宇宙をみる東洋」と言われるが,東西の宇宙観の変遷の歴史を比較文明論的に詳細に辿ることで,その違いを浮き彫りにする挑戦!

158
A5判 272頁 本体2,200円
小森陽一編著成田龍一編著
2004978-4-314-00956-0
1904(明治37)年に勃発し,近代日本の進む道を決定づけた日露戦争。その時代と社会をいま,世紀をへだてて改めて問い直す――。メディアと報道,国際社会の中の日本,軍隊と地域,銃後と民衆運動,植民地,記憶と慰霊……第一線の書き手たちがこれまでこぼれ落ちてしまっていた論点に光をあて,現代に通じるアクチュアルな問題を浮き彫りにする野心的な論集。

159
中東問題の始まり 1914-1922
46判 464頁 本体3,800円
デイヴィッド・フロムキン平野勇夫椋田直子畑長年
2004978-4-314-00966-9
中東ではなぜ血なまぐさい抗争が絶えないのか。それを理解するためには第一次世界大戦までさかのぼらねばならないと著者は言う。オスマントルコ帝国の崩壊を見すえ,ヨーロッパ列強はいかなる青写真を描いていたのか。さまざまな思惑が交錯する生々しい人間模様を活写し,近代中東形成の全体像をあぶり出す,大河小説さながらの一大歴史ノンフィクション。

160
中東問題の始まり 1914-1922
46判 544頁 本体3,800円
デイヴィッド・フロムキン平野勇夫椋田直子畑長年
2004978-4-314-00967-6
同上

161
イスラームそして世界の岐路
46判 248頁 本体1,700円
バーナード・ルイス中山元
2004978-4-314-00975-1
高まり続ける反米感情,跡を絶たないテロ,進まない近代化,ちぐはぐな西側の対応……現代イスラームひいては世界全体の危機を,中東研究の重鎮が,イスラームの教義から歴史的経緯,9.11以降の情勢まで幅広く視野に入れながら明解に考察。手際よく論点を整理するコンパクトさと,該博な知識から来る濃密さをあわせ持った,イスラーム理解のための必読書。

162
歴史から図像まで
A5判 628頁 本体4,500円
伊泉龍一
2004978-4-314-00964-5
何百年もの間,時の流れとともに変わり続けてきたタロット。多種多様な絵柄の中には,その時代の空気や人々の世界観が封じ込められている―――タロットの今の姿から始まり,占いと精神世界との関わりの中で育まれたその歴史,各カードの図像解釈まで,豊富な切り口からタロットの世界の全貌を披露する。図版も豊富に掲載され,まさに辞書的な一冊。

176
近代女性の表象と闘い
B6判 320頁 本体2,200円
川村邦光
2003978-4-314-00951-5
与謝野晶子とモダンガール,中原淳一と彼の描く乙女像に熱狂した女子学生,そして美智子妃,樺美智子,大島みち子という「三人のみちこ」,吉永小百合――激動の20世紀に女性の身体やセクシュアリティはいかに表象され,語られたのか。「オトメ」という概念を軸に,女性自身の言葉やメディアの語りの中から,近代日本を生きた女性像の変遷とその闘いを探る。

200
46判 192頁 本体1,600円
水野肇
2000978-4-314-00876-1
財政破綻により,21世紀の社会保障の未来図が描けず,国民に老後の不安が広がっている。
本書は,基礎年金十万円構想を軸に据え,社会保険の一本化,薬価基準廃止・薬代償還制の導入,個人カルテICカード化,家庭医制度の確立など,医療・年金・保険の各改革案を盛り込んだ提言の書である。

213
西欧と日本
A5判 348頁 本体(品切)円
西村三郎 
1999978-4-314-00850-1
ユーラシア大陸の東端と西端,日本と西欧でともに近世に絢爛と花ひらいた博物学-博物趣味の大流行の謎を,地球的・世界史的スケールで比較文明論的に考察した画期作!!
東西の博物学の本格的な通史でありながら,読みごたえのある物語性で,両者の内実の違いを実証,江戸博物学終焉の謎に迫る。各紙誌・書評誌,絶賛の書。

214
西欧と日本
A5判 384頁 本体3,200円
西村三郎
1999978-4-314-00851-8
同上

222
歴史的転換の位相
46判 266頁 本体2,000円
天児慧
1998978-4-314-10130-1
政治・経済から社会,環境問題,価値観,民族意識,安全保障まで,専門家6人が,歴史を辿りつつ現在のアジアを読み解き,21世紀を見通す。
本書が展開する多方面からの検討はアジア理解の指針となるであろう。

237
〈新装復刊版〉
46判 292頁 本体2,200円
チャールズ・ベルリッツ小江慶雄小林茂
1997978-4-314-00797-9
数千年前の古地図に南極大陸が精確に書かれていた秘密。シベリアの冷凍マンモスの口中に残る南方植物の謎。ベーリング海峡を渡った人々の残した痕跡。洪水伝説と地球大激変をめぐる古代人の記述等。31か国語を解する水中探検家が,古今東西の文献を渉猟し,自ら水底都市の遺跡に潜って,古代文明のミステリーに迫る。

245
46判 336頁 本体2,330円
川名英之
1996978-4-314-00748-1
オゾン層破壊,地球温暖化,酸性雨被害,砂漠化,熱帯雨林激減,核汚染,有害化学物質汚染,人口爆発の難題等,地球環境破壊は,私たちの想像以上に進行している。環境ジャーナリストである著者は,この現状は病気にたとえれば合併症で,全身に症状が現れており,もはや対症療法ではしのげないと警告する。地球環境破壊の問題点を総ざらいした一冊。

246
46判 298頁 本体2,427円
荒川紘
1996978-4-314-00726-9
雨を降らせ農民を助ける,心やさしい日本の龍。皇帝のシンボルとなった中国の龍。邪悪の象徴,西洋のドラゴン――。なぜ人類は,かくもさまざまな龍をうみだし,神話や伝承の中で語りつたえてきたのか? 世界各地の神話・伝承から,旧石器時代の土器の文様まで,豊富な資料と多数の図版を用いて,龍をうんだ人類の想像力に迫る! スリリングな文明史の冒険行。

255
A5判 752頁 本体6,500円
リチャード・ローズ神沼二真渋谷泰一
1995978-4-314-00710-8
人類史上の重大事といえる原子爆弾はいかにつくられ,なぜ広島と長崎に投下されたのか。原爆をめぐる国際政治の動き,科学者たちの熱狂と苦悩……その全貌を,膨大な文献調査と300人を超えるインタビューで完璧なまでに再現した,ピューリッツァー賞受賞作。

256
A5判 752頁 本体6,500円
リチャード・ローズ神沼二真渋谷泰一
1995978-4-314-00711-5
同上

257
46判 264頁 本体1,748円
井上章一
1995978-4-314-00705-4
「木戸幸一日記」の一文を手がかりに,天皇制の背後にあった精神鑑定の〈影〉を探っていく。元・女官長島津ハルの不敬容疑,虎ノ門事件,皇居をさわがした煙突男,二・二六事件,田中正造直訴事件などを追いつつ,〈狂人〉のレッテル貼りの始まりの謎と,それら歴史上の事件の裏側を読んでいく。驚くべき推理で,天皇制と精神鑑定の関係に鋭く迫った話題作。

263
熊沢蕃山と本多利明
精選復刻 紀伊國屋新書
46判 190頁 本体1,748円
中沢護人森数男
1994978-4-314-00671-2
日本近代化の原動力としての「開明思想」「開物思想」の源流をたずねて,熊沢蕃山,富永仲基,本多利明の思想を当時の社会の中に位置づける。また一方ではアジアの開物思想に言及しヨーロッパに対して「アジア」という意識をもたらす要因の一つになったその思想について述べる。中国,朝鮮,日本。それぞれの場所で起きた思想の潮流を鋭く読む。

278
近代女性イメージの誕生
B6判 256頁 本体1,825円
川村邦光
1993978-4-314-00606-4
明治末から昭和初期にかけて,登場したばかりの女性雑誌を舞台に,オトメたちがつくりあげてきた不思議な共同体とは? 独自の文体を駆使した投稿文や当時の雑誌記事,広告,写真をもとに〈少女たちのワンダーランド〉の秘密をときあかす。女性にとっての近代の意味,ひいては「近代におけるオトメのディスクール」を,今,問いなおす。図版・資料も多数掲載。

279
B6判 248頁 本体1,456円
山崎浩一
1993978-4-314-00585-2
女が強くなった,男がダメになった,というのは本当か? 今の社会は男に有利か女に有利か? 性差別のない社会はどうしたら可能か?――フェミニズムから恋愛論まで,母性的日本社会から情報資本主義まで,気鋭のコラムニストが「男と女」をめぐる同時代の事象を,快刀乱麻・軽妙洒脱に切り捨てる。「男と女」という最も身近で深遠なテーマに挑んだ,会心の時代戯評!

313
〈新装版〉
46判 222頁 本体2,600円
阿部年晴
1981978-4-314-01108-2
アフリカ諸部族に言い伝えられた,豊穣で魅力的な創世神話の世界――智慧と生命力,善と悪,祭儀と芸術,神と精霊,混沌と秩序,性と創造,時間と永遠――この宇宙や人間社会はいかにはじまったのか。欧米圏の概念では明確に把握できない,その独自の意味と構造を解釈するとともに,神話とは何かを問い直した若き日の文化人類学者による論考。

326
民俗学的アプローチ
46判 228頁 本体2,400円
松永伍一
1978978-4-314-01120-4
子守唄のあの哀調はなぜか――各地に残された記録を辿った著者は,民俗学的なアプローチで,唄い継いだ名もなき女性たちの心情を探る。眠らぬ子に手を焼いて唄われたさまざまな子守唄の分析によって,その背景にあった庶民生活,風習,出稼ぎ,間引き,人身売買,故郷への慕情,社会諷刺,エロスなど,底辺に生きた人々の愛と悲しみが照らし出される。

247
文化人類学叢書
46判 566頁 本体5,800円
J. クリフォードG. マーカス春日直樹足羽與志子橋本和也多和田裕司西川麦子和迩悦子
1996978-4-314-00586-9
人類学のポストモダンの旗手・クリフォードらによって提出された,文化人類学に対する根底的な批判の書。デリダ哲学,文学理論,歴史学などを交錯させながら,それまで自明とされてきた民族誌の方法論,そして人類学のあり方を根底から問い直す。社会科学,文化研究などさまざまな分野において,多大な影響をあたえてきた重要文献。

258
文化人類学叢書
46判 552頁 本体5,631円
M. カリザスS. コリンズS. ルークス厚東洋輔中島道男中村牧子
1995978-4-314-00707-8
「人」や「自分」という概念は自明なように見えて,実は時代や文化によってさまざまに変容している。このことを指摘し,それは哲学や心理学の問題である以上に社会的・イデオロギー的な問題だと述べたのが,マルセル・モースだった。本書は,このモース論文をめぐって開催されたシンポジウムの記録であり,実に多様な分野の研究者たちがその展開を試みている。

281
文化人類学叢書
46判 496頁 本体4,757円
E. J. ホブズボウムT. レンジャー前川啓治梶原景昭
1992978-4-314-00572-2
古くから受け継がれてきたと思われている「伝統」の多くは,実は近代になってから人工的に創られたものだった――英国王室の華やかな儀礼式典,スコットランドのタータン文様やバグパイプ,さらにウェールズからインド,アフリカ,ヨーロッパ全般にも目を配り,「伝統」の創出がナショナリズムのイデオロギー構築に果たした重要な役割を明るみに出す重厚な歴史書。

284
モロッコ人トゥハーミの肖像
文化人類学叢書
46判 340頁 本体3,600円
ヴィンセント・クラパンザーノ大塚和夫渡部重行
1991978-4-314-00562-3
これは,一人のモロッコ人の物語である。かわら職人のトゥハーミは女の精霊と「結婚」しており,性愛生活を完全に支配されている。著者はトゥハーミへの度重なるインタビューを通して,その幻想的な心理世界に分け入ってゆく――オリエント的なエロティシズム,イスラム世界の精霊信仰,そして従来の民族誌の約束事を逸脱する実験性がみなぎる奇書。

289
アメリカ・インディアンの宗教運動と叛乱
文化人類学叢書
46判 306頁 本体6,100円
ジェイムズ・ムーニー荒井芳廣
1989978-4-314-70138-9
「ゴースト・ダンス」とは,19世紀末,アメリカ・インディアンの諸部族のあいだに広まった千年王国的な宗教運動のこと。本書は,運動の展開や儀礼の詳細を直接の観察にもとづいて描き出した実地調査報告である。インディアンへの迫害とそれに対する叛乱にも詳しく触れており,アメリカがいかに成立したかを知る貴重な資料。

306
文化人類学叢書
46判 272頁 本体2,700円
エドマンド・リーチ鈴木聡
1984978-4-314-00435-0
イギリスを代表する社会人類学者である著者が,『神話としての創世記』の中でとりあげた問題の延長線上に本書は位置している。聖書神話の分析に人類学的手法を適用し,独創的かつ刺激的な洞察にとんだ五篇の論文から成る。また,付録という形で,構造主義的分析方法とは何かを簡潔に述べたエイコック氏の二論文も併せて収めている。

314
メラネシアのカーゴ・カルト運動
文化人類学叢書
46判 424頁 本体4,600円
ピーター・ワースレイ吉田正紀
1981978-4-314-00345-2
近代ヨーロッパ文化との接触は未開社会に何をもたらしたか。本書は,南太平洋メラネシア全域で展開された大規模な宗教運動であるカーゴ・カルト(積荷崇拝)運動と,それによる社会変化を幅広く考察する。異文化と直面した時,メラネシア人が変容する自分達の世界をどのように合理的に捉えようとしたかを明らかにし,未開社会と文明の問題を考える。

317
文化人類学叢書
46判 392頁 本体4,000円
アルフレッド・シュッツ森川眞規雄浜日出夫
1980978-4-314-00279-0
ウェーバーの理解社会学とフッサールの超越論的現象学を統合し,新たな領域を切りひらいたシュッツは,生活の場で出会う他者とのコミュニケーションの可能性を追求し,異文化理解の方法を明らかにし,文化人類学にとって貴重な示唆を与えた。「他者理解」の基礎理論を構築したシュッツの思想の全体を編んだ,必ず読むべき基本文献。

95
付加価値創造のための基礎実務論
〈改訂版〉
B5判 230頁 本体1,900円
全国大学実務教育協会
2012978-4-314-01094-8
劇的に変化するビジネス環境の中で,ビジネス実務の現状と可能性をとらえる。第1部「ビジネス総論」ではビジネス環境の変化について述べ,第2部「ビジネス実務論」では,企業活動や個々人に必要とされるビジネスセンスを詳説する。図版やチャート類を多用し,キーワード説明も豊富な,実践的テキスト。統計等を最新データにアップデートした改訂版。

119
B5判 208頁 本体1,600円
全国大学実務教育協会
2009978-4-314-10182-0
秘書業務を自ら考えながら学ぶ,体験型テキスト。本書は,秘書が自ら考えて主体的に上司をサポートする能力を身につけることを目的に作成されました。これからの秘書に求められるビジネス教養として,情報セキュリティや企業のコンプライアンス(法令遵守)の重要性にも触れた,秘書実務の最新テキストです。

141
B5判 192頁 本体1,500円
全国大学実務教育協会
2006978-4-314-10159-2
秘書教育の基本教科書である『秘書学概論』を全面改訂。現代の秘書は上司をめぐる人的ネットワークと情報ネットワークのコーディネート役としての機能を持っている。本書はこのコーディネートの役割を軸に全体の分析を試み,ビジネスシーンに即した実践力を身につけることを目的に構成されている。「人と情報の中継基地」としての「秘書」教育の最新教科書。
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