紀伊國屋書店 出版部 目録 [ノンフィクション]

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2023年4月現在


1
英国の二年間
46判 232頁 本体1,000 円
徳仁親王
2023978-4-314-01200-3
天皇陛下,青春時代の清新な英国留学記,新装復刊。1983年から約2年間を過ごされたオックスフォード大学での日常生活や研究生活,音楽活動,ご学友との交流,登山などのスポーツ,英国内外への旅。内側から英国を眺め,外にあって日本を見つめ直した「何ものにも代えがたい貴重な経験」。1993年に学習院より刊行されたものに,あらたに書き下ろされた後書きを付した。

102
46判 288頁 本体1,700円
マーク・ボイル吉田奈緒子
2011978-4-314-01087-0
イギリスで1年間お金を使わずに生活する実験をした29歳の若者が,自らの生活をユーモラスな筆致で綴った体験記。彼は不用品交換で入手したトレーラーハウスに太陽光発電パネルをとりつけて暮らし,半自給自足の生活を営む。貨幣経済を根源から問い直し,人間にとって真の「幸福」とは何かを問いかけてくる,現代の『森の生活』。世界14か国で刊行。

48
お金を使わずに生きる方法
46判 496頁 本体2,000円
マーク・ボイル吉田奈緒子
2017978-4-314-01150-1
「お金がないと生きられない」というのは,ぼくらの文化が創りだした物語にすぎない――自然界や地域社会とのつながり,生の実感,持続可能な地球をとりもどすための新しい経済モデルを提起した,フリーエコノミー運動創始者による「カネなしマニフェスト」。貨幣経済によらない生活のノウハウも多数紹介。

13
46判 364頁 本体1,900 円
マーク・ボイル吉田奈緒子
2021978-4-314-01187-7
真の「幸福」とは――携帯電話,パソコン,洗濯機,電動工具,時計,ガスコンロ,蛇口の水も,一切ない暮らしが始まった。究極の生活から見えてきたのは……。3年間お金なしで暮らした著者が,今度は電気や化石燃料で動く文明の利器を使わずに,仲間と建てた小屋で自給自足の生活を始めた。地域の生態系と調和した贈与経済の中で暮らす1年を,詩情豊かに綴る。

55
コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年
46判 448頁 本体1,900円
アン・ウォームズリー向井和美
2016978-4-314-01142-6
カナダの刑務所で月に1度開かれる読書会。『怒りの葡萄』『またの名をグレイス』…本をかこんでのやりとりを通して,囚人たちは読書の楽しみを知り,自らの心情を吐露し,人種や宗教の壁を越え,異なる意見の持ち主の話にも耳を傾けるようになった。ボランティアとして運営に関わったジャーナリストが見た,囚人たちの変化とは。胸に迫るノンフィクション。

6
ベトナム戦争を報じた国際報道写真家の光と影
46判 408頁 本体2,500 円
松本直子
2022978-4-314-01192-1
ジャーナリズムや報道写真にとって〈真実〉とは何か――ベトナム戦争をいち早く報じ,「第二のキャパ」と呼ばれた岡村昭彦。反戦を訴え,生命倫理を説くその活躍をまぶしく見ていた姪はしかし,その逸話のところどころに違和感を覚えつづけた。そして,真の岡村昭彦の姿を求める旅が始まった。丹念な取材から人間・岡村昭彦が浮かび上がるとともに,その生きた時代が見えてくる。

7
2050年の世界像をめぐる科学者たちの闘い
46判 852頁 本体4,500 円
チャールズ・C. マン布施由紀子
2022978-4-314-01190-7
食料,水,エネルギー,気候変動――30年後に地球の人口が100億人に増えても全員この星で生きていけるのか? 科学で解決せよと唱える《魔術師派》と自然保護のために人口増加や消費を抑制せよと訴える《予言者派》の対立を軸に,敏腕ジャーナリストが圧倒的な取材量と筆力で人類の直面する危機を描いた,重厚なノンフィクション。

56
世界を変えた大陸間の「交換」
46判 816頁 本体3,600円
チャールズ・C.マン布施由紀子
2016978-4-314-01135-8
コロンブスのアメリカ大陸到達以降,動植物や病原菌,鉱物,そして奴隷が世界を行き交いはじめ,今日に連なるグローバル化が進んだ。これらの「交換」は,いかに世界を変えたか? 考古学や地理学,生物学などの最新の学術的成果や自身による取材を元に,今まであまり知られていなかった史実に光を当て,激動する15世紀以降の世界を描いた全米ベストセラー。

14
基地の町・沖縄に生きる女たち
46判 428頁 本体2,300 円
アケミ・ジョンソン真田由美子
2021978-4-314-01182-2
二極化することでこぼれ落ちてしまう現実がある――日系アメリカ人4世の著者が,沖縄に生きる様々な立場の女性を訪ね歩く。沖縄戦で学徒看護隊に編成された女性,基地で働く女性,米兵との結婚を夢見る女性,アイデンティティに悩む「アメラジアン」,基地に反対する活動家。彼女たちの言葉から複雑で矛盾に満ちた沖縄の歴史と現実が浮かび上がる。ジョン・ダワー推薦。

15
世界の刑務所に正義を訪ねて
46判 460頁 本体2,100円
バズ・ドライシンガー梶山あゆみ
2021978-4-314-01179-2
大量投獄,人種間の不平等,抑止効果という幻想……受刑者の高等教育と社会復帰支援に携わる著者はアメリカが世界に輸出した刑務所システムに疑問を抱き,アフリカからアジア,南米,ヨーロッパまで世界9か国の刑務所をめぐることにした。刑務所とは懲罰施設なのか,更生施設なのか? 贖罪や許しは可能なのか? 司法と正義のあるべき姿を追う必読のルポルタージュ。

23
すべての原点となった大会
46判 240頁 本体1,800円
佐藤次郎
2020978-4-314-01172-3
リハビリの一環として始まった試みが,障害者を自立と就労に導いた。満足な車いすもなかった昭和半ばの日本で,「患者を見世物にするのか」と非難を浴びながらも大会の開催に尽力した医師・中村裕と,関係者らの奮闘を描くノンフィクション。〈日本が共生社会への第一歩を踏み出した瞬間を知った〉――日本パラ陸連会長・増田明美氏推薦。

37
ヴィクトリア期英国のスラムに生きる
46判 464頁 本体2,700円
サラ・ワイズ栗原泉
2018978-4-314-01161-7
19世紀末,所得階層別に色分けされたロンドンの地図で最下層が多く住むスラムとしてひときわ黒々と塗りつぶされたのがイースト・エンドのニコル地区だった――繁栄のきわみにあった大英帝国の首都に巣食うこの不条理と,「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれる福祉制度が萌芽するまでの時代を圧倒的な筆力で描いた,王立文学協会オンダーチェ賞ノミネート作。

38
46判 408頁 本体1,900円
ベンジャミン・ジェイコブス上田祥士監訳向井和美
2018978-4-314-01154-9
命を救ってくれたのは,別れぎわに母が私に持たせた歯科治療用の小さな道具箱だった――飢餓とシラミの蔓延する収容所生活,裏切りと拷問,非ユダヤ人女性との恋,SS隊員を治療し,死体から金歯を抜く……ナチス・ドイツの強制収容所で歯科医を務め,機転と知恵を働かせながら奇跡的に生きのびたユダヤ人青年が自ら綴ったスリリングなノンフィクション。

39
日本に暮らすムスリムに会いにいく
46判変型 292頁 本体1,700円
森まゆみ
2018978-4-314-01155-6
現在日本に暮らすムスリムは10万人以上,その出身国は100以上,世界には16億人以上のムスリムがいる。東日本大震災のすぐあとに被災地支援を始めた大塚モスクの活動を手伝ったのをきっかけに,イスラーム世界の扉を開いた聞き書きの名手が,日本に移り住み,働く12か国13人のもとを訪ねた。多様で豊かなイスラーム世界が見えてくる!

73
46判 328頁 本体1,800円
マーク・サンディーン吉田奈緒子
2014978-4-314-01113-6
お金は幻想である―― にせものの人生は,もうたくさんだ。10年以上一切のお金をかせぐことも,受け取ることも,使うこともせず,アメリカ・ユタ州モアブの洞窟で暮らす男,ダニエル・スエロ。彼が,うつ病や海外放浪を経て,ゲイである自分を受け入れ,何も持たない生き方を選ぶことで自由と心の平安を得るまでの軌跡を描き出したノンフィクション。

49
46判 352頁 本体2,100円
ジョシュア・ハマー梶山あゆみ
2017978-4-314-01148-8
37万点もの歴史遺産はいかに救われたか――西アフリカのトンブクトゥは金や岩塩,奴隷などの交易で繁栄,イスラム文化が花開き,16世紀には100以上のコーラン学校やモスクが建てられた「古の学術都市」である。各家庭でひそかに保存されてきた往時の古文書の多くが図書館に納められて数年後,アルカイダがマリ北部を制圧した。全米で話題をよんだノンフィクション。

50
1950年代のマニュアルで人気者になれる?
46判 320頁 本体1,700円
マーヤ・ヴァン・ウァーグネン代田亜香子
2017978-4-314-01146-4
メキシコとの国境にほど近い中学で,優等生だけど引っ込み思案のマーヤはスクールカーストの最下層にいた。そんな彼女はある日出会った古本をきっかけに,自らの格づけを上げるべく実験をはじめることにした。まず用意するのは白い手袋にパールのネックレスにガードル!? アメリカに暮らす現代のティーンが自分磨きに奮闘した1年を綴った,全米ベストセラー。

57
母とミシンの60年
46判変型 272頁 本体1,700円
鄭 鴻生天野健太郎
2016978-4-314-01143-3
もうひとつの「カーネーション」がここにあった! 日本統治下の1930年代の台湾に洋裁に夢を託した少女がいた。『主婦之友』『婦人倶楽部』…日本の婦人雑誌に魅了された少女は親の反対を押しきって洋装店の見習いとなり,やがて戦前の東京に留学を果たす。戦後,台南に自ら洋裁学校を開校する彼女が息子に語った来し方から台湾の近代が浮かび上がる。

65
史上最も恐ろしい爆弾はこうしてつくられた
46判 352頁 本体1,900円
スティーヴ・シャンキン梶山あゆみ
2015978-4-314-01127-3
第二次大戦下,原爆開発競争のゴングが鳴った。米英の「マンハッタン計画」に天才科学者が集結し,その情報を盗もうとソ連のスパイが暗躍する。一方で,ヒトラーも原爆製造を進めていた。現在世界に1万6千発以上,私たちの時代を決定的に変えてしまった核兵器開発をスリリングな筆致で綴った,歴史ノンフィクション。各紙絶賛,サイバート賞ほか受賞多数。

66
父と息子の自転車縦断4000キロ
46判 368頁 本体1,900円
チャールズ・R. スコット児島修
2015978-4-314-01123-5
アメリカ人親子が67日間の冒険旅行で出会った日本の自然・歴史・もてなしの心――知床,白神山地,白川郷,京都,しまなみ海道,ヒロシマ,嚴島神社…インテル社で働く著者が,8歳の息子と日本最北端の宗谷岬から九州の佐多岬まで,日本アルプスを越え各地の世界遺産をめぐりながら炎天下の日本列島を自転車で走り抜く。日本人がニッポンを再発見できる本。

67
46判 304頁 本体2,000円
キッチナー・ハーディングモナ・リサ・ハーディング向井和美
2015978-4-314-01128-0
高校を卒業してすぐ結婚したハーディング夫妻は,10人の子どもを学校に通わせずに家庭で教育した。6人が12歳までに大学に入り,年長の子どもたちは様々な分野の専門職として活躍している。次女はアメリカ建築家協会最年少の建築家。三女は全米で最年少の女医のひとり。〈ごく普通の子どもたち〉の才能を開花させることに成功した一家の驚きのノンフィクション。

74
バブルを駆けた雑誌の2000日
46判 336頁 本体1,900円
椎根和
2014978-4-314-01114-3
「キャリアとケッコンだけじゃ,いや。」――1988年,日本初の女性向けリージョナルマガジンが誕生した。首都圏在住27歳女性を読者に想定したこの週刊誌の編集スタッフはほとんどが年若き女性たち,86年には均等法が施行され,世はバブルの好景気にわいていた。幾多のブームを生み社会現象を巻き起こした雑誌の草創期を,創刊編集長がいきいきと物語る。

75
コダクロームフィルムで見る
A5判変型 152頁 本体2,900円
エリック・L.ミューラー編著ビル・マンボ写真岡村ひとみ
2014978-4-314-01119-8
1942年,日系二世のビル・マンボは,カリフォルニア州の自宅からワイオミング州の強制収容所に連行された。その彼が,有刺鉄線の中で暮らす家族の日常や盆踊り・相撲のような日系人収容所ならではの風物詩を撮影。当時では珍しい鮮やかなカラー写真と研究者による考察,元収容者のエッセイから,収容生活の実際が浮かび上がる。

85
46判 376頁 本体1,700円
森達也
2013978-4-314-01100-6
活字と映像で独自の世界を構築する森達也が,異文化の境界で,憎悪の連鎖する世界で,異国の女子トイレで,妄想と現実の狭間で,生死の淵で,中年クライシスに,連載打ち切りに……逡巡し,葛藤し,煩悶する日々を私小説風に描き,フェイク・ドキュメンタリーを活字で試みる意欲作。

86
“女子"の呪いを解く方法
46判 256頁 本体1,500円
津村記久子深澤真紀
2013978-4-314-01105-1
「女子力のなさ」を商品価値にできてありがたいです――最初の会社をパワハラで退社した芥川賞作家と,150社以上就職・転職活動した経験をもつ企画会社社長が,世間知らず・不器用・KYなままでも,なんとか社会で生き延びていくための技術を語り尽くす。世の中をすいすい渡っていけないことに悩む,すべての女性に捧ぐ。

87
はやりの食べ物クロニクル1970-2010
46判 380頁 本体2,400円
畑中三応子
2013978-4-314-01097-9
チーズケーキ,ティラミス,ペペロンチーノ……「食」は誰もが参加できるポップカルチャーになった! 戦後,経済力を手に入れると,日本人は新しい味を求めて,ファッションのように食を,その情報までをも楽しむようになった。第一線の料理本編集者として時代を駆けた著者が日本人の食文化の変遷から時代を読み解いた,痛快な世相史。年表付。

103
女たちの肖像
46判 256頁 本体1,500円
島﨑今日子
2011978-4-314-01078-8
インタビューの名手として知られる著者による,各界を代表する女たち16人のノンフィクション。少女マンガの神様・萩尾望都,高卒OLから巨大企業の会長にまでのぼりつめた林文子,女子プロレスブームを巻き起こした長与千種,日本一ケンカのうまいフェミニスト・上野千鶴子をはじめ,悩みを抱え,もがきながらも各分野で先駆者として活躍してきた女たちの肖像。

109
〈増補新装版〉
46判 232頁 本体1,700円
北山翔子岩室紳也解説
2010978-4-314-01066-5
医療ボランティアとして訪れたタンザニアで恋に落ち,HIVに性感染したひとりの女性。〈死〉への不安,世間の目,職場復帰,両親への告白,新しい恋…。2000年に刊行され,日本人女性による初のカミングアウトとして話題をよんだ感動の手記に,それからの10年を加筆。感染者の妊娠・出産に関する現状も盛りこみ,エイズ問題をあらためて問い直す。

129
食人の痕跡と殺人タンパクの謎
46判 360頁 本体2,400円
ダニエル・T. マックス柴田裕之
2007978-4-314-01034-4
ヴェネツィアのある高貴な一族は,謎の不眠症に苦しんでいた。この病気は中年期に発症し,異常発汗や頭部硬直,瞳孔収縮を引き起こし,やがて患者は不眠状態に陥って死亡する。この一族の数世紀に及ぶ物語を軸に,この病が狂牛病と同じプリオン病の一種と判り,その足跡を追ううちに見えてきた,80万年前の人類と食人をめぐる驚異のストーリー。

182
ある戦場外科医の回想
46判 248頁 本体1,600円
ジーノ・ストラダ荒瀬ゆみこ
2002978-4-314-00929-4
アフガニスタン,ボスニア,クルディスタン,ルワンダなど,世界中の紛争地域で医療活動をしてきた外科医による日記風エッセイ。過酷な野戦病院の現実,地雷や爆撃などで傷を負った患者たちとのふれあい,さまざまなジレンマに悩む医師の心境が率直に綴られ,そこに生きる人々の声がじかに聞こえてくるようで,読む者の心を揺さぶらずにはおかない一冊である。

183
46判 208頁 本体1,600円
緑ゆうこ
2002978-4-314-00911-9
イギリス人と結婚,ロンドン近郊に暮らす作家が出会った,イギリスの本当の姿とは。医療費無料のおかげで受診は一年も先。政府の持ち家政策で国民は借金だらけ。庶民のガーデニングは植えては抜く活け花方式……それでも「イギリスは理想の国」だと信じるイギリス社会を考察した,ユーモアとスパイスの効いたエッセイ集。

184
46判 232頁 本体1,600円
緑ゆうこ
2002978-4-314-00928-7
『イギリス人は「理想」がお好き』に続く第2弾。「イギリスの建前と本音から日本の将来を占う」視点で,ユーロ・家族・教育・若者・老人介護,と“ゆりかごから墓場まで"の各シーンにおけるイギリス社会の建前と本音を,明晰に読み解く。返す刀で「大人の国」ってホントにいいの? と日本人に問いかける,軽快でユーモラス,そしてピリッと辛い比較文化論。

248
46判 268頁 本体1,748円
バルバラ・サムソン鳥取絹子
1996978-4-314-00749-8
1994年4月,フランスのTV番組「エイズ・アクションの夕べ」に登場したバルバラは何百万人という視聴者に大きなショックを与えた。初めての恋でエイズ患者になった彼女は,同世代に向けて自分の経験を語ったのだ。彼女は言う。「私は自分のことを〈今世紀の子供の告白〉のシンボルだと感じている」。現代フランスの青春記としても貴重な本。
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