中村佑子さん「マザリング」(集英社)刊行記念。
『手は、他者のためにつねに開かれてある。』
手で看る/ふれる フェア開催中。
『この文明生活のなかでは、子育てがやりにくい、子どもは文明時間に全然合っていないという実感があった』
子育てや介護という"ケア労働"なるものを"母性"と都合よく解釈し女性に押しつけて、そうした犠牲の上に資本主義は発展を遂げてきました。
そして今、子どもを産むことで孤独を感じる女性たちが、社会に置き去りにされると怯えるひと達がいます。
『ケアをすることとは、他者の心身の都合にふりまわされ、他者を自分のなかに引きいれ、自分の身体と時間を他者に投げ出すことだ』
男性でも若い人でも、誰だって"母"になることができます。"マザリング"とは、女性だけの、母親だけのものではないはずです。
『そうして他者に「手」を差しのべることが、近代以降の世界の限界のなかでの、人間の使命なのではないかと感じていた』
この本をたくさんの人たちに届けたい。そう強く思いました。
手から読みとくケアの本をはじめとして、
手話の本や
「手話を生きる」(斉藤道雄/みすず書房)
職人の手
「職人の手」(山崎真由子/アノニマ・スタジオ)
おむすびを握る手
「おむすび」(佐藤初女/主婦の友社)
などなど…様々な"手"をズラリと並べてみました。
手で看る/ふれる フェア ぜひご覧くださいませ。
紀伊國屋書店広島店 池田