紀伊國屋書店:バトン ーー創造性を刺激する、読書のためのトークセッション」をもっと楽しむためのブックフェア

終了しました

バトン ーー創造性を刺激する、読書のためのトークセッション」をもっと楽しむためのブックフェア

  • ブックフェア
  • 札幌文化芸術交流センターSCARTS
日時
場所
    紀伊國屋書店
  • 札幌本店
  • 2F人文科学フェアコーナー

 

『バトン ーー創造性を刺激する、読書のためのトークセッション』

をもっと楽しむためのブックフェア

 

 

9/19、札幌文化芸術交流センターSCARTSで開催されるトーク

バトン ーー創造性を刺激する、読書のためのトークセッション

をもっと楽しむためのブックフェアがスタート!

 

 

 

2H-0400フェア台で展開中です!

 

 

↑ こちらの画像をクリック ↑

 

 

芸術棚ではミニコーナーもございます。

 

 

 

ナビゲーターは橋本努 北海道大学大学院経済学研究院教授。

 

 

 

 

第1回目のゲストは長谷川愛さん

 

 

長谷川愛さん、橋本努先生の選書リストは

下へスクロールしますとご覧いただけます。

 

 

 

 

第2回目のゲストは水野祐さん

 

10/30のゲスト・水野祐さん、ナビゲーター・橋本努さん、

SCARTSスタッフの方々にご選書いただいております。

 

 

第3回目のゲストは國盛麻衣佳さん

 

2022.1.22のゲスト・國盛麻衣佳さん、ナビゲーター・橋本努さん、

SCARTSスタッフの方々にご選書いただいております。

 

 

◆第1回目フェアの様子◆

 

 

◆第2回目フェアの様子◆

 

 

◆第3回目フェアの様子◆

 

 

各選書リストはこちらです。

長谷川愛さん著書

ナビゲーター橋本努さんの選書

今日の技術では、遺伝子の情報を細かく切り貼りして、たくさんの親の遺伝子情報をもった子どもが生まれる可能性があります。これはひょっとすると、マルクスのいう類的存在の理想に通じているかもしれません。(ナビゲーター・橋本努)

投票権を売買できる社会、就労ビザをオークションにかける社会など、意表を突いた発想で、賢慮ある社会を描きます。(ナビゲーター・橋本努)

人類は進化の過程で、自らを「家畜化」して平和な社会を築くようになったのではないか?そんな大胆な仮説を立てて検証していくスリリングな本です。(ナビゲーター・橋本努)

人間を含めて動物たちは、メスがその美意識をもとにオスを選び、メスの選択がしだいにオスを改造していったのかもしれません。女性と美の進化に迫ります。(ナビゲーター・橋本努)

人類は、AI(人工知能)に支配されてしまうでしょうか。10億年先の人類のために、いま私たちは何を考えればよいのでしょう。たくましい想像力で、ゆたかなシナリオを描きます。(ナビゲーター・橋本努)

2018年ドイツSF大賞第1位。AI(人工知能)が発達した近未来社会をコメディ調で描いたSF小説です。便利なAI社会は、AIによって人間が格付けされる社会でもあります。(ナビゲーター・橋本努)

橋本努さんの著書

長谷川愛さんの選書

SCARTS スタッフ・山田大揮さんの選書

ダナ・ハラウェイさんの”現場主義”具合は、長谷川愛さんの著書や作品に向き合って考えるときに重要な意義を持つものと思います。理想の世界について考えるとき、地に足のついた立場で思考すること。理想を理想で終わらせないためには、その態度が肝要なのではないでしょうか。(SCARTSスタッフ・山田大輝)

SCARTS スタッフ・齋藤雅之さんの選書

入門書のようなタイトルですが、とても挑発的な一冊です。美術館はテーマパークと化し、批評家も理論家も「絶滅危惧種」であるという危機的な状況認識のもとで、現代アートは今、何をしているのかを鋭く論じます。とりわけ議論を呼びそうなのが、8章の「現代アート採点法」。現代アート作家の制作動機を7種類に分類し、数々の著名な作品をチャート式に分析します。なんだかそこには収まりきれない残余のようなものもある気がしつつ、でもめちゃくちゃ納得してしまいます。(SCARTSスタッフ・齋藤雅之)

長谷川愛さんの《(不)可能な子供/(im)possible baby》を最初に見たとき、「家族写真」について考えました。かつて写真館で正装で撮影していた家族写真は、日々の食事風景など「日常」の写真に置き換わるのかもしれない。でもそれも「家族写真」であることには違いなく、ならば家族写真を家族写真たらしめているものは何なのか。そもそも、今の社会で当たり前とされている「家族」の形が変わっても、家族写真の文化は残り続けるのか。そんな、写真を巡って「変わっていくもの」と「変わらないもの」を考える上で最適なのが、現在のメディア論を牽引するマノヴィッチのこの一冊です。インスタグラムにアップされた膨大な写真を分析し、そこに特有の「美学」を見出す本論に加え、日本語訳版にのみ収録された論考の数々も面白い。特に、写真論の古典であるR.バルトの『明るい部屋』と、最新の認知心理学の知見を接続した増田展大の「接続する写真」は、人文学の本に親しんだ方にこそ刺激的なはずです。 (SCARTSスタッフ・齋藤雅之)

現在、最もラディカルに優生思想を批判する哲学者・小泉義之による作品批評集。その著書『生殖の哲学』ですべての生殖技術の開放を訴え、その結果生まれるすべての生命を歓待せよと論じた著者が、古谷実や赤塚不二夫など、おなじみの漫画や映画作品を論じます。今日の医療制度や福祉制度に対して徹底的に厳しい視線を向けるその視座から導かれる結論は、読者の予想や常識を軽々と超え、我々が当たり前だと思っている「人間」や「社会」の定義を覆す地平に辿り着きます。そして、その精緻な論理は時に難解ではあるものの、決して理解を拒むものではなく、極めてスリリング。生殖技術や社会制度といったテーマだけではなく、読むもの/見るものに揺さぶりをかけつつも置きざりにしないその姿勢は、長谷川愛さんの作品に通じるように思います。(SCARTSスタッフ・齋藤雅之)

第2回目ナビゲーター橋本さんの選書

著作権(コピーライト)のデザインだけでなく、人間行動のあらゆるデザインを考える上で、「ナッジ」の考え方が役に立ちます。豊富な事例で分かりやすく解説した入門書です。 (ナビゲーター・橋本努)

アートは、政治権力や法規範にケンカを売って、その革命的な存在意義を主張します。そんなアートを、文化行政に携わる人たちは支援すべきなのでしょうか。さまざまな事例を通じて考えます。(ナビゲーター・橋本努)

ガーファ(GAFA)の裏側を知ることは、いまや、ネット社会の教養であるかもしれません。著作権フリーのコンテンツで、だれがどう儲けるのでしょう。(ナビゲーター・橋本努)

アメリカでは政治の分断が、メディアの分断によって助長されています。フェイスブックのようなプラットフォームは、なぜ「人をつなぐメディア」にならないのでしょうか。民主社会を成立させるためのアーキテクチャーについて検討します。(ナビゲーター・橋本努)

著作権の法律をどうアップデートするかは、ロック音楽に学ぶのが一番。音楽に熱狂したら、その背後にある経済の現実について考えてみたい。(ナビゲーター・橋本努)

IT社会は、自由市場を寡占市場に変えるだけでなく、民主主義の基盤を破壊しています。私たちは、どのようにして自由と民主主義の基盤を取り戻すことができるのでしょうか。立ち向かうべき課題を示します。(ナビゲーター・橋本努)

水野祐さんの選書

人工的環境としての文化の一部に法を位置づけ、このような文化を形成していく「社会工学としての法」の側面に光を当てる。また、個人ひとりひとりが法を「自分のこと」として捉えていく思考の大切さを説く名著。(ゲスト・水野祐)

気鋭の民法学者が、スポーツのルールを題材に、父と子の対話を通して、法を含むルールがなぜ社会に必要なのか、ルールのおもしろさや難しさを軽快な筆致で描く。(ゲスト・水野祐)

建築家の青木淳による「原っぱ」論は、遊びや逸脱の創造性・創発性と、それらを生み出しやすくする土壌を設計し得るのか、というデザイン行為の限界と可能性について常に示唆を与えてくれる。(ゲスト・水野祐)

新しい文化が様々なグレーゾーンから生まれてきたことを豊富な事例で紹介している刺激的な一冊。(ゲスト・水野祐)

第2回目SCARTS スタッフ・山田大揮さんの選書

料理研究家の土井善晴さんによる一冊。もはや説明不要でしょうか。農林水産省が提案した「一汁三菜」という食生活が、必要以上に家事の負担になってしまっていることを指摘して「一汁一菜、これで十分なんです」と提示してくれます。気づけば当たり前のようになってしまっているルールは、はたして本当に当たり前なのか?と問いかけます。 (SCARTSスタッフ・山田大揮)

「”ジェンダー”だけではなく”セックス”と呼ばれるものも社会的な構築物である」と看破したのはジュディス・バトラーですが、本書の著者は、バトラーを継承して理論を展開します。トランスジェンダーに対する差別的な言説を物ともせず、都合の良いように解釈する行為を痛烈に批判して検証し、私たちが無意識のうちに規定しているルールがどれほど曖昧なものなのかを暴きます。(SCARTSスタッフ・山田大揮)

ジャンルでいうとSF少女漫画になりますが「どのように既存の規範やルールに縛られず思考するのか」ということを突きつけられる物語です。極限状態で自己決定を繰り返していく登場人物たちが、縛られた状況でクリエイティビティを発揮して困難を乗り越えていく様子が描かれます。(SCARTSスタッフ・山田大揮)

第2回目SCARTS スタッフ・齋藤雅之さんの選書

北24条駅近くにあるカフェ&ギャラリー「salon cojica」を運営するギャラリストにして、弁護士の川上大雅さんによる心強すぎる一冊。「好きな音楽をBGMに使って動画配信をしてもいい?」等々、「クリエイターあるある」を的確に押さえた事例から著作権のアレコレを解説してくれるのでめちゃくちゃ膝を打つし、信頼感がハンパないです。そして嬉しいのが、巻末資料。川上さんが作った契約書の雛形をダウンロードできちゃいます。しかも図解入りで解説されているから「契約書に何を書いておけばいいのか」が一目瞭然でアレンジも楽々。それっぽい契約書をネットで探して、恐る恐るコピペする生活とはもうおさらばです。痒いところに手が届きまくる本です。(SCARTSスタッフ・齋藤雅之)

スポーツの歴史を社会の文明化の歴史と重ねて論じる本書は、一貫して「ルール」に着目します。とりわけ面白いのが、「ルール」と「ゲーム」の区別。同じルールの競技でも、選手たちは試合ごとに異なる状況に合わせて巧みにルール使いこなし、毎回違ったパフォーマンス(ゲーム)を繰り広げます。そして観客である我々は、ルールの「使いこなし方(=ゲーム)」にこそ興奮します。近代化の本質をルールに関連づけて論じる本書は、社会のルールたる「法律」を考える上でもとても示唆に富む一冊です。 (SCARTSスタッフ・齋藤雅之)

たとえばバンクシー。とんちの効いた作品で街の風景の意味を一変させてしまうその手法は、まさに都市の決まり事(コード)を高度に読み解きつつ、その裏をかいて、豊かな意味を作り出していると言えます。本書は、「落書き(=グラフィティ)」と別に「ストリートアート」という区分を導入し、バンクシーやラメルジー、ZEVS(ゼウス)といった連中の活動に「作家性」を見いだして批評します。グラフィティもストリートアートも、どちらもゲリラ的で、時に(というか大体)違法行為であることには変わりませんが、「ルール」への向き合い方は対照的です。(SCARTSスタッフ・齋藤雅之)

たとえば「表」と「裏」という概念は、目が見える人にしかないと著者は言います。そして、「表」と「裏」という区別は、知らず知らずのうちに空間に「優先順位」をつくります。このように、私たちがものを感じたり行動したりする仕方は、実はさまざまな「ルール」に規定されていることに気づかせてくれる一冊です。そして本書が何より魅力的なのは、こうしたルールを拒否し糾弾するのではなく、「ユーモア」とともに付き合っていく姿勢です。「法律」と聞くと冷徹で重々しいイメージしか湧かない人も、ふと武装解除をして軽やかに乗りこなすヒントが見つかるかもしれません。(SCARTSスタッフ・齋藤雅之)

水野祐さん著書

國盛麻衣佳さん著書

國盛麻衣佳さんの選書

炭坑も筑豊も知らずとも、とにかく開いて見てほしい一冊。明治大正期に生まれた彼女たちが、底抜けに明るくユーモラスに語る地獄のような労働。そして生き抜いてきた自分に対する誇り。最も過酷な時代に炭坑で働いた姿に、きっと引き込まれます。労働のみならず、出自、夫、家庭、コミュニティなど、様々な面から当時の様相が語られていることも、彼女たちならではの視点ではないでしょうか。カメラマンの田嶋氏は筑豊に5年間住み制作に携わったとのこと、真摯な姿勢が生んだ作品です。 (ゲスト・國盛麻衣佳)

「炭鉱」と聞いて暗くネガティヴなイメージを持つのであれば、なにかしかを知っているからでしょう。一方で、炭鉱は近代化を牽引する活気溢れた華々しい姿があり、人情味溢れた暮らしがありました。著者は、北海道炭鉱汽船(北炭)の労務職員だった父を持ち、現在は空知地方の炭鉱遺産の保存活動の第一人者です。炭鉱とはどんなところだったのか。地域が再生する上で歴史文化の重要性とは。当事者だからこそ語ることのできる内容は、初心者でも分かりやすく、経験者は懐かしく読めるのではないでしょうか。(ゲスト・國盛麻衣佳)

2011年5月、ユネスコ・世界記憶遺産に日本初として登録されたのは、筑豊の一炭坑夫であった山本作兵衛によって描かれた炭鉱の絵画群でした。本書は、数ある関係本の中で一番絵画を数多くじっくり鑑賞でき、また入手が可能な本です。『筑豊炭坑絵巻』(1977)を底本とした新装改訂版で、彩色画120点、墨絵72点、合計192点を収録がされています。紙やサイズにもこだわり、作兵衛氏の大きな特徴の一つである余白の文も読むことができます。まずはこの画集から炭坑記録画を鑑賞し、さらに様々な解説や考察がなされた本を手に取られることをおすすめします!(ゲスト・國盛麻衣佳)

美術のプロ・アマチュア・職人の差はどこにあるのでしょうか。現代では少なくなってしまった漆喰の白壁に、当時の左官職人たちが施したレリーフ(鏝絵)をカメラマンの藤田氏が全国から蒐集し、愛情たっぷりにその魅力を語ります。一つ一つに込められた願いや想い、表現のオリジナリティに魅せられると同時に、「美術とは?」と問いかけてくるようです。(ゲスト・國盛麻衣佳)

第3回目ナビゲーター橋本さんの選書

本書は、北海道と九州における炭鉱労働者たちの文学サークル運動を詳細に描くことで、文化の魂を現代に伝えます。個人的には、1950年代にはじまった「うたごえ運動」に関心をもちました。共産党の青年部の合唱団「中央合唱団」が果たした役割が大きいようです。当時の労働者にとって「うたごえ」は、ほとんど唯一の娯楽だったようですが、その運動に参加すると今度は、共産党の手先などとレッテルを貼られて、悩んだ人もいたようです。(ナビゲーター・橋本努)

1961年初版の森崎和江のデビュー作です。2021年10月、岩波文庫から再版されました!本書の刊行当時、すでに女抗夫は姿を消していましたが、著者の森崎は、かつて炭坑労働を担った女性たちにインタビューをして、戦前の女性の坑内労働の現実を「一人称」の語りのスタイルで再現しています。当時の炭坑労働者の女性の割合は、4分の1程度でした。既婚者も多かったといいます。その後の日本では女性の専業主婦化がすすみますが、では私たちは女抗夫の存在を、どのように評価すべきでしょう。本書所収の水溜真由美先生(北大教授)による解説が参考になります。ぜひご一読を。(ナビゲーター・橋本努)

炭鉱労働者たちの笑い話を集めたルポです。1967年に初版が刊行されてから、2017年までに19刷を重ねています。長く読み継がれている名著であります。1960年代当時、石炭産業はすでに斜陽でしたが、上野は、炭坑労働者たちの誇りを取り戻すために、かれらの生き生きした生活、生命の真実を掘り起こしていきます。「無限の暗黒の底から新たな思想の火種を掘り出す」という気概をもって、上野は本書を世に送り出しました。著者の文筆活動のエネルギーが、いまも強力に伝わってきます。 (ナビゲーター・橋本努)

炭坑労働者のために、文筆を通じて闘った上野英信さんとその妻、晴子さんの生涯について、一人息子の著者が綴った伝記的なエッセイです。上野英信さんは、もしいま生きていたとしたら98歳になりますが、若くして64歳で亡くなりました。じつは文筆家よりも、「本当は絵描きになりたかった」そうです。そんな上野さんの生活と運動実践を、本書はリアルに伝えています。(ナビゲーター・橋本努)

山本作兵衛(1892-1984)は、炭鉱に生まれ、7歳から炭鉱で働き、炭鉱の記録画家となりました。日本で初めて、ユネスコの記憶遺産の登録を受けた炭鉱画の画家としても知られます。本書は山本作兵衛の絵のほか、炭鉱をめぐるさまざまなアート表現をコンパクトに伝えます。炭鉱アートの入門書として最適です。山本作兵衛については、ぜひ大作『筑豊炭坑絵巻 新装改訂版』(海鳥社、2011年10月)もご高覧ください。圧巻です。(ナビゲーター・橋本努)

著者の吉岡さんは、北海道三笠市の炭坑で育ち、現在はNPO法人炭鉱[ヤマ]の記憶推進事業団の理事長を務められています。本書はとても面白く、ぐいぐいと読ませます。一般に、ある産業が衰退すると、その地域は「暗い」とか「悲惨」といったイメージになってしまいますが、では炭坑の記憶をどのように記録すれば、私たちは地域の誇りを回復することができるのでしょう。実はこれまで「明るい町」を目指そうとする従来の政策は、失敗してきました。その失敗に学び、新たな政策を考える際の手がかりを与えてくれます。(ナビゲーター・橋本努)

『北海道炭鉱遺産』は品切れのようですので、その代わりにこの本を挙げます。日本全国の産業遺産をひたすら写真で紹介した本です。北海道の産業遺産も紹介されています。近代化の歴史をつうじて、日本人はいま何を誇りとすべきなのか、そしてまた、その誇りを次の世代にどのように伝えていくべきなのか。考えるきっかけになります。(ナビゲーター・橋本努)

美しい絵本です。文担当の後藤竜二さんも、画担当の高田三郎さんも、北海道の美唄市生まれなのですね。北海道の炭坑では、戦時中、朝鮮や中国から連れられてきた徴用工たちが、強制労働をさせられていました。戦争が終わると、彼らの一部は炭鉱から逃れて、収穫期のりんご畑を襲います。その時の農民とのやりとりは、どんなものだったのでしょうか。高田三郎さんの画の色彩が苦しみを昇華しています。(ナビゲーター・橋本努)

中国から強制的に日本に連れてこられた劉連仁は、北海道雨竜郡沼田町の炭坑で働かされ、戦争が終わると仲間とともに、山中に逃亡します。北海道の山中で、13年間生き抜き、1958年に当別町で発見されました。その後、劉連仁は中国に戻ることになりましたが、そのあまりにも過酷な人生経験から、私たちは何を学ぶべきでしょうか。本書は、炭鉱と強制労働の関係を伝えます。沢知恵さんのCD『りゅうりぇんれんの物語』(茨木のり子詩)もぜひ(YouTubeに一部公開されています)。(ナビゲーター・橋本努)

第3回目SCARTS スタッフ・齋藤雅之さんの選書

『炭鉱と美術』を読んで面白かったのは、絵や音楽の創作が炭鉱街の人々の交流を生み、時には外から人を呼び込み、社会を形成し変革させていく様子が描かれていたことでした。そのダイナミズムが今なお健在であることを、『いなかのほんね』と題された本は教えてくれます。本書は、かつて炭鉱で栄えた岩見沢の山あい(美流渡、万字地区)や農村地域(毛陽地区)に現在住む人々に、地元の大学生がインタビューしてまとめた本です。近年移住者が増えているというこの場所に住む人たちユニークさと面白さに、一読して驚かされます。なぜ、こんなに面白い人が集まるのか?自身も東京から移住してこの本を編集した來嶋路子さんは、美流渡には、多彩な人を呼び寄せる理由があると言います。 (SCARTSスタッフ・齋藤雅之)

戦後高度経済成長期、「人生雑誌」と呼ばれる雑誌がありました。マルクス主義などの哲学や文学を取り上げたこの雑誌を熱心に読んだのは、全国の農村から都市に集団就職をした「働く青年」たち。興味深いのはこの雑誌の読者投稿欄です。そこには、互いを知らない読者同士が手記や体験記を寄せ合う「想像の共同体」がありました。家庭の事情で高校進学を諦めた彼ら/彼女たちは、進学したエリートたちへの憧憬と反発を共有しながら、独自の教養文化を作っていたのです。時に過酷な労働を前にして、文化を渇望し、そしてそれによって同じ境遇の人々と交流していく姿を読むと、「何のために本を読むのか?」「何のために絵を描くのか?」という根源的な問いを考えさせられます。労働と文化の関係を考えるために『炭鉱と美術』と併せて読みたい一冊です。とにかく、エモい! (SCARTSスタッフ・齋藤雅之)

第3回目SCARTS スタッフ・山田大揮さんの選書

共同体と芸術の関係性を考える際に力強く背中を押してくれる一冊です。 手紙の形式で構成されたこの本では、世界のグローバル化の流れに対しての芸術の役割が痛快に語られます。 (SCARTSスタッフ・山田大揮)

この本では(公共)彫刻の存在を「思想的課題」として提示するのですが、そのことはわれわれの生きている社会の姿を芸術の形を通して考えなおすきっかけを与えてくれます。 『炭鉱と美術』では比較的ローカルな事例をあげて論じられた問題系が、この本を読んで考えることで、より遠大な射程をもつものとして捉えることができると思います。 (SCARTSスタッフ・山田大揮)

フェミニズムやジェンダーの問題に関わる文脈の論考ですが、『炭鉱と美術』においての「炭鉱労働者の行う制作行為が自らのケアになっていた」という話や「”地域アート”が地域にもたらす影響」といった話などは、この本と関わりが深く感じます。 併せて読むことで「ケア」という視点から視野を広げることができる1冊ではないでしょうか。 また、労働の裏側に潜む記述されないジェンダーの問題に関しても示唆を得ることができます。 (SCARTSスタッフ・山田大揮)

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