琉球処分、沖縄戦、そして基地へと続くオキナワの物語。
“涙と熱で語られた言葉”(岡部伊都子「ふたたび「沖縄の道」」)から成るその傑作群を、小説、戯曲、詩歌、ノンフィクションで読み継ぐ―。
学徒動員、B29の本土襲来、灯火管制。
暗い街を戦火が赤く照らし、若者は閉ざされた未来に鬱屈しながらも生きようともがく。
虚構の戦争が照射する、人間のリアルとは―。
田中慎弥「犬と鴉」、赤川次郎「悪夢の果て」、小島信夫「城壁」他。
SF・寓話・幻想文学。
戦争文学アンソロジー。
巻末に全集版の解説、月報掲載のインタビューを再録。
昭和12年の盧溝橋事件をきっかけに戦線が拡大、泥沼化した日中戦争。
兵士たちは戦に人間性を奪われながら、苛酷な戦場に一片の詩情を見出す。
どの家にも学校にも職場にも駅にも田畑にも戦争の空気が漂っていた時代。
女性、子供、捕虜の視点で描かれる、それぞれの戦争の日常。
2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロは、戦争の形態を一変させた。
9・11事件に象徴される新しい戦争の姿を、現代の作家たちが描き出す。
リービ英雄「千々にくだけて」、宮内勝典「ポスト9・11」、池澤夏樹「イラクの小さな橋を渡って」、米原万里「バグダッドの靴磨き」、岡田利規の戯曲「三月の5日間」、平野啓一郎「義足」、重松清「ナイフ」、シリン・ネザマフィ「サラム」他。
海も空も人間も、戦争に染まった―。
極限下で発せられる人間の偽りのない思い、戦争の実態とは。
名だたる作家たちが遺したアジア太平洋戦争の傑作群、その生きた言葉を現代の視点で読みなおす。
なぜ戦争の拡大をとめることができなかったのか、なぜ一年早く戦争をやめることができなかったのか。
繰り返された問いを解説する。
NHK教育テレビ「さかのぼり日本史」で放送された内容をもとに作った単行本「NHKさかのぼり日本史?昭和 とめられなかった戦争」の文庫化です。
「それまで侵略はなかった」と主張し続けてきた安倍首相に真っ向から対抗し、歴史家としての気概を見せた加藤陽子東京大学大学院教授。
いまいちばん旬な歴史学者の加藤教授が、語り下ろし形式で、日本の近現代史をわかりやすく解説した本です。
昭和二十年八月六日、広島に原爆投下、そして、ソ連軍の満州侵略と、最早日本の命運は尽きた…。
しかるに日本政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、先に出されたポツダム宣言に対し判断を決められない。
八月十五日をめぐる二十四時間を、綿密な取材と証言を基に再現する、史上最も長い一日を活写したノンフィクション。
NYの高校に通う孫娘から届いた手紙は、戦争を体験した祖父への質問状だった。
祖父は自らの人生を振り返り、孫娘の問いに真摯に答えていく。
昭和の時代を生き抜いた人々のひたむきな姿を伝える感動のベストセラーを文庫化。
ニューヨークの高校に通う孫娘から分厚い手紙が届いた。
歴史の授業で太平洋戦争を勉強することになったという。
手紙は戦争を体験した祖父への質問状だった。
「なぜ軍人の学校に進んだの?」「アメリカとの戦争は正しかったと思う?」……かつて軍人を志した祖父は自らの人生を振り返り、孫娘の問いに真摯に答えていく。
昭和をひたむきに生きた日本人の誇りと、手紙を通して心がつながる祖父と孫の感動を描く、話題のベストセラーを遂に文庫化!解説・渡部昇一
社会学者が丹念なフィールドワークとともに考察した、戦後70周年に読む「戦争」と「記憶」の現場をたどる旅まだ誰も、あの戦争をわかっていない……。
沖縄と靖国、戦争博物館のテイストは一緒?
中国は、日本を許す心の広い共産党をアピール!
韓国は、日本への恨みを無料のアミューズメントパークで紹介!!
広島、パールハーバー、南京、アウシュビッツ、香港、瀋陽、沖縄、シンガポール、朝鮮半島38度線、ローマ、関ヶ原、東京……。
世界の戦争博物館は、とんでもないことになっていた。
「若者論」の若き社会学の論客であり、「戦争を知らない平和ボケ」世代でもある古市憲寿が世界の「戦争の記憶」を歩く。
誰も戦争を教えてくれなかった。
だから僕は、旅を始めた。
明治に幕を開けた「日本の近代化」の歴史は、そのまま「あの戦争」へ向かう歴史でもあった。
終戦から77年。
二度と過ちを繰り返さないために、私たちは歴史から何を学ぶべきか―作家・半藤一利の著作には、令和の日本人が心に刻みたい珠玉のメッセージが星の数ほど書き記されている。
その180冊以上の著作のエッセンスを凝縮した決定版。
【社会科学/社会】「命令通りの作業をやるしかない」「偉い人は失敗の責任をとりません」……もしかしたら、最後の証言になるのではないか。
戦後70年を経て、戦争体験者が世を去るなか、元海軍兵のリアルな記憶。
「戦争にイエスかノーか、あとは自分で決めてください」
構想から実に68年、かこさとしさんのオリジナル作品、ついに刊行!この作品には、戦争に断固反対し、それを子どもたちに伝え、平和を願う、かこさんの強い思いが込められています。
子どもの未来を考えるすべての皆さんに、天国のかこさんからの贈り物です!
何度読んでも泣けてしまう…。
教科書にものっている名エッセイが絵本になりました。
向田邦子さん作品のなかでも、とりわけ愛され続ける名作「字のない葉書」は、戦争中の向田さん一家のちいさな妹と、いつもはこわいけれど愛情の深いお父さんのエピソードを綴った感動の実話。
お子さまとぜひ語り合ってください。
昭和史研究の第一人者・半藤一利が、最後に日本人に伝え残したかったこととは――。
太平洋戦争を理解する上で欠かせない「名言」の意味とその背景を、著者ならではの平易な文体で解説し、「戦争とはどのようなものか」を浮き彫りにした珠玉の一冊。
「戦争の残虐さ、空しさに、どんな衝撃を受けたとしても、受けすぎるということはありません。
破壊力の無制限の大きさ、非情さについて、いくらでも語りつづけたほうがいい。
いまはそう思うのです。
戦後50年。
だがルバング島“最後の帰還兵”の元少尉には戦後20年だ。
男が生と死のはざまで見つめた戦争と平和。
『火垂るの墓』『風立ちぬ』など、ジブリの名作を題材に学ぶ戦争。
関東大震災から戦後の高度成長期までの15講!『火垂るの墓』『風立ちぬ』『紅の豚』など、スタジオジブリ制作のアニメ作品を手掛かりに、昭和史、特に前半の戦争の時代についてやさしくかつ深く学ぶ。
さらに、戦後の1950年代後半から60年代を通じて起った高度経済成長についてもふれる。
なぜあのような戦争は起こったのか。
かつて、普通のよき日本人が「もう戦争しかない」と思った。
世界最高の頭脳たちが「やむなし」と決断した。
世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争はきまじめともいうべき相貌をたたえて起こり続けた。
その論理を直視できなければ、かたちを変えて戦争は起こり続ける。
だからいま、高校生と考える戦争史講座。
日清戦争から太平洋戦争まで。
講義のなかで、戦争を生きる。
生徒さんには、自分が作戦計画の立案者であったなら、
自分が満州移民として送り出される立場であったなら
などと授業のなかで考えてもらいました。
講義の間だけ戦争を生きてもらいました。
かつて日本は、世界から「どちらを選ぶか」と三度、問われた。
より良き道を選べなかったのはなぜか。
日本近現代史の最前線。
この講義の目的は、みなさんの現在の日々の生活においても、将来的に大人になって社会人になった後においても、
交渉事にぶちあたったとき、なにか、よりよき選択ができるように、相手方の主張、それに対する自らの主張を、
掛け値なしにやりとりできるように、究極の問題例を挙げつつ、シミュレーションしようとしたことにあります。
(「講義の終わり」により)
君という美しい命は、偶然灯された一閃の光だ
君、忘れてはいけない。
きのう、戦争があったのだ。
昔むかしの物語ではない。
その大きな戦(いくさ)は、昭和という時代、二十世紀にあった。
君がきょう歩いているかもしれない美しい町は、
かつて亡きがらが転がり、いたるところが墓地となった焼け野原。
空から日夜恐怖が降ってくる、地獄の土地だった。
そんなところで、それでも人は……君の父や母の父や母、祖父や祖母は、
生き続けた。
生き続けたから、君がいる。
君という美しい命は、未曽有の戦災をかろうじてくぐり抜けた人、
その人を守った誰かの先に偶然のように灯された一閃の光だ。
1部 歴史を学び、今を考える(それでも日本人は「戦争」を選ぶのか?;日本の戦後―少数者の視点から)
2部 質問にこたえて(「国家は想像を超える形で国民に迫ってくる場合があります」;「戦争も歴史も身近な出来事から考えていくことで社会の仕組みが見えてきます」)
資料(英米共同宣言;開戦の詔書;『内外商業新報』1941年12月9日より ほか)
タイ、沖縄、韓国、寒川(神奈川)、大久野島(広島)―あの戦争で「加害」と「被害」の交差点となった温泉や銭湯を各地に訪ねた二人旅。
心を解きほぐしてくれる湯にとっぷり浸かりながら、市井の人の言葉を丁寧に拾いあつめた比類なき湯けむりエッセイ。
風呂から覗いた近現代史。
どこで、どのように戦死させられたのか―。
北海道で生まれ沖縄で死んだ兄の影を追う。
さまざまな出会いと検証。
作家の眼でオキナワと日本の現実を問う「魂」のエッセイ!
日本各地で、旧満州で、フィリピン・ミンダナオ島で。
それぞれの「八月十五日・終戦の日」。
澤地久枝(作家・14歳)、曽野綾子(作家・13歳)、アントニオ古賀(ギタリスト・歌手・5歳)、ほか全19人寄稿(年齢は終戦当時)。
この本の寄稿者19人が八月十五日(終戦の日)を迎えた場所
「私の八月十五日と、戦争孤児」(森本貞子)
「私の八月十五日」(植木馨)
「海軍士官だった私の八月十五日」(大塚初重)
「昭和二十年の日記より」(無着成恭)
「十五才で迎えた八月十五日」(赤松良子)
「玉音放送の衝撃」(川島敦子)
「沈黙の閃光」(サーロー・セツコ)
「パパの戦争」(大島渚)
「それからが、ほんとうの戦争」(十代都喜子・葛野都司子)〔ほか〕
江崎玲於奈(物理学者、20歳)、鳥越俊太郎(ジャーナリスト、5歳)らが寄稿。
コシノヒロコ(ファッションデザイナー、8歳)、安藤忠雄(建築家、3歳)は自ら描いた絵を掲載。
加藤登紀子(歌手、1歳)に表紙絵・ちばてつや。
八月十五日、水曜日晴れ 吉沢久子
北京の運送屋にいた 瀬戸内寂聴
七十一年前の八月十五日 三浦朱門
敗戦の夜は歩哨でした 安野光雅
死ななくてよくなった日 松居直
私の2度目の誕生日 正田陽一
その時―台湾での八月十五日 大坪節子
孤独な15才の記憶 堀口雅子
東京での戦争経験 矢島稔
敗戦後七十年の日本の現実 森村誠一
少年詩 おらたちの八月十五日
終戦の日 福井俊彦
空襲の恐怖と八月十五日後の私 柳田邦男
私の8月15日 北原保雄
私の八月十五日 松岡義和
8月15日と私 高橋利一
八月十五日の解放感 志茂田景樹
朧な記憶を手繰り寄せて 安斎育郎
八月十五日を13歳以上でむかえた人びと(助かった 水木しげる;「来るべきものが来た」横地清(絵 一峰大二)
悩んで、なやんで…宮川ひろ(絵 武田京子) ほか)
八月十五日を6~12歳でむかえた人びと(落ちたのはどっちだ?三浦雄一郎(絵 横山孝雄)
一葉の写真 黒柳徹子(絵 牧美也子)
陛下のおかげで 永六輔(絵 クミタ・リュウ) ほか)
八月十五日を5歳以下でむかえた人びと(戦争のあと味 みつはしちかこ;三才五ヶ月、恐怖の記憶 石井いさみ)
八月十五日を13歳以上でむかえた人びと(私の八月十五日―日野原重明(絵・森田拳次)
「ダワーイ」で時計を取り上げるソ連兵―上田トシコ
無風地帯―やなせたかし ほか)
八月十五日を6~12歳でむかえた人びと(玉音放送―工藤恒美;醒めた虚しさのなかで―片岡輝;頑張ろうな―コタニマサオ ほか)
八月十五日を5歳以下でむかえた人びと(水ご飯陽ざし―水野英子;ノラクロ―山内ジョージ;空が真っ赤に染まった夜―丘修三(絵・森田拳次) ほか)
八月十五日を13歳以上でむかえた人びと(忘れまい夏の焦熱を―木下としお;頭の中がまっ白―さわたり・しょうじ;落ちるなよ!―白吉辰三 ほか)
八月十五日を6~12歳でむかえた人びと(一人ぼっち―海老名香葉子(絵・千葉督太郎)
のら犬のごとくに―永田竹丸
ひまわりが“殺された”八月十五日―石子順(絵・ウノ・カマキリ) ほか)
八月十五日を5歳以下でむかえた人びと(グラマンは日本の空を遊んでいた―小野耕世;バケツリレーで防火訓練―北見けんいち;穴を掘っていた―草原タカオ ほか)
いつまで知らないでいるつもり!?
アメリカ出身の詩人アーサー・ビナード氏(1967年生まれ)が、日本人の太平洋戦争体験者たちを訪ね歩き、戦争の実態と、個人が争いから゛生き延びる知恵゛を探ります。
登場する語り手は、真珠湾攻撃に参加したゼロ戦の元パイロット、「毒ガス島」で働いた元女子学徒、戦後GHQで働いた元事務員など、実にさまざま。
日本人以上に日本社会に詳しいビナード氏が、自身の受けたアメリカの教育とも照らし合わせながら戦争に対する考察を深めます。
日本民間放送連盟賞・2016年番組部門[ラジオ報道番組]最優秀賞を受賞した、文化放送「アーサー・ビナード『探しています』」を採録して再構成した書籍です。
『暮しの手帖』創刊70周年記念出版
「戦中・戦後の暮しの記録」第3集 シリーズ完結編
いまはもう「戦前」かもしれない。
『暮しの手帖』で原稿募集を行い、庶民の体験を書籍化するプロジェクトのシリーズ完結編。
1945年8月15日「玉音放送」の前後に、何があったか? 何を思ったか? あの日々を生きた体験者から、現代を生きる私たちに届いた、愛あふれる警告、全49編。
『暮しの手帖』創刊70周年記念出版 「戦中・戦後の暮しの記録」シリーズ第2集
あの日々を忘れず、伝えてゆきたい。
2017年に、『暮しの手帖』誌上で行った戦争体験の原稿募集に応じて届いた自筆と聞き書き、全2390通の投稿より選ばれた、庶民の記録。
昨夏刊行の第1集『君と、これから生まれてくる君へ』に次ぐものとして、本書では手記、手紙、絵、写真――44点に、1967年募集時の未公開応募作10編を付しています。
あたりまえに生きられなかった「あの日々」のこと――。
ひとつひとつの投稿が、戦時下の「出来事」を教えてくれています。
残留日本兵家族との出会い
残留日本兵家族と私
父たちの歳月
スアンさんと家族の歳月
ロックさんと家族の歳月
ズンさんと家族の歳月
Baちゃんが来た
伝える責任
近づく心の距離
父の国へ
「新しいベトナム人」の時代背景
残留日本人の日本帰国の背景
加茂徳治さんのお墓探し
二つのドキュメンタリー
レ・ティ・サンさんの手記
橘さんの「戦争体験記」と「手記」
橘さんから家族への手紙(一九五四年)
呉連義さんの手記による「ホクタップ」
戦争を知らない児童文学作家と戦争をよく知る漫画家とが合作。
戦争を語り継ぐための絵本シリーズ。
テーマは「おと・におい・ひかり」。
本作が描くのは、最愛の息子を戦地へ送り出した母親。