日本の・地球の・現実の、向こう側の世界を楽しんでみませんか。
ミシシッピ州生まれ。
南部の名家に育ち、田舎町オクスフォードで生涯の多くを過ごす。
架空の都市「ヨクナパトーファ」を舞台とするサーガで知られ、46年、マルカム・カウリー編の『ポータブル・フォークナー』出版を機に国内外で評価が高まり、50年にはノーベル文学賞を受賞。
また全米図書賞やピュリツァー賞を受賞するなど、世界文学を代表する作家となった。
▼フォークナーをノーベル賞受賞に導いた奇跡の選集刊行!
ポータブル・フォークナー
ウィリアム・フォークナー著 マルカム・カウリー編
池澤夏樹/小野正嗣/桐山大介/柴田元幸 訳
価格 ¥6,490(本体¥5,900)
河出書房新社(2022/09発売)
普通の小説を読むことはちょっとした小旅行に似ている。
読者は数日だけ自分の家を離れて他の地に行く。
大河小説を読むことは夏の数週間を避暑地で暮らすことになぞらえられるだろう。
しかしフォークナーを読むことはそのままヨクナパトーファ郡に移住することである。
広大な土地を案内され、多くの人びとに紹介され、有力な家系の先代や先々代の事績を聞き、近くの森を舞台にした伝説的な熊狩の話を聞き、この土地の没落と退廃についての嘆きを聞かされる。
満を持して移り住んでいただきたい。
──池澤夏樹 (「世界文学全集Ⅰ-09」月報より)
【特色】
●類い稀な小説選集
多くの作品から架空の地ヨクナパトーファをめぐる物語を中心に抽出。短篇7篇、長篇の一部を独立させた作品12篇、および本書のために書きおろされた『怒りと響き』続篇ともいえる1篇から成る。
●一冊まるごとが壮大な年代記
収録作は作品内の年代順に並べられ、一つの長大な物語としても読める。「ミシシッピ州ヨクナパトーファ郡」の様々な出来事が1800年代から1960年代まで150年以上にわたって明かされる。
●圧倒的な翻訳陣による唯一無二の新訳
翻訳界の巨匠・柴田元幸、二人の芥川賞作家・池澤夏樹と小野正嗣、そしてフォークナー研究の俊英・桐山大介の4氏による新訳。
●巻末解説は最新最強のフォークナー・ガイド
なぜ今フォークナーか。全収録作を一つひとつていねいに読み解き、最新研究をもとに今この時代にフォークナーを読む意味を熱く語る最高のガイド。
●フォークナーは難解? 否!!
訳者の一人、柴田元幸氏はあとがきで、「フォークナーにもう一冊、意外に敷居が低く奥は深い作品があることが発見されたかのよう」と述べる。そしてリーダブルな本書を通読すれば、長篇代表作も面白く読み通せること確実!