2023年に没後20年を迎え、イスラエルによるガザへの軍事攻撃が激化する現在、サイードの著作に強い関心が集まっています。そのような中で『エドワード・サイード ある批評家の残響』(書肆侃侃房)が刊行されました。
書籍の刊行と同時に、著者の中井亜佐子さんによる選書フェアが企画されていることを伺い、ぜひウェブストアでも開催したいと手を挙げさせていただきました。
いまサイードの著作が読みなおされています。彼にとって、批評とはどのような営為だったのか?
没後20年をむかえた今、その思考の軌跡をたどりつつ、現代社会における批評の意義を問う一冊です。
【エドワード・サイードとは?】
1935年、エルサレム生まれ。幼少期をカイロで過ごす。ハーヴァード大学で博士号を取得。その後、コロンビア大学で比較文学を教えつつ、パレスチナ解放運動にかかわる。
主著『オリエンタリズム』は、人文学の学問領域の再編をうながす画期的な著作。2003年、ニューヨークで逝去、2023年に没後20年を迎えた。
【著者プロフィール】
中井亜佐子(なかい・あさこ)
1966年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門は英文学。オクスフォード大学博士課程修了(D.Phil.)。
著書に、『日常の読書学――ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』を読む』(小鳥遊書房、2023年)、『〈わたしたち〉の到来――英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』(月曜社、2020年)、『他者の自伝――ポストコロニアル文学を読む』(研究社、2007年)など。翻訳に、ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃』(みすず書房、2017)など。
『エドワード・サイード ある批評家の残響』
中井亜佐子/著
価格 ¥1,870(本体¥1,700)
書肆侃侃房(2024/01発売)
授業で『知識人とは何か』が取り上げられ、平凡社ライブラリーの邦訳版を苦労して読んだ覚えがあります。
すでにサイードの没後のことでした。
できることなら、生前にその思想や活動に触れてみたかった。
今回フェアのお話をいただき、改めてサイードを読み直したいと思いました。
フェアのリストには、サイードの著作に加えて、それを読み解くための背景となる書籍も多く挙げられています。
サイードをより深く知るきっかけとなりましたら嬉しく思います。
(ウェブストアスタッフN)