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- 無垢なる花たちのためのユートピア（カラーマスカラ）
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- 白昼夢通信（ネイルポリッシュ）
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- 人形街（リップ＆チーク）
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- いつか明ける夜を（コントゥアリング）
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- 最果ての実り（アイシャドウパレット）
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- 卒業の終わり（リップグロス）
終了しました
『かわいいピンクの竜になる』最新刊刊行記念 川野芽生選書フェア
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川野芽生さん著作
【第170回 芥川賞候補作】
川野芽生さん選書（コメントもいただきました！）
繊細な線で描き出されるのは、声に色がついて見える人、色弱の人、「男がスカートを履くなんておかしい」と言われる人、「キャラ作ってて痛い」と言われる人、「お前は何の取り柄もない」と言われて育った人……。それぞれに異なるたましいを持つ人々を、特殊なキャラクターとしてではなく、ただ、生きて在るものとして描きながら、「普通」の枠組みを置き去りに走っていく反逆の物語です。
個人的にはゴルディロックスちゃんが特に好き。
繊細な線で描き出されるのは、声に色がついて見える人、色弱の人、「男がスカートを履くなんておかしい」と言われる人、「キャラ作ってて痛い」と言われる人、「お前は何の取り柄もない」と言われて育った人……。それぞれに異なるたましいを持つ人々を、特殊なキャラクターとしてではなく、ただ、生きて在るものとして描きながら、「普通」の枠組みを置き去りに走っていく反逆の物語です。
個人的にはゴルディロックスちゃんが特に好き。
「ふくらんだ袖」なるものの存在をはじめて知ったのは『赤毛のアン』を通してで、どういうものかよくわからないままにアンの憧れに伝染していった覚えがあります。素敵なものをふんだんに持っている人よりも、目の前にない素敵なものに憧れ、夢を見ている人の方が、憧れを広める力が強いのかもしれません。
『赤毛のアン』と同じく、美しい衣服をふんだんに持っているわけではない、むしろ質素倹約を美徳とする家庭で育てられる女の子たちの話なのですが、それだけにかえって、「虚栄」としてたしなめられるような胸に秘めた憧れがチャーミングで、また慈しむように描かれる生活の細部に、おままごとにも似た楽しさを見出したものでした。
タイトルを目にして、これは私のことだ、と思って手に取った一冊です。今の自分と違うものに「なりたかった」という憧れと、自分を否定しなくてよいのだという思いが、手を取り合って進んでいくような気持ちになりました。一向に「身を固めない」ゼリー状の娘が出てくる話も好き。
思春期の思い出と密接に結びついている作家の一人が松村栄子で、どうしてこんなに自分の気持ちがわかるのだろうと思いながら、一作読み終えるたびにどこかへ漂い出ていくような、あてどのないさみしさ、切なさを覚えたものでした。男でも女でもないものでありたいと願っているのが自分一人のように思えていたあのとき。
「ゴシック・アンド・ロリィタ」というときの「ゴシック」とは何なのか。英語のGothicやGothの歴史を繙くだけでは説明しきれない、現代日本の「ゴシック」「ゴス」を解き明かす——いや、暗闇の美学を語る本書に「明かす」という言葉は相応しくないから、暗ますとでも言おうか——無二の文化論。この世に背を向けて立つ、異端の心を持つ人に。
「ビンボー姫」なんてあだなをつけられながら、頭を上げてロリィタ姿で50％オフのお惣菜を買う少女アン。母に切り裂かれてしまった大事なロリィタ服をスーツケースに詰め込んで、家を飛び出す——という冒頭から見事に表現されるのは、荒涼とした世界で、服のかたちを取ったファンタジーをまとい、気高く生きようとするロリィタの魂。服のディテールもほんとうに素敵。（アンの心も服も無事修繕されます……！）
「ビンボー姫」なんてあだなをつけられながら、頭を上げてロリィタ姿で50％オフのお惣菜を買う少女アン。母に切り裂かれてしまった大事なロリィタ服をスーツケースに詰め込んで、家を飛び出す——という冒頭から見事に表現されるのは、荒涼とした世界で、服のかたちを取ったファンタジーをまとい、気高く生きようとするロリィタの魂。服のディテールもほんとうに素敵。（アンの心も服も無事修繕されます……！）
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「ビンボー姫」なんてあだなをつけられながら、頭を上げてロリィタ姿で50％オフのお惣菜を買う少女アン。母に切り裂かれてしまった大事なロリィタ服をスーツケースに詰め込んで、家を飛び出す——という冒頭から見事に表現されるのは、荒涼とした世界で、服のかたちを取ったファンタジーをまとい、気高く生きようとするロリィタの魂。服のディテールもほんとうに素敵。（アンの心も服も無事修繕されます……！）
