紀伊國屋書店:キノベス!2025 1位 朝井リョウさん『生殖記』紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30 KINOKUNIYA BEST BOOKS 

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キノベス!2025 1位 朝井リョウさん『生殖記』紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30 KINOKUNIYA BEST BOOKS 

「キノベス!」は過去1年間に出版された新刊(文庫化タイトル除く)を対象に、紀伊國屋書店で働く全スタッフから公募した推薦コメントをもとに選考委員の投票でベスト30を決定し、お客様に全力でおすすめしようという企画です。今年は19名の選考委員が全社から集まった応募コメントを熟読し、ベスト30を決定しました。当社のスタッフが自分で読んでみてほんとうに面白いと思った本ばかりを自信を持っておすすめします。店頭で、ぜひお手にとってご覧ください。
2025年2月1日(土)から朝井リョウさんの受賞コメントやスタッフの推薦コメント、選考委員の選外の1冊などを掲載した小冊子を店頭で無料配布します!
※満席になりました※ ▶紀伊國屋書店4賞合同贈賞式&朝井リョウさん記念トークイベント
(2025年2月17日(月)18:30~/紀伊國屋ホール)

キノベス!2025

(2023年12月~2024年11月出版の新刊/第22回)

キノベス!2025 第1位『生殖記』
朝井リョウさん特別寄稿

 「生殖記」を書くうえで、一つだけ決めていたことがあります。それは、人類に肩入れしない、ということです。

 これまで私は小説を書くとき、“世界があって、話者がいる”という順序で構想を練っていました。自分の内側ではなく外側、つまり世界・社会・人類の方に正解と思われる何かがあると認識していたのです。ゆえに、小説内の話者が世界・社会・人類とのズレに悩むという展開が多く、言い換えると、あらゆる作品が世界・社会・人類を基準とした善悪に支配され、似たような輪郭になっていたかと思います。

 ここ最近、土台となる思考の順序が入れ替わってきました。つまり、“話者がいて、世界がある”という前提で小説に臨んでもいいのでは、と思うようになったのです。本作はその感覚のもとで書いた初めての作品なのですが、その場合、「読者に前向きな気持ちになってもらいたい」とか、「この小説で社会を前に進めたい」とか、そういった考えが脳内から消え失せるということを知りました。現時点の現実が“前”と捉えている事象と作中での“前”が重ならないことが、(わざと反対のことを書くということではなく)特に気にならなくなったのです。

 そんな執筆体験だったので、本作が現時点の現実から支持される可能性は限りなく低いだろうと見積もっていました。なので、今回の報は寝耳に水以上の出来事です。

ただ、驚いたのと同時に、想像以上に多くの方々が“話者がいて、世界がある”という順序にしっくり来ているのではないか、とも感じました。それはつまり、作中での“前”が、たとえ現時点の現実における圧倒的後退と重なる場合でも、小説という枠の中では筆を緩める必要などないということなのかもしれません。この気付きは今後執筆を続けていくうえで、私にとって大きな励みとなっています。

最後に、紀伊國屋書店のとある書店員さんからいただいた本作への感想を一つ、紹介いたします。

『この本が売れたらみんなどうなっちゃうんだろう』

 そのような感想が生まれ得る本を送り出すことに手を貸していただき、心より感謝申し上げます。

朝井リョウさん
撮影/トルヒト 井出 真

朝井リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれ。小説家。
2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。『何者』で第148回直木賞、『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞、『正欲』で第34回柴田錬三郎賞を受賞。最新刊は『生殖記』。その他の著書に『どうしても生きてる』、『死にがいを求めて生きているの』、『スター』など。作家生活15周年となる2025年、日本経済新聞で連載していた長編小説『イン・ザ・メガチャーチ』を刊行予定。

*プロフィールは当時のものです。

▶2025 小冊子 PDF版

 
歴代 キノベス!
202420232022202120202019201820172016201520142013201220102009200820072006200520042003
*キノベス!2011は欠番です。

キノベス!2025

(2023年12月~2024年11月出版の新刊/第22回)

🥇 1位 🥇

推薦コメント
どんな本を読んでも実感できなかった感覚が、私の人生にずっとあった違和感が、初めて腑に落ちた。この作品がすごいのは、知らなかった真実を見せてくれるからじゃない。誰もが心のどこかに潜ませている感覚を、鋭い言葉で抉って暴き出してくれるから。このひりついた痛みは、むしろ救いだ。
坂上麻季/京橋店
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この不穏なご時世を、朝井リョウが、おしゃべり上手なあいつを生み出して全言語化。時には笑いながら、時には胸を痛めながら、あっという間に読了。物語最後のあいつの言葉には少しじんと来た。小難しいことなしで、この語り手に身を委ね、「今」が詰まったこの物語をたくさんの人に堪能してほしい。
西田ひで子/ゆめタウン廿日市店
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語り手の正体の衝撃と読書中・後の衝撃と、朝井リョウの3年半ぶりの新作は衝撃だらけ! この衝撃に触れたあと、わたしたちは何を考えて生きていきましょうか?
亀谷美妃/玉川高島屋店
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時代に沿って価値観をアップデートした人の大半に、他者の尊厳を踏みにじった過去があると思う。自分含め。たかが十数年前のテレビ番組、教室での会話、今思えばひどかった。将来、今を振り返ってまた同じように思うのだろう。愚かで残酷な私たちには、朝井リョウ作品のまなざしが必要だ。
田中夏子/ゆめタウン広島店
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3年前『正欲』に出会った私は、以降「多様性」という言葉を口に出せなくなりました。そして、今年はこの小説を読んで「生産性」という言葉を失いました。恨んでなんかいません。寧ろそれを望んでいたのだと思います。
米本教助/シアトル店
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お前が語り手なのかよ!!!! と、爆笑から始まり、人がこの国の一個人として生きていく上での条件やしがらみなど、今までうっすらと感じていた違和感を上手く言語化してくれた本。これからますます多様化していくであろう社会にとって転換期の1冊(だと勝手に思っている)。
玉本千幸/新宿本店
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2位

推薦コメント
なぜ生きなくちゃいけないのか。答えがほしかったわけではない。ただ、生まれていきるって何だろうって、一緒に話がしたくなるこんな本が私はずっと読みたかった。
伊藤佑太郎/久留米店
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たったの123ページで100年を振り返るSFですが、その短さゆえに巨大な余白を生み出していて泣いた。死ぬことを許されず全身を機械にされて生き続けた長い人生をどう受容したのか。なにに気づき最後になにを選んだのか。読後、半日くらい感動が内側から湧き続けてすごかった作品。
鶴見祐空/西武東戸塚S.C.店
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自らを人間になり損ねたと評し、死を望んだ「わたし」。不老不死の身体にされ感情の起伏を失った彼女が、自身と地球の終末に望んだことは…。誇れなくても、悔いだらけでも、孤独でも。これまで生きてきたこと、こうして生きていること、これから生きていくことを寿ぎたい。祈りの物語。
塩谷奈帆子/流山おおたかの森店
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3位

推薦コメント
「そんなに読んで何になるの? 何かになるの?」と周囲に言われるたびに「好きだから読むの! それでいいの!」と言い返しながらも、“ただの読み手でしかいられない自分”になんだかひっそりと傷つき、悪いことなんて何もしていないのになんだか後ろめたさを感じている… そんな私に刺さりまくった1冊です。私はただの読み手でしかいられないけれど、それでいいのだ。今日も明日も明後日も、ずっとずっと小説を読んでいたい。
伊勢川詩織/鶴見大学ブックセンター
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「また本ばっかり読んで」と言われたことのある全ての人に手渡したい。タイパとかコスパとかアウトプットとか、そんなのどうだっていい、ただ夢中で読む、それでいいんだ。こんなに読むことの喜びに満ちた物語に出会える幸福を、どうぞあなたにも。
黒田紗穂/天王寺ミオ店
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子どもの頃、小説を書こうとしてみたことがある。書けなかった。才能がないと思った。それでも小説が好きで、ずっとずっと読んできた。今、この本に出会った。読むのが好きで、本当によかった。まずはページをめくって、逃れようのない引力を体感してください。これは、あなたが読んで初めて完成する『小説』です。
松本彩香/横浜営業部
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4位

推薦コメント
読書の可能性は無限大! そこにはルールも正解もない! 前代未聞の笑える読書本、ここに爆誕‼ 本好きはもちろん、読書を面白いと思えない方にこそ読んでほしい! めちゃくちゃ楽しそうに本を読むみくのしんさんが羨ましすぎて、たまらず自分も本を読みたくなること間違いなしです! 読書とは本と対話することと言いますが、文字通り本に話しかけてる人、初めて見ました…!
塩谷奈帆子/流山おおたかの森店

5位

推薦コメント
ここ数年の中で、一番周囲にすすめた本です。「忙しくて本が読めない!」という悩みは、実は書店員も同じ。それはなぜなのでしょうか。本書はこの問題を、社会構造から紐解いてゆきます。書く人・売る人・読む人、みんなの力で「本が読める社会」を作っていきませんか?
山田萌果/札幌本店

6位

推薦コメント
本当に読んでいて苦しかった。今までの自分の人生と重なる部分が多かったし、これほどまでに男女の性に対する意識の差を鮮やかに描く作品を初めて読んだと思う。この世界で共生していく私たちが一度は考えなければならないことがありありと描かれている。無意識に流れている時間と被害を目の前に立ち上げさせ、タイトルを見ただけであらすじを読み返すだけでじんわり涙が出てくる作品である。
杉本玲/梅田本店

7位

推薦コメント
強く強く願い続ければ、世界中に届けることができる。たった1人の彼女の思いも、折れることなく強風に耐え続け、跪かなかったからここまで届いた。こんなにしなやかな思いの強さを初めて見た。そして、これは愛。愛というしかない。あなたの祈りという愛が世界中に届いたと、そして届いた人の細胞隅々にまで行き渡ったと、わたしも声をはりあげて伝えたい。
安倍香代/アミュプラザおおいた店

8位

推薦コメント
ページの端の隅っこにまで、いろんな味がする言葉がいっぱい詰まった、素敵なフードエッセイ! クッキー缶を開けたときのような高揚感に包まれます。いつもと違う食べ方をしてみたり、音を楽しんだり、毎日が少しずつワクワクする食のお話満載です。
西澤しおり/天王寺ミオ店

9位

推薦コメント
読むのに覚悟が必要な物語。読後、かなり長めに心がこの作品で塗りつぶされることになるから。この余韻…なんといえばいいのか。妙な例えだが「斬り付けられてできた傷跡が、やたら美しく感じてしまった」。酷いし、痛いけどな。
生武正基/営業企画部

10位

推薦コメント
バレエのバの字も知らないのにここまでのめり込めるとは。舞台が見える。満員の観客が、鳴り止まない拍手が、すべて文章から立ち上ってくる。何という迫力、何という臨場感。まったく無縁の世界にも一気に飛び込んでいける、これぞ読書の醍醐味!
吉田咲子/徳島店

11位

推薦コメント
ページをめくるたびに、これまで感じたことのないスケールの時間と空間の広がりを感じ、次々と繰り出される怒涛の語りに、あっという間に身体ごとのみこまれていきました。個々の人生が積み重なり歴史の連なりとなる。その瞬間瞬間を生きた人々の息遣いが胸に迫り、心をつかんで離さない1冊でした。
伊勢川詩織/鶴見大学ブックセンター

12位

推薦コメント
本を読むのは好きだけど、人と感想を述べ合うなんて、ちょっと恥ずかしいし私には無理だな… と思いながら読み始める。登場する読書会のメンバーは高齢者ばかり、いつも話は横道にそれちゃうけど、ワイワイ語り合う様子はなんとも微笑ましい。こんな仲間がそばにいてくれたら歳をとるのも悪くない、楽しい人生が送れそうと感じた1冊。
平岡彩/札幌本店

13位

推薦コメント
最初から最後まで、ノンストップの映画を観ている感覚。自分と瓜二つの死体とは? そして「禁忌の子」とは一体誰なのか? 記された全てのことに意味があると気付いたとき、最高の読書体験と、そして最大の「まさか」が襲来することを約束します。
横山史葉/東京理科大学神楽坂ブックセンター

14位

推薦コメント
突然死んでしまった友達とまた話せる。一見優しく幸せな設定なのに、時間が経過するにつれ、死んでしまったものと生きているものとで感覚がどんどんずれていく描写がリアルで、大人になっていくかつてのクラスメイトと、高校生で死んだ山田の優しくて未熟で青いままの感性が痛くて切ない。
木次史芽/札幌本店

15位

推薦コメント
フィクションの中をどう生きるのかは自分次第だと気付かされ、きっと毎日が愛おしくなる。会話を重ね本音を伝え合うことの大切さを思った。あぁ… この、ときめきmaxのラスト! 青山さんからの最高の贈り物をぜひあなたにも‼
柴田真奈美/愛知産業大学ブックセンター

16位

推薦コメント
生きている、生きていくことが時として善なるものにもそうでないものにも変容していく、そのグルーヴ。ティーンのただ生きていることだけで垂れ流されるエネルギーの眩しさは、未熟も成熟も渾然一体となって生み出されるカオスを極限まで照らし、まるで視界を奪われたようなブラックアウトとともに終焉を迎える。だらだらと描かれなかったストーリーを想像するより、みどりいせきで染め上げられたこの現実を見渡すことの方がぼくには気持ち良くて、それはささやくように世界を祝福していた。
竹田勇生/新宿本店

17位

推薦コメント
共感がうるさい。「その感情を知っている」と相槌を打つカロリーがもったいない。心だって日々労働をしている。当たり前だ、疲れる。疲れている。そうだろ、町田康。あなたのひとりごとが足りない、騒音みたいな雑音をもっと、もっと、くれ。ああ、もっとシャバダバしたい。そんなあなたにこの本を捧げる。
猪股康太/笹塚店

18位

推薦コメント
内容を語ろうとすると鼻の奥がツンと痛くなり、まだ口にすることができません。生まれた時代が早すぎた。社会と自分がそれを許さなかった。幸せになって欲しいと、祈りを捧げたくなります。歯がゆくて愛おしい。優しさに胸が痛い。様々な感情が掘り起こされる尊い愛の物語。私は心が満たされました。
山本佑佳/中部営業部

19位

推薦コメント
卒業式の直前に何の前触れもなく始まった、クラスメイトによるデスゲーム。心理戦・頭脳戦・そして打算のない友情… ドキドキハラハラ、心拍数上がりまくりです。計算され尽くした緻密なペア決め、作者の頭脳に脱帽です!
藤井亜希/相模女子大学ブックセンター

20位

推薦コメント
とにかく読んでいて気持ちが良い、女性の生活と性愛にまつわる話が爽快に書かれていて、これぞ令和の女子会!!! 人の悪口なんて言っている場合ではない等身大の女性の生きざまが表れていて、共感する文章ばかり。この一文に出合えて良かったと思うところが何度もあった。
杉本玲/梅田本店

21位

推薦コメント
語り得ぬことには沈黙しなければならない… のか水俣病や戦争という現実に直面した石牟礼道子と鶴見和子が言葉では本当の部分を伝えられないこと、「言葉果つるところ」に立って沈黙せずに「伝える」とはなんなのかを語り合う。言語化して伝えることが重要視される現代、本当に伝えることはなんなのか。本書に問いかけられている。
佐佐木定綱/玉川高島屋店

22位

推薦コメント
ただただ流れているように思いこんでいる毎日が、決して当たり前ではないということに改めて気づかせてくれる。だけど、真っ暗では終わらない。「世界はまだまだ、光に満ちている。」希望も力も与えてくれる、そんな物語です。
藤井亜希/相模女子大学ブックセンター

23位

推薦コメント
人生について、愛について、自分の心に問いかけながら丁寧に丁寧に読み進めたい1冊です。生きていくうえで周りの影響を受けることは不可避だからこそ、どんな人の傍にいたいか、主人公が周りのいい影響を受けて価値観が変わる度、考えさせられます。
山口菜絵/富山店

24位

推薦コメント
時を経て変わっていくことの、得体の知れない悲しさ寂しさが、こんなにもくっきり言葉になるなんて…! みんななんだか変で、でもわかる気がして心がざわめく。長井短さんの、鋭くてキュートでやさしい言葉が、どこに向かうのか予想もつかない物語の世界が、大好きです!
坂上麻季/京橋店

25位

推薦コメント
こんな友人に私がなれていたら、と思う。『人魚姫』の舞台化にあたって、演劇部員たちはアンデルセンによる原作を読み進めていく。人間に愛されなければ魂を得られない、という物語の映し出す“人間”なるものの輪郭に触れるほど、砕けていく粉々は、魂ではないのか。ここが海の底だと思える時、開きたくなる1冊。
當麻卓也/国分寺店

26位

推薦コメント
こんなに爆笑してしまって良かったのだろうか。筋肉と身体と頭の中と仕事が一体になって突き進んでいく彼を見ていると、もう腹も頭も抱えるしかなかった。生きるっておもしろいけど困難で、生命って摩訶不思議でぶっ飛んでて、脳も細胞も直結してるんだな、人間、おもしろー! と思ったらわたしの腹もブヨヨと震えました。
安倍香代/アミュプラザおおいた店

27位

推薦コメント
深夜の街に充満する濁った空気、アスファルトが放つ湿った匂い、耳の奥をひりつかせるスケートボードの滑走音、とにかく描写がすごい。この本そのものが読者に向けられた〈ボム〉なのだと、気づいたときにはもうぶっ倒れている。
松本彩香/横浜営業部

28位

推薦コメント
手を止めることができず一気に読んでしまいました。主人公のルーティーン的生活やLINEを送信する前に考え込む姿に、自分を重ねる人も多いでしょう。そんな主人公の「傷」の描写が物語の真骨頂です。本書のような鮮やかな「今」の描き方は金原さんにしかできない!
山田萌果/札幌本店

29位

推薦コメント
デスゲームにハマったり、流行りモノに列んじゃったり、名付けに頭を抱えたり、これは社会風刺? ブラックユーモア? 徹底的に現代日本を皮肉っている。……でも、こういう作品ってめちゃくちゃ面白いんです! 蠱惑的で美味な一品です。
齊藤一弥/仙台店

30位

推薦コメント
誰もがそれぞれの事情を抱えながら、懸命に生きている… 1人で頑張りすぎなくていい、誰かに頼ってもいい、それは身近な人でなくても構わない。自分のためにつくられた食事とそれを美味しいと感じられること自体がとても幸せなことなのだ。『カフネ』は心が疲れてしまった人にそっと寄り添い、前に進む力を与えてくれる物語です。
笹倉宏美/いよてつ髙島屋店

「キノベス! 2 0 2 5 」選考委員が選ぶ!2 0 2 4 年の収穫

推薦コメント
甲子園を夢見て戦っているのは子供だけではない。その親も、子供の夢を叶えるために、想像もしなかった困難と闘いながら同じ夢を追いかけている。負けるもんか、と自分に言い聞かせながら。色々な人が、色々な立場に立ち、ひりつくような感情と感動を抱いている。大きな夢は、なんというドラマを生むのだろうか。
小川智恵/北海道地区業務センター

推薦コメント
仕事とは一体なんなのか。組織や社会の理不尽と私たちはどう向き合っていくか。闘うのではなく、挑むことを教えてくれる。挑戦した先に何があるのか。今日もこの作品を胸に仕事に向かう。
大森輝美/さいたま新都心店

推薦コメント
「言語化」が話題になった2024年において、三宅香帆さんの著作がもっとも鮮烈に映った。文芸評論家としての読みを武器に、ビジネス書的な書き方を文芸評論に輸入する手つきは、従来の批評が持つような言語化とは違った新しい風が吹いている。
古家政夫/川越店

推薦コメント
正直、人を看取る感動譚や闘病記は苦手だ。素直に好きだというのも何か複雑な気持ちになる。ただ、この本を除いては。最愛の人が亡くなる。考えないようにしているその事が、目の前に迫る時。この本がきっと寄り添ってくれる。
久保島淳/流山おおたかの森店

推薦コメント
コミックや映画などによってじわじわと高まっていた「ホラー」再興の機運はモキュメンタリーホラーの開花によって、小説においても一気に絶頂へと達したが、最も喜ばしいことは実験的且つ正統な様式美を備えたこの作品が、後世に語り継がれるべく産み落とされた事実に他ならない。
竹田勇生/新宿本店

推薦コメント
スマホとSNSの普及がもたらした写真・映像の変化。“『削除』によって残ったものが『写真』となる”その行為を繰り返し、こんにちの写真・映像は「おしゃべり」の手段にもなったという。これまで芸術性や記録の価値を語られることの多かった写真について、時代背景の変遷と共に再考する、今こそ読みたい写真論!
浦山夏/新宿本店

推薦コメント
何もなかったと思っていた一日でも、ふと小さなきらめきを思い出す。それを拾い集めるのが日記であり、一度きりの人生へとつながる。
亀谷美妃/玉川高島屋店

推薦コメント
台湾・美術・歴史小説! 一九八四年、台湾の急速に近代化していく街並みを背景に、歴史から抹消された実在の画家をめぐる調査が始まる…。台湾近現代史としても現代美術史としても深い、日本の読者としてこの本に出会える衝撃と希望。
當麻卓也/国分寺店

推薦コメント
タイトルの通り“そんな瞬間を言葉にできるのか”と激しく胸が高鳴った。意識を研ぎ澄ませておかないと拾えないシーンの数々をまとめるとこんなに味わい深い本になるとは。情報過多な現代の中で朴訥とした言葉の質感に全身で震えた大傑作自由律俳句集。
鶴見祐空/西武東戸塚S.C.店

推薦コメント
800頁超えの鈍器本。本っっっ当に最高面白かった……っっ‼今冬、短期入院をしたときに“絶対に読み終わらない”、“痛みや現実を忘れさせてくれるファンタジー”を求めてこの本を持ち込んだ。私たちは、ただ面白い本を読むだけじゃなくて、いつ、どの場面でその本に巡り会えるかが自分にとっての価値に繋がると、もう知っている。これはあの日の私を空想の世界へ逃がして守ってくれた、壮大で大切な物語。
鶴見真緒/武蔵小杉店

推薦コメント
『ミニマル料理』で第10回料理レシピ本大賞の特別部門【プロの選んだレシピ賞】を受賞された著者ですが、食をテーマにしたエッセイもいくつか出されており、これが思わず声に出して笑ってしまう面白さなのです。本作は、日本という国では世界中の料理がお店で食べられる事実とそれらのお国での本来の姿との違い、日本人が美味しく食べられる進化を遂げてきた歴史も楽しく知る事が出来る1冊です。
紀ノ川奈穂子/福井店

推薦コメント
絵柄が好きで読み始めたら、1話読み終わるころには沼の底でした。こんなにワクワクするなんて何このマンガッ⁈ 読み終わった後、冒険の準備をしなくちゃという謎の衝動に駆られてしまったのは私だけではないハズ。
大戸彩楓/梅田本店

推薦コメント
社会と自分との距離感や関係性を考えない日はない、そんなあなたが変わらず生きていけるように本書を勧めたい。韓国の様子もちらりと出てきます。民主主義と聞いて固く感じてしまうあなたにこそ贈りたい。そんな1冊です。
杉本玲/梅田本店

推薦コメント
ノンケ喰いの「たいちょー」、覇気ナシ会社員「忠岡くん」、“バイの男の娘”設定「うたちょ」。3つの顔で存在を保っている彼の自虐と毒を、吐き出されたままの純度で自分の中に落とし込みたくて、何度も文章を追ってしまった。危うい自己実現の向こうで、誰が誰を搾取しているのか。共感も新鮮さも入り混じった、衝撃の面白さでした!
坂上麻季/京橋店

推薦コメント
「善く生きるとは。」1行目からハッとした。いつも善く生きたいと思っている。そう思いながらも、正しさから遠ざかり、知らないフリをしたり、深く考えないようにしてやり過ごしてきたことがある。ズルいことを考えたり、勝手に決めつけたり、無責任なやさしさをふりまいたりしてしまうこともある。自分の中の、理想と現実のギャップでもやもやしたり、たまらなく不安になったりしても、「月夜じゃなくても歩ける」という言葉を胸に、私らしく生きていきたいと思った。
吉原朋子/アリオ鳳店

推薦コメント
自分自身に対して見栄を張ったり、欠点を認められなかったり。そうして八方塞がりになっている人に読んでほしい。あきらめるって、自分の性分や限界に真っ向から対峙して、受け止めること。その上で何を望むか。どう生きたいか。あきらめてもそこで終了なんてしない。むしろ未来へつながる。
田中夏子/ゆめタウン広島店

推薦コメント
窮屈な現代人の心をどこか遠く懐かしい場所へ連れ出してくれる旅エッセイ。ノスタルジジイ万歳! アジフライはソース一択の書店員より
原健介/徳島店

推薦コメント
夫との関係に傷付いた沙也加がアルバイト先の定食屋店主ぞうさんと料理を通じて次第に心を通わせあう姿に心が温かくなりました。ぞうさんのすき焼きのたれベースのがっつり系、沙也加の出汁からしっかり薄味繊細系、あなたはどちらの料理を食べたいですか?
高橋まゆみ/ゆめタウン博多店

推薦コメント
シリーズ第4作。物語の歴史がどんどん積み重なり過去の登場人物たちの軌跡が所々に垣間見えると胸がいっぱいになり、涙が出そうになります。どの巻から読んでも、その時代の壮絶な物語が心を掴んで離しません。濃密なファンタジー大作。続きが待ち遠しいです‼
西村朋子/熊本光の森店

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〈第322回新宿セミナー@Kinokuniya〉ジル・ドゥルーズ生誕100年 & 紀伊國屋じんぶん大賞2025大賞記念 & 第2回じんぶんやRETURNS開催記念 千葉雅也×福尾匠 トークイベント

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『よつばと!』16巻  購入特典 紀伊國屋書店限定ブックカバー

『堀未央奈2025.4-2026.3カレンダー』(わくわく製作所)発売記念お渡し会

『多和田任益 2025-2026カレンダー』発売記念イベント

キノベス!キッズ2025 1位『クジラがしんだら』児童書・絵本ベスト10

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