紀伊國屋書店:キノベス!2004

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キノベス!2004

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キノベス!2004 第1位『夜のピクニック』
恩田陸さん 特別寄稿

夜のピクニック

予告編と本編の間で

 思えば、予告編が好きだった。
 映画はTVでしか見たことがなかったし、「吹き替え」の意味すら分からなかったけれど、時々「ゴールデン洋画劇場」で、番組の最後にその先二ヶ月分くらいの放映予定をいっぺんに紹介する時があって、それを見ている時が一番わくわくした。

 思えば、カタログが好きだった。
 もちろん本を読むのは大好きだったけれど、岩波書店の児童文学のカタログを眺めて、本の表紙やタイトルから、お話の内容を想像するのがこれまた楽しかった。だから書店に行くと、本を手に取って中身を見るよりも、ずらりと並んだ本の背表紙や平積みになった本の表紙をじっと眺めていることのほうが好きだった。角川文庫やハヤカワ文庫の翻訳文学のタイトルはいつまでも見飽きることがなく、配置順まですっかり覚えてしまっていたのに、また書店に行くと同じ背表紙を順番に見ていった。

 思えば、印刷物が好きだった。
 ご多聞に漏れずリカちゃん人形が大好きだったけれど、実はリカちゃん人形そのものよりも、パッケージに一緒に入っているカラー写真のパンフレットのほうが欲しくて、その中に写されているリカちゃんのさまざまな洋服や、ソフトフォーカスで撮られた背景なんかにうっとりしていた。

 企業のPR誌なんかもせっせと溜め込んでいた。印象に残っているのは、長崎屋の広報誌で、かなりミニコミっぽい「ひとりとふたり」という小さな雑誌があり、そこで初めて丸文字の元祖、ナール体に遭遇して衝撃を受けたことである。私は字を書くスピードが速いので、さんざん真似しようとしたがとうとうあの字をマスターできなかった。
 そんなわけで、私はノートが大好きだった。ノートをやぶって真ん中で閉じ、雑誌らしきものを作るのが好きだったのである。罫のないノートを見つけた時には物凄く嬉しかった。だって、漫画の本も、小説本も、世の中の印刷された本には罫なんか入っていないからだ。そのノートを何冊も買ってもらい、漫画を描いたり、お話を書いたり、これから書く漫画の予告編を描いたりしていた。『大脱走』を観れば穴を掘って逃げる話を書き、『オヨヨ島の冒険』を読めば「あたしは」という一人称でお話を書いた。

 けれど、当時の私は、一度もお話を最後まで書くことができなかった。いつもイメージばかりが肥大して、ちっとも書けないことに嫌気がさし、ほんの数ページでやめてしまってばかりいた。ひたすら予告編ばかり書いているうちに、大人になってしまったのだ。

 そして、ようやく私は本編を書くようになった。やっと、おしまいのページまでお話を書けるようになったのである。しかし、子供の頃を振り返る時、決まって吉原幸子の詩の一節――「書いてしまへば書けないことが 書かないうちなら 書かれようとしてゐるのだ」という言葉をしみじみと噛み締める。
「書かないうちに書かれようとしていた」ことを、今の私は書けているのだろうか?

それはまだ――恐らくは最後まで――きっと分からないに違いないのである。

恩田陸さん(キノベス!2004)

恩田陸 (おんだ りく)
1964年、宮城県生れ。早稲田大学卒。
92年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』(新潮社)でデビュー。活字でしか味わえない恐怖と、活字でこんなことが出来るのかという感動を同時に与え、注目を浴びる。ホラー、SF、ミステリなど、既存の枠にとらわれない、独自の作品世界で沢山のファンを持つ。著書に、『球形の季節』(新潮社)『三月は深き紅の淵を』(講談社)『光の帝国 常野物語』(集英社)『図書室の海』(新潮社)『ライオンハート』(新潮社)『禁じられた楽園』(徳間書店)『Q & A』(幻冬舎)などがある。

*プロフィールは当時のものです。

特別賞

番外編(POP賞編)
ランク外ですが、まだまだご紹介したい、あの本、この本!


キノベス!2004

(第2回)
*推薦コメントの執筆者名に併記されている所属部署は当時のものです。現在は閉店している店舗もあります。

🥇 1位 🥇

推薦コメント
羨ましいと私は思った。夜を徹して歩き通す歩行祭。たった一夜の出来事が、特別なものに変わるそのことを彼らは感じる事ができたから。「あの頃」をあっさり卒業してしまった私は損をした気分になる、ほんとうに切なくまぶしい物語なのです。
酒井和美/本町店
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ただ歩くだけでは奇跡は起こらなかった。一緒に歩いたひと、これまで一緒に歩んできた人達がいたからこそ、貴子と融にとって奇跡の一夜となった。読後、共に歩んだ親友に会いたくなった。
高橋雅之/グランドビル店
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80kmという長い距離を夜通しひたすら歩き続ける苛酷な学校行事「歩行祭」。登場人物たちはその行事の中で、それぞれ思いや悩みをかかえて歩いていきます。部外者がまぎれこんだり、誕生日をむかえたり、秘密の賭けを実行したり。ただ歩くだけの行事の中に、様々な驚きや発見や変化や友人と時間をわかちあう喜びがあり、すべてを歩き終えた後には清々しい達成感を感じることができます。自分の学生時代を思い返さずにはいられない素敵な青春小説です。
倉成陽子/新宿南店
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この本には「青春」がぎっしりと詰まっている。俵万智の有名すぎるデヴュー歌集のなかに「青春という字を書いて横線の多いことのみなぜか気になる」という歌があるのだけれど、そういう青春の混沌というかぐちゃぐちゃさ加減を、美しく、ほほえましく描ききった秀作。共学、とくに公立の進学校に通った人たちにはぜったいツボだと思います。
星 真一/梅田本店
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🥈 2位 🥈

推薦コメント
「チルドレン」には、文章・会話の楽しさ、特異な登場人物、泣けない感動など、伊坂幸太郎の面白さがこれでもか!というくらい散りばめられています。特に家裁調査官である陣内の言動は、一見無責任だけれど考えた上での発言だとわかります。たまに呆れたりもするけれど憎めない愛しい人物です。あなたもそんな陣内と出会ってみませんか?
岸田安見/本町店
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「結果論からすると、陣内のやっていることの大半がオッケーになってしまうから驚きだ」と評される主人公が引き起こし、巻き込まれる騒動を描いた5つの物語。信じた少年少女に裏切られる日々を闘いながらも「俺たちは奇跡を起こすんだ」と言う主人公の言葉に力付けられ、一方で「奇跡というのは滅多に起きないから」と自分を慰める同僚の家裁調査官の物語など、読み終えれば不思議な温かさを覚えるはずです。「歴史に残るような特別さ」はないかもしれないけれど、「特別な時間」を与えてくれる本です。最後に、「彼のやり方を真似しては駄目だよ」。
原田誠/熊本店
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子供は嘘をつきます。大人は嘘をつきます。この作品にはたくさんの嘘がつまっています。人を優しい気持ちにしてくれる嘘が……。
花田吉隆/福岡本店
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🥉 3位 🥉

推薦コメント
最高級のミステリー。読み出したら絶対に止まらない!!その言葉がピッタリあてはまる本当にスゴイ作品です。1つ解けたかと思うと次から次へと繰り出される謎の数々。ヒタヒタと後を追いかけてくる怪しい追跡者達。ココマデなら今までのミステリー小説にもありますが、ただのミステリーでは味わえない美術史、西洋史の豊富な知識もタップリ堪能できます。まちがいなくアナタも徹夜覚悟で読むコトになりますよ。
清水千佳子/西神店
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まさに、すごいの一言!次から次へと出てくる謎に、まるで自分も一緒に解いているような感覚。本の中に出てくる秘密結社や絵をインターネットで夢中になって調べながら読み進める日々……(ちなみに解けたものは1つもない)。しかも謎を解くスリリングさだけではなく、主人公達の間で芽生える、ちょっとした恋心や、友情、家族愛もあり、読み終えた後の爽快感と、ほのぼのとした心地良さは、もはや、ミステリーという分野の枠を超えています。つい本物の“モナ・リザ”や“最後の晩餐”の絵を見てみたくなりました。
幡田麻由/梅田本店
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4位

推薦コメント
色白のアザラシみたいな容貌の神経科医と白衣で患者の前で堂々とタバコを吹かすクールな看護婦コンビが悩みをかかえる患者たちを治療していくのだが、「こんなので本当に治るのか?」「本当に医者か?」と読む側も疑念を持ちつつ、患者が病気を克服すると同時にこちらもわからないけれど、不思議と爽快な気分になっているんです。この作品は笑いをちりばめながら「そっか、悩みの解決は案外自分の目の前にあるんだ。」って気付かせてくれて、肩の力がすっと軽くなっちゃいます。
秋田ゆかり/本町店
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悩みはつきないものである。人がどんなに気にするなと言ってみても自分の中では大問題。色々な悩みを抱えた人々が訪れる病院。そこには注射好きな精神科医が待ち受けている。問題を抱えた人々はこのハチャメチャな精神科医の不思議な魅力にとりつかれ、いつのまにか病気が治ってしまうのである。あなたも読んでいるうちに悩みを忘れること間違いナシ!!
E.H./熊本店
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5位

推薦コメント
駅近、庭・池・電燈付二階屋。家守求む。ただし人にあらざるもの千客万来。私はこの家に住みたい。今はなかなか感じることの出来ない、四季折々の自然がこんなに様々な姿でむこうからやって来てくれるなら、多少の怪異は我慢できると思うのです。
酒井和美/本町店
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100年ほど前の日本を舞台にした物語。物書きの綿貫の許には様々な精霊・妖怪が訪れる。サルスベリは恋をし、河童は犬と仲良くなる。亡き友は掛け軸の向こうから舟をギコギコ漕いでやって来る。淡々とした日常にふと混ざりあう異界が静かに美しい。四季折々の情景、日本語の美しさと共にたっぷり堪能してください。すぅ――と引き込まれます。
保良公美/横浜店
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6位

推薦コメント
――胸は痛む。幸せなときもそうでないときも。――「ミステリ+心理小説+現代小説」というとてつもない小説です。1ページ目からぐんぐん引き込まれます。久しぶりに面白いお話を読んだ満足感。三浦しをんはブレイク寸前!!
徳水和子/松山店
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ある大学教授をとりまく男女の愛憎を静かな筆致で描いた作品。語りが冷静であるからこそ、その向こうに透けて見える熱くどろどろとした思いが際立ち、この温度差がとても魅力的だ。この本が教えてくれるのは、人を愛しそして愛されたいという思いは貪欲だということ。まるでそれが海水であるかのように、飲んでも飲んでも満たされないばかりか、どんどん渇きは増す。そしてみんな孤独だということ。三浦しをん、渾身の一作。
野口亜希子/新宿本店
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この小説を一言で表現するのは、とても難しい。ひとつ言えるのは、一行目から三浦しをんの仕組んだ迷宮のとりこになる、ということ。様々な女達を愛した大学教授の一生が、5人の男の口から語られる。けれど、読み終わったところで、大学教授の実体はつかめない。ただその一人の男に対する色々な人の色々な想いだけが交錯しているだけだ。人間が人間を思うとき、そこには様々な色をした感情があって、三浦しをんはそれを何色とも言えない一枚の布に織り上げた。美しく巧みな作品だ。
今井麻夕美/新宿本店
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7位

推薦コメント
無冠の帝王、飯嶋和一の4年ぶりとなる新刊は期待を裏切らない大傑作!とにかく読んで驚いていただきたい。この国にかつて、こんなにも清々しい男たちがいたということに。権力におもねらず、金にこびない海の男たちのなんと自由なことか。数々の文学賞を辞退しつづける飯嶋さんだからこそぜひともキノベス!に選びたい。
星真一/梅田本店
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これほどの力量をもった作家があまり知られていないというのは、本当にもったいない。この厚さが敬遠されるのだろうか。しかしこの枚数をもってしか描ききることのできない物語の緻密さ、深さがそこにある。舞台は江戸時代、名の知られた人物など登場しないが、金と権力にまみれた世界の中で信念を持って生き抜いた男を描いた、とても読みごたえのある一冊です。
S.I./ロフト名古屋店
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8位

推薦コメント
気持ち悪い等と言わず、どうぞ、ご覧下さいませ。世の中には、ホモサピエンスが考えもつかないような生き物がたくさんいるのです。でも「へん」というのは形がかわっているだけではありません。小さな子供から大人まで「かわいい!」と人気のラッコだって収録されています。どこが「へん」なのか是非読んで下さい。でも、もしかしたら人間という生き物が一番「へん」で「危ない」のかもしれません。
武田由起子/梅田本店

9位

推薦コメント
あなたの一番大切な人が突然この世からいなくなってしまったら…。親友を失った事で苦しみ、一度は生きる希望までも無くしてしまい深い暗闇のなかで自分を追い詰めてしまうが、心から死んでしまった誰かを思うとき、その誰かはこの世界とつながることができるということに気付き、新たな希望を抱いて立ち直っていく少年の姿に胸をうたれます!「世界の果てまでいって最後の力の一滴がかれるまで生きよう」という言葉に「生きる」ことの尊さを考えさせられます!
古川路代/福岡本店
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人はどんなに悲しくて辛いことがあっても、いつか自分の人生に戻っていこうとします。うつむいていた顔を上げて歩きだす人々の姿を書いた7つの泣ける短編集です。なかでも池田小学校の事件をもとに書いた「約束」は心にずんとくるものがありました。
高橋典子/梅田本店
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10位

推薦コメント
あなたが好き。あなたといると、いつも魂が揺さぶられるようなステキな瞬間に出合えるのだもん。絵を描くことが大好きで少し大人びた14才の少女・夕子は、美術教室の先生で、誠実な20代後半の男性・キュウくんに恋をします。他の人には見えない光景を見る二人は心のキョリを縮めていきます。前向きに頑張る主人公の少女のキラキラひかる純粋なキモチにひかれます。
足立佳織/大津店
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おおげさだけど、恋ってすばらしいし、とても幸せ。世の中にはこんなにもたくさんの人がいて、そんななかでたった一人の人をすきになる。それは偶然にみえる奇跡。なによりも、すきな人を今まで以上にすきになれて、私はすごくドキドキしています。
松尾真歩/福岡本店
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11位

推薦コメント
「この地球では いつもどこかで朝がはじまっている」小学生だった私はこの朝リレーの詩を学んだとき、何か楽しくてワクワクするような、想像すると笑ってしまうような気持ちになった。この本はそんな幼い頃の思いを何倍も形で思い出させてくれる。“あさがくるっていうのは、あたりまえのようでいて、じつはすごくすてきなこと”素直にそう思える素敵な一冊です。
黒田陽子/福井店

12位

推薦コメント
ウルトラマンより でかい大仏、観音様が日本のあちこちにそびえている。しかも山奥ではなく普通の町なかである。人々は多くを語らず、ガイドブックにもあまり載っていない。今にも歩きだしそうな、ぬっとフロをのぞきそうな 彼(彼女)の目的は何か。人類に未来はあるのか!青空をバックにすがすがしい違和感をたたえる お茶目な彼らに会いに行こう。
川口健人/新宿南店

13位

推薦コメント
ちょっと気の弱い主人公・佐伯くんは、クラスメイトの佐藤さんが怖い。理由は、その彼女に憑いているモノ。だから近よりたくないはずなのに、ある日から2人の深い付き合いが始まります。同時に、守護霊安土さんにも付きまとわれて……楽しさ◎。登場人物それぞれがかかえる問題に考えさせられるお話でもあります。みんなの心の変化に注目してください。高校時代に戻りたくなりました……。
グランドビル店/齊藤敦子

推薦コメント
“オレ流”?“for the flag”?“勝ちたいんや”?違います。これからは“マネー・ボール”です。打率4割より出塁率5割の方が良い選手、打点はどうでも良い、盗塁上がりホームラン……データ野球を越えた超データ野球論。4番バッターを集めて白い目で見られる某球団のやり方もあながち間違っていないかも……。
掛見聡/本町店
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メジャーリ-グきっての貧乏球団アスレチックスがなぜ勝ち続け、毎年プレーオフに進むのか?その秘密はデータを徹底利用したGMビリー・ビーンの野球観にある。投手の評価基準は、勝利数でも防御率でもなく、与四死球数・奪三振数・被長打数の3つだけ、打者は打率や打点よりも出塁率がすべて、と言い放つ。そしてこのポリシーに合った(意外と他球団から有望視されていない)選手を揃え、少ない資金で常勝集団をつくりだす。日本のプロ野球運営問題についても考えさせられるタイムリーな一冊。
森弘光/梅田本店
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推薦コメント
クジラ並に巨大化したペンギン、島ほどもあるクラゲ、光合成する虫、一見荒唐無稽に見える動物達。しかし、これらは科学的な考証を元にした実現の可能性のある未来の生物なのです。CGを利用した奇麗な図のおかげで読書中もイメージが膨らみます。ページが進むたびに、登場する生物の不思議度もぐんぐん増えて行きます。さあ、あなたも驚異の世界を覗いてみませんか?
山本真一郎/札幌本店

16位

推薦コメント
「女の負け犬……?ケンカ売ってるのか……?」売られたケンカは買うぞー!という心意気で読み始めたら大いに笑って大いに共感してしまった。人生色々、女も色々。「女の生き方」について熱く語り合いたくなる1冊です。
渡辺祐子/渋谷店
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私ももうすぐ“負け犬”になってしまう。「うんうん」とうなづく点は数多くありました。でもオス(男)の“負け犬”もいるのには笑えました。
森川裕子/福岡本店
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推薦コメント
もっさい兄さんたちのトホホな学生ライフ!「脳内妄想も度を越せば、ファンタジーになるのね」と、妙な感慨を抱かせるこの怪作。実はホントに日本ファンタジーノベル大賞を受賞しております。難しいリクツは抜きにして、流されるまま読んで下さい。なさけなくて、苛立たしくて、そのうち何だか笑えてきます。
小出和代/新宿本店
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大学生の日常譚とも妄想譚ともつかない、暴走しまくりの青春小説です。主人公は、休学し、別れた彼女をつけ回す自意識過剰な京大生。誰もが覚えのある、青春時代の勘違いを自嘲的に描いていて失笑苦笑がとまりません。独特の文体も、はまればクセになること間違いなしです。一筋縄ではいかないけれど、一気読みできてしまう不思議な作品。
今井麻夕美/新宿本店
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18位

推薦コメント
ページをめくる毎に子供の頃の記憶が蘇ります。何事にも夢中だったあの頃 読み終わったら清々しい気分になれます!
上田寛治/ロフト名古屋店

19位

推薦コメント
テーブルの上の空論から広がっていく物語。雑誌のようで絵本のようで、雑誌でも絵本でもない本。無駄に思えることが無駄ではなかったり、愛しく思えたり。とても不思議な本です。たっぷり時間をかけて読むことをおススめします。
小副川麻美/福岡本店

20位

推薦コメント
この本を今晩酒の肴に、ストレス解消しようとしたアナタ!”残念ながら”、これはそんな矮小な本ではありません。巷にあふれるビジネス自己啓発本でもありません。「会社に代表される日本の組織がおかしくなった」のは何故か?そして著者が問う「やせた現場」とは……?「それで日本はどうするのか。」???働く全ての皆様に、いや日本人全員に読んでいただきたい、693(税込)でございます。
早勢美貴/札幌本店
※コメント中の価格は当時

21位

推薦コメント
骨の折れた傘のような主人公と図書館の神様?の不思議な出合いで物語が始まってゆきます。二人の間に流れる絶妙な時間。手にする方にぜひ!真冬に飲むサイダーの味をこの二人と共に味わっていただきたい……。
細田順子/川越店

推薦コメント
半世紀を経てなお多くの謎を残している事件がある。「闇」の奥の糸を手繰り寄せては押し返される大きな歴史の流れの中で真実を掴むことができたのか?昭和史最大の謎は解明されたのか?知らないより知ったほうがいい?ジグソーパズルは完成したのか?
大場由美子/札幌本店
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下山事件そのものすら私は知らなかった。故に、事件を一から掘り起こし、のめりこんでいく著者の姿に、こちらもいっしょに夢中になってしまった。まさに「下山病」に伝染されるが如く。さらに、この本の魅力として、現在のマスコミの在り様が興味深く書かれていることが挙げられる。著者は当初、取材結果を映像として発表しようとするが結局ボツ。さらに、某週刊誌に連載するも……。事件解決メデタシメデタシでは終わらないリアルさが心に残る。
木島朋子/新宿本店
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推薦コメント
衝撃的なタイトルにリアルな性描写。内容は全て事実であり筆者の熱心な取材と熱意が伝わる一冊。最後には著者自身の幼少の頃の性虐待の経験まで綴られている。障害者への性介護に賛否両論があって当然なのだが、読み続けるうちに、障害の有無に関わらず、性について考えられ続けることに意味があるのではないかと思った。
八木祥/高槻店

24位

推薦コメント
臨場感あふれる警察小説です。幾多の困難に立ち向かう主人公・巻島。孤立しそうな巻島を全力で助ける数少ない部下。読んでいて、自分も捜査に参加し、少しでも巻島の手助けをしたいと思いました。確固たる意志を持った本当の男・巻島がそこにいます。
藤井嘉人/大津店

推薦コメント
「超愛してる」ということ(についてのこと)が、独特の文体でストレートに、SFに、詩的に、文学的に(←重要)書かれています。茶化して読むこともできますし、これは真実ではない、と言うこともできるでしょう。でも私は、舞城王太郎を信じていますし、舞城文学のリアリティを「愛して」ます。ぬるい私の頭をぎゃぼーんと起こした舞城文学。もう舞城”前”には戻れません。ゴー!マイジョウゴー!
大津店/青木友香

推薦コメント
淡々と夜が更け、淡々と夜が明けていく。それだけなのにひきこまれる。たった一晩のドラマに登場人物の人生が凝縮される。できるものならもう少しだけ、続きが読みたい。
松井清正/熊本光の森店

27位

推薦コメント
これを読んで「あ~、いるな。こんな人」と思ったあなた。実は気付かないだけで、あなたもこんな話し方をしている?! バカに見えない話し方の極意、教えます!!
石田美恵子/福岡天神店

28位

推薦コメント
「言いまちがいっていう本ありますか?」とお客様によく聞かれた。残念ながらタイトルをまつがって覚えているお客様が多かったです。ただまつがっているのはタイトルだけにあらず。本の角が一片だけ丸かったり、裁断が斜めだったり、とにかくみんなまつがいだらけ。本気でまつがうのはこんなにもおもしろい。
伊達明子/札幌本店

29位

推薦コメント
種を蒔いても、きちんといつも手を入れて地盤を作っていなければ芽はでない。チャンスを与えられても受け止めるだけの地盤ができていなければそのチャンスから幸福は芽生えない。“その時”に備えて毎日焦らず自分を耕していきたくなる、そんなお話。
鹿野珠美/福岡天神店

30位

推薦コメント
新世界の神になると称し犯罪者に裁きを下す夜神月。数々の難事件を解決してきた世界警察の影のトップ・L。追われる月と追うLの頭脳と心理のぶつかり合いは緊張感があり読みごたえ十分。スピード感ある展開に、人物の気持ちが伝わってくるすばらしくキレイな絵が加わることで迫力も倍増!必読です!!
柴田裕紀子/阪急32番街店

特別賞

推薦コメント
なんで自分だけこんなに我慢しなきゃならないんだ!!」なんて思っているアナタ。なんか心がにごにごしているアナタ。この本を読んでみて下さい。自分の思ったように生きるということは、こんなにもエネルギーが必要なことなのです。さぁ!!みんなで“悪党”になろう!!
佐藤妙子/グランドビル店

番外編 小説

推薦コメント
「こんなに素晴らしい人たちがいたんだ!読み進むうちに「なぜ?」とつぶやき、「なぜ!」と叫ぶ。人間の愚かさと思い込みの恐さを今さらのように心に刻む。かけがえのないものをどれほどたくさん捨ててしまったのか?いつのまにか北海道の民宿に泊まり暖かいストーブを囲んで物語を聞いている自分がいた。
秋田元二/松山店

推薦コメント
私は本が好きで好きで、本屋になりたくて、紀伊國屋を受けて、入社しました。けれど忙しい日々の中で、だんだんと本に対する愛着は、失われて行きました。そんな時、ある先輩が目をキラキラと輝かせて、この『世界のすべての七月』を私に教えてくれたのです。私は入社3年目ですが、こんなにも自分を助けてくれた本に出会えた事を、とても幸せだと思います。例えば夏の日。プール帰りのあの感じ。体のしんが熱くなる小説です。
松下陽一郎/新潟店

推薦コメント
サラリーマンの悲哀を人情味たっぷりにユーモアを交え、独特の荻原節で書き上げた。結局私達サラリーマンは同じ場所をくるくる廻るメリーゴーランドの様なものなのかもしれない。でもね、乗っていると楽しいんですよね、メリーゴーランド。共に頑張ろうぜぃ、宮仕え。
百々典孝/本町店

番外編 評論

推薦コメント
こういう本を読む時、必ず9.11以降に書かれた本だと思って読むことにしています。答えは書いてないかもしれない。答えは自分で見つけなければいけません。読書とはそういうものだと思います。
北村貴克/梅田本店

推薦コメント
○上司と一緒に食事に行った場合は上司より高いものを頼んではいけない。
○プレゼントをもらったときは必ずお返しをしなければならない。
○日本では法律の条文どおりに進めようとするとヒナンされる。
なぜか(世間では)「そういうことになっている」、その構造を解き明かした名著。
福島 誠/札幌本店

推薦コメント
文学賞=権威の象徴と思っていたのに、「芥川賞は目利きじゃない」「直木賞は賞を与えるタイミングを間違えている」とバッサリ。選考委員に対するツッコミにも笑いが止まりません。日本の文学賞は約500もありますが、この一冊でもう惑わされない!
今井麻夕美/新宿本店

推薦コメント
「負ける」というタイトルの言葉には、決してネガティブな意味が込められているわけではないものの、根本的に重厚長大産業である建築に対し著者が様々な限界を見出していることは確かなようです。ケインズ経済やバブル経済など、これまで建築を支えてきた経済的裏づけが失効した現在、建築にはどのような道が残されているのか。私のようなズブの素人でも引き込まれてしまうくらい、広くて深い著者の洞察に勉強させられます。
森永達三/梅田本店

番外編 ノンフィクション

推薦コメント
一日の大部分の時間を仕事に費やすからには、少しでも納得のいく仕事ができたらいいと思う。もっと若いころは「天職」とか考えたものだが、仕事って「何を」だけじゃなくて、「どんなふうに」「誰と」やるかが、それ以上に大事ではないかと思えてきた。紹介されている「仕事人」は、いわゆる「クリエイティブ゙な」仕事の人たちが多いのだが、印象に残ったのは、停車場所に工夫を重ねたことで予約が埋まるようになったタクシー運転手の話だった。
有馬由起子/出版部

推薦コメント
われわれは、みな間違いで今ここにいる。レオナルド・ダ・ヴィンチも、ネアンデルタール人も、カエルもダニも。間違いで偶然生命が生まれ、DNAを誤ってコピーし、生命が進化する。弟子を選び損ねたキリスト。インドを目指して出航したコロンブス。人類と生命の歴史はヘマの歴史である!!
火口徹也/岡山店

番外編 エッセイ

推薦コメント
大切な人が余命1年と宣告されたら。いったい自分は何ができるというのだろう。小説家の夫は妻のためだけに一日一篇のお話を書き続けることを約束しました。5年間で1778篇。その中の19篇と40年以上にわたる結婚生活が淡々と綴られています。切ないけれど悲しいだけで終わらない、夫婦愛のいっぱいつまった一冊です。最後の原稿の最後の行―「また一緒に暮らしましょう」。こんな風になれるなら、結婚って、夫婦って素晴らしい!
塩入加奈子/梅田本店

推薦コメント
こういう私的な回顧ものを読むと、その人の成り立ち=ネタ元がよくわかる。宗教学専攻でソウル留学経験があり、サイードの翻訳もしているけれど、今は映画史を生業としているヘンな大学教授はこうして生れた!68年はよく言われるように「革命の年」だ。同時に構造主義も原将人の自主映画も寺山修司の演劇もマンガ雑誌ガロも全部リアルタイムだった。ものすごく分厚い時代だった。僕たちが50歳になる10数年後、高校生だった80年代後半をどのように回顧できるだろうか?
奥平亨/経理部

番外編 教養

推薦コメント
失われつつある、昔ながらの数え方をジャンル別に特徴をまとめた一冊。日本語表現の豊かさ、古くからの日本語を財産として残しておきたいです。今日からはなんでも「1個」では恥ずかしくなる。
高木千春/福井店

推薦コメント
とにかく付属のCDが楽しい。なんと2枚組で150分もあるのだ。BGMにしても良し、全くクラシックが初めての人でも名曲をすぐ覚えることが出来る。なにせさわりなんだから。気に入らなかった曲はすぐ忘れてね。なにせさわりだけだから。
M.H./松山店

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