紀伊國屋書店:キノベス!2003

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キノベス!2003

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キノベス!2003 第1位『博士の愛した数式』小川洋子/新潮社

博士の愛した数式

 

キノベス10位内に2作品がランクされた
伊坂幸太郎さん 特別寄稿

書店にまつわる小噺あるいは、教訓の得られない例話

 店のドアが開いた、と思ったら、」ずかずかと彼女が店内に入ってきた。僕の向かいの席に座ったとたんに、挨拶もなく、すごい剣幕ではなしはじめる。
 ひと通り彼女が喋り終わったところで、僕はようやく口を挟めた。「つまり」と彼女にフォークを向ける。「つまり、君はストーカーに悩まされているわけだ」
 市内にある、イタリアンレストランだった。手の込んだ料理が出るわりに、『値段も安く、僕はここのランチを一人で食べるのが好きだった。
「ストーカーという呼び方は好きじゃないの」と彼女が口を尖らせる。「タルコフスキーの映画に、ストーカーっていう傑作があるから、いっしょにされたくないんだよね」
「そうやって、自分の好きな固有名詞を偉そうに述べるのはやめたほうがいいよ」
「あなただって、よくやるじゃない。人のふり見て我がふり直せ、って言葉知ってる?」
「ああそう」僕はもう面倒臭くて仕方がない。
「とにかくその男がさ、ホントしつこいの。いつの間にか書店に来るようになってたんだよね。わたしの顔見て、にやにやしてるの」
「その彼は、本は買わないの?」
「本屋には本しかないでしょ。で、レジにいるわたしに近づくには、本を買うほかないじゃない。だから、毎日、買っていくんだよね」
「お得意さんじゃないか」
「迷惑なんだってば。私の顔を見ると、嬉しそうに喋るんだから。『この本、面白いですね』とかさ、『この続編は置いていないんですか』とか」「ひどい言葉には思えないけどな」
「買った本は全部読んでるみたいで、最近はやたら、詳しくなっちゃてるわけ。 『三島由紀夫に爽快な犯罪小説を書いてほしかったですよね』とか、『中上健次の短編“隆男と美津子”はミステリですね』とか、うるさいったらないわけ。しまいには、『この文庫本の隣にこの単行本を置いたら売れますよ』とか、『この本とこのノンフィクションは客層が一緒ですよ』とか、『こういうポップを掲げたら、客は手にとりますよ』とか言ってさ」
 僕は、フォークを突き出したまま、「へえ」とか「ふうん」の中間のような声を発する。
「しかもさ」彼女はむくれた顔で、「言うとおりにやってみると、これが売れちゃうわけ。本当に、お客さんが本を手に取っていくんだよね。頭きちゃうでしょ」
「あのさ」剣幕に圧されながら、言う。
「何?」彼女は鼻息が荒い。
「その彼はさ」僕は遠慮しながらも、つづけた。「もはや、ストーカーとか、おとくいさんとか、そういうものではなくてさ」
「何よ」
「書店の救世主と呼びべきじゃないのかな」
「何それ、他人事みたいな言い方じゃない。わたしがつけまわされてるんだよ」
「他人事も何も、僕たちは他人じゃないか」
「そういう言い方ってひどくない?」
「それ以上、近づいたら刺すからね」僕は、二年前から僕を付け回すストーカーの女性、つまり目の前の女性に、フォークを向ける。人のふり見て我がふり直せって。

伊坂幸太郎さん(キノベス!2003)

伊坂幸太郎 (いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれ。1995年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デヴュー。2002年刊行の『ラッシュライフ』が各紙誌で絶賛され、好評を博す。2003年に発表した『重力ピエロ』は、ミステリファン以外の読者からも喝采をもって迎えられ、一気に読者層を広げた。また『重力ピエロ』で、70年代生まれとしては、初の直木賞の候補となる。

*プロフィールは当時のものです。

次点作品
ランクインならず。でも、こんなタイトルも読まれています。


キノベス!2003

(第1回)
*推薦コメントの執筆者名に併記されている所属部署は当時のものです。現在は閉店している店舗もあります。

BOOKS KINOKUNIYA BEST(キノベス10) 🥇 1位 🥇

推薦コメント
あらかじめ失われることが前提の物語は、おとぎ話というにはあまりに切なく暖かい。毎日記憶がリセットしてしまう老数学者と,そこに通うことになった家政婦の私、阪神タイガースファンの息子10歳。3人で過ごした奇跡のような1年とその後。最初のページから予感にあふれています。美しい物語です。いつかすべてを忘れ去ったとしても、たとえ別れの日が来ようとも、他人をここまで大切に思えるなら、あのやさしい日々は確かにあったし、思い出せばいつでも暖かな気持ちになれる。そんな出会いがこの本の中にはあります。
平野/新宿本店

BOOKS KINOKUNIYA BEST(キノベス10) 🥈 2位 🥈

推薦コメント
18年前の日航機墜落事故、新聞社での紙面づくり、親子の葛藤を通じ、男の人生とは何か?横山秀夫氏の答がここにあります。仕事に、親子関係に、そして人生に少し疲れた方にこそ是非お薦め。
百々典孝/本町店
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友情とは、家族とは、会社とは。世の中の不条理と人と人とのつながりを見事に描き切った小説。トイレに行くことさえ我慢して一気に読んでしまいたい圧倒的なおもしろさ。読み終わった後、思わず微笑んでしまう、心の爽快感がたまらない!
秋田元二/松山店
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BOOKS KINOKUNIYA BEST(キノベス10) 🥉 3位 🥉

推薦コメント
秩序に対して人はどうあるべきか。なんて、そんな重いことまでも軽く書き上げてしまったすごい小説。主人公と犯罪によって生まれた弟と父と亡くなった母の家族の絆がとてもあたたかい。スタイリッシュでユーモアある文体に冒頭一行目から虜になります。
小田夏芽/本町店
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ちっとも泣けない感動的な話。とは著者の言葉ですが、“感動”というのが涙なしで実感できるものなんだと思いしらされた1冊。
岸田安見/本町店
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BOOKS KINOKUNIYA BEST(キノベス10) 4位

推薦コメント
正直、よしもとばななに興味は無かった。実のところこの本を読むつもりも全く無かった。ある書評の一文を目にするまでは。「“ベストセラー作家”というつまらない理由だけで彼女の本を読んでいない人も、この本は読んだ方がいい」。身におぼえのある私は早速読んでみた。想像していた以上に素晴らしかった。不覚にも電車の中で涙してしまった程に。世の中の天邪鬼な人達に言いたい。「この小説を読まないなんて本当に勿体ない!」
新妻/東京オペラシティ店

BOOKS KINOKUNIYA BEST(キノベス10) 5位

推薦コメント
こんな間取り見たことない!!とりあえず、めくって見て下さい。ほんとに変な間取りばかりです。しかも、そのすべてがこの世に実在するのでびっくり!まず部屋を想像して、人が住んでいると思うとおもしろい。さらに著者の一言コメント(つっこみ)でまちがいなく笑えます!!
瓜生/福岡本店

BOOKS KINOKUNIYA BEST(キノベス10) 6位

推薦コメント
人間嘘発見器、演説名人、天才スリ、精密体内時計。こんな4人が集まれば、そりゃ銀行も襲うでしょ。スカッとしたい方はこれしかおすすめできません。俺も仲間に入れてくれ!
百々典孝/本町店
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やっと時代が伊坂幸太郎に追いついた。ぼくらの世代はようやく同時代の文学を手に入れた。「スティング」よりもリズミカルで「踊る大捜査線」よりもコミカル。はりめぐらされた伏線が最後にピタリとはまる、この快感!
星真一/グランドビル店
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推薦コメント
幼い頃「わたしは何者だろう……?」「私って、自分って何だろう」と思っていたことを強烈に思い出した。答えはないけれど、だからこそ考えることが大切だと教えてくれました。自分を崇める本、ココにあり。
中本/梅田本店
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読み終えた後、誰に良くみられる為でもなく、「自分の為に、自分なりの美学を持ち、凛として生きようとする新しい自分に出会えるかもしれない。
鹿野/福岡天神店
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BOOKS KINOKUNIYA BEST(キノベス10) 8位

推薦コメント
経済書を読んで、久し振りにすっきりとした、明るい気持になった。少し長い時間の流れのなかで、経済や会社の現在と未来を考える、このような本が今まであまりに少なかったように思う。著者は理論経済学者であり、内容も極めて原理主義的。短期的な局面では逆の現象や反論もあり得るだろうが、歴史を見つめ、日本の会社の将来に期待を馳せる内容はビジネスマンやビジネスウーマンに対する応援歌に読めた。「ですます調」の文体も読みやすく、だいぶ頭が固くなっている私でも殆ど一気に読めてしまった。さすが、「小林秀雄賞」受賞作。
m.i/新宿本店

BOOKS KINOKUNIYA BEST(キノベス10) 9位

推薦コメント
まるで1冊の本が長いラブレターのように、切なかった。この気持ちを他の人とも共有したい、そう強く感じたので選びました。誰かを大切に想うこと、想われることの尊さ、素晴らしさを感じずにはいられない作品です。
雑誌担当/京橋店

BOOKS KINOKUNIYA BEST(キノベス10) 10位

推薦コメント
我々は父のことをどれくらい知っているだろうか。父の父としての面しか見ていないのではないだろうか。著者は父が残した俳句の中に、今まで知らなかった姿を見出し、父の原点に、そして自らの原点に立ち帰る。無名の生・無名の死の潔さ・美しさが胸にしみる1冊。
中納/西神店

次点作品

推薦コメント
“痛快”とはまさにこのことか!と、この本を読んで感じました。中年男性の、それもしょうもない男性が家族のため体を張って戦う姿がなんとも涙をそそってしまう。(おかし涙も!!)また、とりまく少年達がなんとたくましくかっこいい事か……。とにかく読み終えたらスッキリする事間違いなしです。
本田/熊本店

推薦コメント
これぞ大人の小説!丸谷才一の集大成とも言うべき傑作。思わず拍手喝采したくなるシーンや思考の淵に落とされる話が次から次に展開。教養とムダ知識が混ざり合い、読む者に新しい世界を聞いてくれる。久しぶりに小説を読んだ、と思わず満足。
秋田元二/松山店

推薦コメント
兎に角“一目惚れ”――これがこの本を手にした理由である。通勤電車でも手に馴染む判型、紙質、少々歪んだタイトル……全てに「ピン!」と来てしまった。ページを開けばカラー写真満載、手書きイラスト多数、本文の文字は敢えて「タネ」を連想させる茶色。内容にも不足はない。タネを科学し、食の安全から身土不二の思想、果てはスローライフまでを語る。そして何よりも事実、わが家でもアボカドのタネがわずか4ヶ月で30cmほどの立派な観葉植物へ!!「タネから芽が出る」そんな当たり前なことを実感できる素敵な本でした。
神谷舞/新宿南店

推薦コメント
自転車修理工からのたたき上げの馬王。謎めいた野生馬馴らしの寡黙な調教師、片目が不自由な騎手、そして脚の曲がった小さな馬シービスケット。登場人物の設定だけで涙があふれ出そうな話。競馬をただのギャンブルと考えていた人もこの本を読めば興味を持つはずです。
竹下/福岡天神店
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1930年代、日本競馬がまだ黎明期の頃、アメリカにシービスケットという馬がいた。競馬ファンでありながら、この馬の存在を知らなかったことが恥ずかしい。
藤井嘉人/大津店
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推薦コメント
150cmだっていいじゃない!! 背が低いとなにかと不自由。でも背が低いとなにかと得をする……。低い目線で見る日常生活。ブーツをはくだけで見る世界が変わったり、エスカレーターで上の段になって背の高い人気分を味わったり。ほのぼのしながら150cmライフを味わって下さい。
津村/岡山店

推薦コメント
主人公の小学校から高校までのあらゆる思い出がつまった一冊。それは女性の読者ならば、皆自分のことが書かれているように感じることでしょう。主人公と一緒に今までの自分を振り返るきっかけになるはずです。そして人はさまざまな人やものと関わりながら自分で人生の道を決めていくのだとわかってくる。もっと自由に生きていいのだと勇気と元気がわいてくる本です。
安藤/新宿本店

推薦コメント
短編集というより、傑作集です。私はこの『ZOO』を読み終わったあとに、「すごすぎる!」と深くうなずいてしまいました。ミステリーだけではなく、笑える話もあるんです。乙一を知っている人にも、「乙一って誰?」と思った人にも大オススメの1冊です。絶対おもしろいです!
田中/札幌本店

推薦コメント
外国人との生活ってこんなに楽しいの!!?こんなダーリンを私にも!!ってつい思っちゃった一冊でした。とにかく絵がかわいい!!内容も笑えちゃう!!読んでハッピーになれる事間違いなしです。
山崎/川越店

推薦コメント
驚きました!やられました。面白すぎ。タイトルも話の流れもすごくスマートで奥深い。登場人物の魅力も充分。これを読まずして何を読む!?生きる希望が、生きる意味が、生きる価値が、そして生きる勇気があふれてきます。
岸田安見/本町店

推薦コメント
「理系人への応援歌」これがこの本のモチーフ。モノづくりで生きてきた日本経済を支えてきたのは主に理系の科学技術者。しかし実際は文系が主導してきた日本社会。そして子供の理科離れ……。そんな時ノーベル賞連続受賞というニュース。はたして理系人はどうなるのか。
竹友/広島店

推薦コメント
タイトルのわりに内容が硬くて読みにくそう?「バカの壁」をつくらず是非読んでみて下さい。自分がいかに知ってるつもりで生きてきたかわかります。がこの本の中にはあります。
総務担当/京橋店

推薦コメント
どうして女は何年もの間、一人の男を思い続けていられるのだろうか。どうして男は命をかけてまで、一人の女を探し続けるのだろうか。どうして人はこれほどまで人を愛するのだろうか。そう感じずにはいられない純愛小説です。
王丸聖子/福岡本店
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本当に切ない物語です。ただの純愛小説ではない、残酷すぎるてんかいにおどろきつつもどんどんはまってしまいました。本を読んで涙することは滅多にない私ですが、この作品は泣きました。泣けました。
坂口絵梨子/高槻店
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推薦コメント
本を読んでいると音楽が流れてくる。そんな本はあるものだと思う。この本を読んでいて流れてきたのは、ブルーハーツの「夕暮れ」だった。登場してくる人達1人1人がそれぞれバランスをとりながら毎日を過している。不安定な中をそれでも歩いているのだ。そして主人公の翠は最後に「光ってみえるもの」を見るのだ。読んだ後に「はっきりさせなくてもいい……。」というメロディーが浮かんでくる。そんな淡い物語である。
伊藤/札幌本店

推薦コメント
気鋭の政治学者姜尚中氏と、気鋭の博打渡世人森巣博氏の対話から、日本が、世の中が見えてしまう。ふたりの痛快かつ真剣なやり取りで、ナショナリズム克服の可能性が面白く手軽に読めてしまう。テーマは決して軽いものではないのだが、肩の力を抜いて呼んでみるのに最適の1冊。
和泉仁士/新宿本店
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在日韓国・朝鮮人である姜尚中氏と、何にもとらわれない生涯を送るオーストラリア在住日本人森巣博氏がそれぞれの視点から現在の世界情勢の混沌を明るみに出す。互いの主張を補い、対立させながら進められる対談は、政治や経済の話題に疎い人でも手に取りやすくなっていると思います。
比嘉/福岡天神店
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推薦コメント
訳者の村上春樹氏が語っているようにこの本はむしろ大人になってしまったひとにこそ読んでほしい一冊です。大人になる過程で失ったものをホールデンは僕たちに呼び覚まさせてくれます。そしてその代償として何を手に入れたか(あるいは手に入れるべきか)ということを読後に考えるのは決して無意味ではないでしょう。
橋本/渋谷店

推薦コメント
「殺人未遂に問われ、中国に密航した彼。30年ぶりに還ってきた東京で彼が見たものは。」手塚治虫・星新一・ロバート・A・ハインライン「夏への扉」……あの頃沢山の作家たちが来るべき未来を夢みて、想像して様々な小説を書きました。そして時代がその空想に追いつき追いこそうとしている現在、待っていたのはバラ色の生活?色あせた現実?凝った装丁に魅かれて手にとった人、ぜひ。タイトルの懐かしいフレーズが思わず気になった人ぜひ。そして最初の数ページを読んでみて“これは!!”とひっかかるものを感じた人は絶対。本を読む楽しさと深さがずっしり詰まった本なのです。オススメ!!
平野千恵子/新宿本店

推薦コメント
カフカ、イソップ、ランボー、川上弘美に村上春樹、内田百聞に芥川……。古今東西から集められた短い短いお話。本当に「あっ!!」という間に読めてしまう短編ばかり。どこから読んでも面白い。さてカップラーメンができるまで、いくつ読めるかな?
横田麗子/松山店

推薦コメント
各地を廻って不味いものに出合った。本当に不味い。うんー、こんなに不味いものが沢山あるとは。小泉先生の不味さの薀蓄が満載。あまりの不味さに笑えます。
悦子/札幌本店

推薦コメント
果たして、「人間らしさ」とは何か?現代日本社会をユニークな視点で斬りこむ快作。
二宮新一/新宿南店

推薦コメント
あ、違います。ケーキの本じゃありません。小説あり、写真集あり、絵本あり……クラフト・エヴィング商會が作った12冊の小さな本が主役です。小さいながらも、ちょっと思いもつかないような、素敵な世界が楽しめますよ。ほんわかとしたこの温もりをあなたにも。
立石/福岡本店

推薦コメント
皆がよく分かったつもりになっていて、実はまったく分かっていないこと。小熊英二氏は『単一民族神話の起源』、『日本人の』などの著書によって、そのようなことを次々と明らかにしてきた。『と』では「民主」や「愛国」といった手垢がついたように感じられる言葉を新鮮に捉え直している。それらの言葉は「戦後」を語る上で重要なキーワードとなっている。戦後生まれだから「戦後」をよく知ったつもりになっている人には、特に読んでもらいたい1冊だ。
田中伸哉/新宿南店

推薦コメント
邦人カップルがドナウ川に入水自殺、男は33歳識者で女は19歳女子大生。このスキャンダラスにも聞こえる事件を覚えている人はいるだろうか。実際に起こった事件であり、2人の命が失われたのだから「面白い本」として推薦するのは適当でないかもしれないが、日本から遠く離れた地で静かに狂っていく男と若く美しい19歳の命を捧げた女の愛の形を丁寧に描いた本書にはページをめくる指がとまらない面白さがあり、是非一読をお薦めしたい。
野口/新宿本店
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今年一年で読んだ本の中で一番心を動かされた作品です。読みながら自分も追いつめられたように切なくなり本の中の登場人物たちをなんとか助けたいと願うような気持ちになりました。
清水/新宿本店
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推薦コメント
美談ではない。何せシカノはワガママだ。自分を「カリスマ」だと勘違いしているし、エロおやじだし。シカノは人工呼吸器をつけ24時間介助を受けて自立生活を営んでいる筋ジストロフィー者だ。ボランティアや有償の介助者たち離れていかないのか。離れていかないのだ。なぜ。読めばわかる。読んでも分からないかもしれない。
松野享一/洋書部

推薦コメント
1983年、47歳の若さでこの世を去って20年。今なお強いイメージを多く持つ不思議な男。万華鏡のように美しく怪しい一冊。『マッチ擦る つかのま海に霧ふかし 身捨つるほどの祖国はありや』しびれます。
徳光和子/松山店

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