紀伊國屋書店:キノベス!2020 紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめする2019年のベスト30

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キノベス!2020 紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめする2019年のベスト30

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キノベス!2020 第1位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
ブレイディみかこさん 特別寄稿

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

この本は特別な「わたしたちの本」です

 毎年そうであるように、さて、そろそろ「じんぶん大賞」の時期だ、どうなってるのかなあ……と考えていた年末、なぜか今年は「キノベス!」にも入っていて、しかも1位と知らされたときにはブライトンのバスの中でそっくり返りそうになりました(思わず「ファック」と言いました。人は嬉しい衝撃を受けたときにも「ファック」と言ってしまうものです)。

 垣根を越えてこっちにも来ちゃいました、みたいな跨ぎっぷりが我ながらいきなり過ぎると思ったので、第一声はFワードになりましたが、ジャンルレスな書き手になりたいと言い続けてきたわたしにとり、これほど名誉なことはありません。

 これまでいろんな本を出してきましたが、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、特別な一冊です。と言っても、内容的には、衝撃の新事実があるわけでもないし、社会の暗部を告発するものでも、新たな発見を啓蒙するものでもありません。人が死ぬ話でも、ラブストーリーでもなければ、セックスもドラッグもない(ロックンロールはちょっとあるかもしれません)地味な作品です。

 この本が特別なのは、「わたしの本」と言うより、「わたしたちの本」という感じがするところなのだと思います。ゲラの段階から書店員さんたちに励まされ、発売後は全国の売り場で熱く展開していただき、それが読者の方々にも伝わって、読んだ方がまた誰かに伝えてくださる。しかも、宣伝や帯に使われているコピーも実は書店員さんたちにいただいた感想から拝借した言葉です(けっして版元が怠けているわけではありません)。

 この本は、「本の売り場」という現場で働く方々と読者の方々に育てていただいた本です。そういう意味では、「グラスルーツ(草の根)」という、わたしがこだわり続けてきた言葉にもっとも近い本なのだと思います。

 諦めるのはまだ早い。という気持ちにわたし自身がさせられました。どうもありがとうございました。

ブレイディみかこさん キノベス!2020
ⓒ新潮社写真部

ブレイディ・みかこ
保育士・ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。県立修猷館高校卒。音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、96年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年に新潮ドキュメント賞を受賞し、大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞候補となった『子どもたちの階級闘争—ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)をはじめ、著書多数。最新作となる本作で、Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞、毎日出版文化賞 特別賞などを受賞している。

*プロフィールは当時のものです。

選考委員が選ぶ! 2019年の収穫

ベスト30を選んだ選考委員に、キノベス!2020には惜しくもランク外になってしまったものの個人的にはとってもオススメしたい1冊を挙げてもらいました。


キノベス!2020

(2018年12月〜2019年11月出版の新刊/第17回)
*推薦コメントの執筆者名に併記されている所属部署は当時のものです。現在は閉店している店舗もあります。

🥇 1位 🥇

推薦コメント
肌の色、貧富の差、価値観の違い…….日本でも日々、格差や分断が進む中で自分とは異なる他者を受け入れる事が何故こんなにも難しいのか、誰かを憎んだり疎ましく思うこの気持ちはどこから来るのだろう? 我が身を振り返って考えさせられました。「あいつの事嫌いだったけど、話してみたら意外と良いヤツだった」という事が子供にも大人にも起こるのが人生ってやつなんだよ、と教えてもらった気持ちです。
佐貫聡美/和書販売促進部
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発売当初から、紀伊國屋書店がいま一番読んでほしい本! とお薦めし続けている作品。「最初の1章・10分だけでも良いので読んで下さい」と出版社の言葉を信じて読んでみた所、エッセイが苦手な自分でも、とても読みやすく、息子君の言葉一つひとつが心に突き刺さり、気付けば最後まで読み終える。個人的には、息子君の言葉をまとめて本にして欲しい位です。
小川由起/笹塚店
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小気味よくユーモアセンスのある親子の会話に笑いつつ、涙ぐみながらも、自分自身の思考は偏りのあるものになっていたかもしれない、とどきりとする瞬間もあった。しかしそれらは決して押しつけがましいものではなく、寄り添ってくれるような心地よさを感じた。凝り固まった思考を柔らかくほぐすように、私のスイッチを回してくれた一冊です。
幸田悠/ゆめタウン徳島店
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🥈 2位 🥈

推薦コメント
こんな! ミステリー! 見たことないっっっ!! 誰もが知っている昔話とミステリーを組み合わせればこんなに面白いことに! こんな良いことづくしの小説が他にありますか! 続編もあれば良いのにと期待する作品。今読んでほしい!!!
辻󠄀本彩/梅田本店
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おとぎ話のパロディは数あれど、まさかこれほど緻密なミステリに仕上げることが出来るとは…….。死人が出ているのにどこかほっこり。けれどもやっぱりダークな一冊。
米本教助/梅田本店
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タイトルと表紙からとても気になる一冊。昔話の非現実さがありながら、アリバイや殺害方法はしっかり辻褄が合い、読み応えのあるミステリー。短編で読みやすいので、あまり本を読まない人にもおすすめ。
北村菖/富山店
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🥉 3位 🥉

推薦コメント
焦げるような熱さをともなう、生きた人間たちの物語だ。登場人物たちの設定も、彼らが置かれた環境も、物語の流れも、著者のこの文章しかないというところまで研ぎ澄まされた、簡潔で骨太な文体で描かれるからこそ、胸にぐいぐいと迫ってくる。全身全霊をかけて作った自信の家に誰も住んでいないという謎から始まった物語は、すべての思惑を回収した時、温かく美しい光を胸にともすだろう。
平野千恵子/ららぽーと豊洲店
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これしかない。これ以外にはない。こんな小説が読めるなら、何年何十年だって待ちます。私の言葉なんてこの美しい素晴らしさのなんの足しにもなりません。この先何年も何十年も読まれ続けてほしい作品です。
安倍香代/ゆめタウン徳島店
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あの『64』の刊行から6年ぶり、横山秀夫の最新作。設計した新築の家、顧客には喜んでもらえたのに家族はその家に住んでいなかった。一級建築士の主人公が、図らずも自らの生き方を見つけていく家族小説でもあるミステリー。横山秀夫の新境地。
近藤恵美子/札幌本店
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4位

推薦コメント
中国人作家のSF…….正直全く期待していませんでした。ごめんなさい! 読み始めこそ登場人物が中国人なので名前に違和感もありますが大丈夫!! 日本語読み主要人物の一覧表が封入されているので直ぐに慣れます。世界的に著名な科学者の相次ぐ自殺! 真相を求め翻弄される男! この時点でゾクゾクするなぞを解くカギはVRゲーム「三体」。自分が体感しているような感覚を覚える細かな描写! 翻訳された方には頭が下がります! スケール、発想、全てが予想を軽く超えてきました。SFファン、ゲーマーの方々はもちろんSFはちょっと…….という人にも読んでいただきたい。仕事に家事・育児…….1日が24時間では足りないと嘆きながらまさに寝る間も惜しんでの読了。しかも! この作品なんと続編があるんですっ! 続編の翻訳が待ち遠しい。
浦上かよ/徳島店
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文革期の中国を舞台に物語がスタートし、これは政治がらみの小難しいストーリー? と思っていたら、そんなことはない、地球外生命体やゲームの中の世界にまで飛び込んで目まぐるしい展開に全く飽きない。作者の想像力に脱水、ならぬ脱帽。
小松篤史/吉祥寺東急店
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5位

推薦コメント
法律はみんなを守るためにある。法律を知っていれば自分も大切に出来るし、相手の事も尊重できる。改めて法律はかっこいい存在なのだと思えた本。子供から大人まで幅広く読んで欲しい1冊。
米田香代/丸亀店
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どうして暴力がいけないのか、悪口を言ってはいけないのか、そんな疑問に対して子どもにちゃんと1から説明できない大人や、どうしていやなのか意見を強く言えない子どもたちはたくさんいます。そんな方にも親しみやすい文と絵で、身近なことと法律を結び付けて1から教えてくれる、深くて重みもありつつ優しくて分かりやすい素敵な法律の入門書です。友達の行為に対していやだなと思いつつ、どうしていやと思うのか説明できない、わからない自分が変なのかなと1人で悩む子がぜひ手に取って、お守りや武器にして欲しい1冊でもあり、手にとった子が自分の行動やまわりの友達の行動を見つめ直すきっかけとなって欲しい1冊です。
伊東沙耶香/グランドビル店
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6位

推薦コメント
馴染みのない水墨画。その水墨画がまるで目の前で描かれるよう。文章で絵が描かれていた。それもとびっきり綺麗な絵だった。
川俣めぐみ/横浜店
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新人作家とは思えないほどの描写力が素晴らしい作品です。文章を読んでいるのに、音が聞こえ、墨の香りや静寂を感じ、水墨画の世界に引き込まれていきます。芸術には興味がなかったのに、水墨画を実際に見てみたい!と思える作品です。水墨画家である著者の非凡な才能に脱帽しました。
伊藤奈穂子/セブンパークアリオ柏店
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7位

推薦コメント
他人からの善意や思いやりに打ちのめされた経験がある人に是非読んでもらいたい。SNSでつながる時代、そういった経験をもつ人は少なくないだろう。この作品に触れて少しでも前を向くことができればと願う。思いやりに満ちた社会が必ずしも正しいわけではないのだから。
岡田健/泉北店
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こんなにも切なくて、もどかしい感情は思春期にも感じた事なかった。誘拐犯と誘拐された少女。世間一般の常識では、間違いなく再会してはいけない2人。常識を外れても見守りたい2人がそこにいました。
山本紗綾/グランフロント大阪店
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優しさがうざったい。周りの「正しさ」が気持ち悪い。そんな表に出しづらい感情が生々しく表現された小説。夜ご飯をアイスクリームで済ませたくなります。
米本教助/梅田本店
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8位

推薦コメント
日々のニュースは世界情勢の様々な問題点を伝えることが多い。しかし、本書から明らかになるのは、世界はむしろ以前よりもよい方向に向かっているという事実である。もちろん残された問題に目を背けてよいわけではない。ただ少し視点を変えて世界を見ると新たな事実が見えてくる。本書はそんな凝り固まった我々の概念に新たな事実を吹き込む一冊としておすすめする。
長谷敦/厚別店
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私が出会った本の中で、最も易しい経済書です。貧困も地球温暖化も食糧問題も…….地球はお先真っ暗? いいえ、意外と人類は頑張ってます! 少しずつ世界は良くなっている。それがFACTFULNESSです。
大石理咲子/札幌本店
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9位

推薦コメント
物を公平に分けること、相手の立場になって考えることは、知識であり、教養であり、教育である、と感じた衝撃の一冊。だからといって、犯罪が許される訳ではないのも事実。特に子育てや教育に関わる方はぜひ。
髙橋幹子/国分寺店
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丸いケーキを3等分できない少年、凶悪な犯罪を犯しても「自分は優しい」と答える少年…….。私たちが「なぜこんなことを?」と思う行動をとる少年たちにはそうならざるをえない理由があった。どうしてこのような少年たちが生まれてしまうのか? 私たちはどうすればいいのか? 人との関わり方を改めて考えさせられる一冊。
中嶋彩乃/札幌本店
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10位

推薦コメント
ほっこり & 号泣。死という重たいテーマであるにもかかわらずこんなに優しく物語へと昇華できるのは小川糸さんだからだと思います。私も最期に訪れるならばライオンの家が良い。優しさで溢れていて、どうしようもなく疲れてしまっている身体に染み渡る作品です。
飯田稚菜/梅田本店
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小川糸さんの作品は、どれも舞台となる場所がすてきで、今回は瀬戸内の島。読み始めた瞬間から、糸さんの作り出すゆったりとした時間の流れる世界にひきこまれます。静かに涙が流れてしまう作品なので、電車内での読書はおすすめしません…….。
吉田奈津子/加古川店
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11位

推薦コメント
ラストのシーンに入った瞬間、発狂、絶叫の嵐。どう説明していいものか、ネタバレできない。ただ言えることは「翡翠ちゃんかわいい」。全てが伏線で何1つ見逃していないと思っても騙される! いいですか、絶対に"後ろ"から読まないでくださいね。
辻󠄀本彩/梅田本店

12位

推薦コメント
出席番号は男子の後、結婚したら姓を変える、子供ができたら今までのようには働けない―。何となくそんなものだと思っていた。この本を読むまでは。そしてそんな自分に愕然とする。なぜ変なことを変だと思わなくなっている? 怖い作品かもしれない。けれど、ぜひぜひ一度読んでみてほしいのです。
小迫朋香/久留米店

13位

推薦コメント
東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年、4歳の男の子が誘拐され、遺体となって発見された吉展ちゃん事件。本田靖春が傑作ノンフィクション『誘拐』で描いた、この実在の事件をモデルに、奥田英朗が想像力と筆力のすべてを遺憾なく発揮して書きあげた重厚なミステリは、松本清張を彷彿とさせる、地を這うような刑事ドラマ。本田や清張が生きていたら、ぜひとも感想を訊いてみたかった。
星真一/堺北花田店

14位

推薦コメント
タイトルからして秀逸! 「あ、これ、よく思う」と手に取らずにはいられませんでした。書かれているのは、イライラをコントロールするユニークで実践的な手法。絵本だからと、子供だけに読ませるのはもったいない。大人も読むべき!
北條由佳/梅田本店

15位

推薦コメント
加納さんの伏線の張り方はいつも絶妙で、回収されるその瞬間に膝を打つ事が多々ある。愛しいものを守る術を持つ故に我が身を差し出す殉教者のような役割と、タイトルの秀逸さに、泣いた。
北條由佳/梅田本店

16位

推薦コメント
2018年に事故で急逝したミリオンセラー作家の遺作。自らの子ども達へ向けて綴ったと思われる、自立して生きる為の知恵と助言が書かれています。これからひとり暮らしをする予定のある人。ない人。今ひとり暮らしをしている人。全ての人に手にとってもらいたい一冊です。NHKにて再現ドラマ化もされました。
吉澤梨絵/新潟店

17位

推薦コメント
気持ち悪くなって悶絶して笑って脳みそぶっとんで社会と人間を見る視点を揺さぶられまくる体験が1650円+税で得られるのはすごい事かもしれません。
千葉拓/ららぽーと横浜店

18位

推薦コメント
映画と演劇を年に200本観るシェイクスピア研究者による、フェミニスト批評の視点から昨今の名作映画や小説を読み解くエッセイ集。フェミニズム的視点のおもしろさはもちろん、名作をさらに深くひもとくツールとしての「批評」の楽しさを男女問わずに教えてくれる1冊です。女性ならではの、甘くて、ときにピリッと、そして爆発的なパワーを秘めた批評の世界へ飛び込むことができます。
阿波野茜/グランドビル店

19位

推薦コメント
もしこのシリーズに出会わないまま一生を終えていたら、墓の中でも後悔する。18年待てたことがむしろ誇らしい。生きてて良かった。ファンならこれ以上の説明不要、という世界。今は感謝しかありません。
奥野菜緒子/ゆめタウン廿日市店

20位

推薦コメント
「あぁ、これは私の未来を暗示したタイトルだ…….」「これは私のことだ…….」。だって(さすがにすぎるまではいかずとも)思ったことあるもの"店長っ!"て…….。絶対、自分が思ったということは他人からも思われるハズ。あぁ恐ろしい。親の心、子知らず。店長の思い、部下知らず。店長ごめんなさい。
穴久保香織/仙台店

21位

推薦コメント
忘れられないひとにまつわる鮮明な記憶。声や、色、匂い、手触り、体温まで、フラッシュバックのように集めたらこんな小説になるのではないか。忘れられるはずがない。夏といえばこの1冊、というほど鮮烈な読書だった。
奥野菜緒子/ゆめタウン廿日市店

22位

推薦コメント
実在した文楽の作者、近松半二の人生を書いた物語で本当に半二自身に話を聞いて書いたんじゃないかと感じるリアリティ。1人の人間の生き様と彼を取り巻く人々の人間ドラマに胸を打たれました。江戸時代に作られた浄瑠璃の物語が令和の今でも上演され、人々の心を動かしているという事実にも感動。浄瑠璃の知識がなくても楽しめる。読みだしたら「渦」の世界に引っ張り込まれてしまう名作。
立石直之/久留米店

23位

推薦コメント
おいおいおいおい!(×100)なんちゅうイケずなラストにロマンを見せてくれるのだ。競馬小説だけどいわゆるギャンブルものじゃない。人と馬、父と子の、絆と継承そして超克の物語。どんな熱狂も興奮もいつかは通り過ぎてしまうけど、一つだけ言えるのは、私(たち)の想像なんて予定調和なんて軽〜く飛び越えていくよね、早見和真って人は。きっと最後に叫んでしまうはず。いやー参った、嬉しい降参だ。
平野千恵子/ららぽーと豊洲店

24位

推薦コメント
まただ。また、裸だ。私の裸が晒される。また、朝井リョウに脱がされる。私は私を着て生きていて、誰にも見つからないようにしている。なのに、朝井リョウの人間を描く凄みに圧倒されて着ていた私は跡形もなく、私を私たらしめる何か、だけが晒され野放しにされてしまう。どうしてこんなことができるのだろう。どうしてこんな人間を描けるのだろう。どこまでをどんなふうに見ているのだろう。いつだって体が痺れるような恐怖と快感が一緒に押し寄せて、やっぱりどうしたって読まずにはいられない。
安倍香代/ゆめタウン徳島店

25位

推薦コメント
あ、好き……! センスが好き……!! タイトルが倒置法になっているのもいいし、キャラクターがみんなかわいい。好きすぎると語彙力無くなるというけれど、なんていうか……『血管に鳥肌が立ちそうなくらい』好き。私の細胞が求めている、この本を。
宮澤紗恵子/ららぽーと豊洲店

26位

推薦コメント
凄腕スパイの〈黄昏〉が任務(ミッション)の為に得た仮初(かりそめ)の家族。妻は殺し屋。娘は超能力者だった!! タイトル通りのスパイファミリーが巻き起こすドタバタが痛快! そしてアーニャがかわいくて癒されます。アーニャのかわいさに撃沈した書店員の私が全力でおすすめいたします。
長田路代/丸亀店

27位

推薦コメント
年を重ねてからの恋は、老いとか病気とか昔の過ちが否応なしに影を落として、太陽みたいな輝きはないけれど、月のように仄明るく残りの人生を照らす。大人になってずいぶん経ち、もう恋なんてと思いつつ、あと一度くらいしてみてもいい気になった。かなしい結末になるとしても。
小嶋早英子/セブンパークアリオ柏店

28位

推薦コメント
テレビで紹介されるなり、関東の書店を中心に完売店続出で「いけない難民」と呼ばれる人たちまで現れる程の人気ぶり! 文芸書担当としてはこの作品を無視できない! この著者からの挑戦とも言える作品は、多くのミステリーファンの心に火をつけた。
斉藤一弥/仙台店

29位

推薦コメント
「なんもしないけど傍にいる」そんな不思議なサービスを提供する"レンタルなんもしない人"。独特な人柄の彼と様々な依頼主との当時のやりとりが面白く、読むと自分の世界が広がるような一冊です。
田島沙季/札幌本店

30位

推薦コメント
文明とは、国とは、「生きる」とは何か。これは、アイヌや樺太の歴史の物語ではなく、その地で生きた人々の、一人一人の顔と温度を知るための物語だ。その熱に触れることで、私自身が今「生きている」ことを思い知る。
香川幸恵/ゆめタウン廿日市店

選考委員が選ぶ! 2019年の収穫

推薦コメント
今年のラグビー熱を盛り上げた1冊。ラグビーのルールを知らない私でも、その世界にぐんぐん引き込まれた。ラグビーの精神「One for all, all for one」という言葉が全世界に広まったと思う。
池田朋子/札幌本店

推薦コメント
当然のことながら、文明の進化は科学の進歩無くしてはありえない。150年前のNATUREがどのように、科学の切り口を見出していったのか? 宗教や社会のとのかかわり、女子への高等教育、国とのかかわり等非常に興味深い。当時の日本への言及もある。科学の視点でありながら社会の発展を見てきた。理系人間でなくとも、一読しても損はない。
伊藤京子/新潟店

推薦コメント
読んでいる間、すごく優しい気持ちになる。日常にある、ちょっと素敵な出来事とかきゅんとする何か、自分が大事にしていた事を思い出させてくれる本。何気ない想いに寄り添うような温かい短編集で、装丁も素晴らしくておすすめしたい1冊です。
加藤よしこ/武蔵小杉店

推薦コメント
心温まるお話やクスッと笑えるエピソード、街名通りゾッとする事件が詰まった「クリーピー・サイド」の住人の物語。カワイイとホラーがマーブルのように混ざった世界観に惹き込まれます。特別読切には心がギュッと摑まれ泣けました。
児玉聡美/アミュプラザおおいた店

推薦コメント
「頭は切れるが冷めてて、人望がない」という今まで抱いていた石田三成像が覆されました。誰よりも熱い心で主君である秀吉に仕え、民衆を守り、そして仲間を想う、光成がとてもかっこよく愛おしかった。
此川裕子/泉北店

推薦コメント
農学の教授である著者が、過酷な最期を遂げる生き物たちの姿を描くエッセイ。彼らの意外な生態を交えつつ淡々と文章は進んでいくが、生き物たちの立場に立って運命を思いやるその眼差しは、慈愛に満ちている。
小松篤史/吉祥寺東急店

推薦コメント
「眠れない」っていいこと? その理由がストンと胸に落ちます。見方を変える、価値観をちょっと変えてみる、これは想像以上に難しく、勇気と忍耐力が必要ですが、やわらかアタマと想像力で、大抵のことはへっちゃらになるのです!
坂口まり子/鹿児島店

推薦コメント
"音楽×小説"というコラボを作者の所属するバンドでやり遂げており、読んだ後に音楽を聴けばより深く味わえます。美しい星の世界観と青春と少しのSF。悲しみや辛さを抱えているときに必ず寄り添いながら、心に力をくれる、そんな小説です。
辻󠄀本彩/梅田本店

推薦コメント
米国の画家エドワード・ホッパーの絵を17人の作家が1枚ずつ選び、そこから物語を紡ぐ。たった1枚の絵が静かに佇んでいるだけなのに、作家たちはそこから人々の心の叫びを引きずり出す。なんという想像力。なんという物語力。作家という生き物がもつ豊かな才能をふんだんに見せつけられる短編集だった。
檜垣香織/イトーヨーカドー木場店

推薦コメント
幼い兄弟の想いを載せた「中華そば」、人と人を結ぶ「おむすび」、悲しき大食い青年のための「マンプク定食」、老年夫婦の人生を映す「ビーフシチュー」、新婚夫婦の未来を託す「究極のロコモコ」。笑・幸・悲・涙、様々な感情が読み味となってあなたの心に残ります。
村山康隆/セブンパークアリオ柏店

推薦コメント
普通の大学生が、キリン達の解剖を経て研究者になるまでが飾らない言葉で綴られる。寝ても覚めてもキリンキリン。ただひたすら好きなものを突き詰めていく姿はどうしたって魅力的だ。読後はきっと、生きているキリンに会いたくなる。動物園に行きたくなるよ。
森田利恵/ゆめタウン廿日市店

推薦コメント
平板な日常の中から、こんなにも深く、熱く、しょーもない(笑)気付きを得ることができるとは……!! ゆるいのに鋭く、ダメなのに共感しかないキシモトワールド! ニヤニヤしながら浸ってください!
山下真由/新宿本店

推薦コメント
正直に言えば重松さんがここまで生臭い物語を書くとは思わなかった。憑りつかれたように「ビタミン剤」なる瓶の中身を嘲いながらあおる彼彼女らに、死の恐怖は高まるばかりで無力な自分が腹立たしい。残酷さと勇気が表裏一体な1冊です。
山崎蓮代/名古屋空港店

推薦コメント
「ばれているぜ」この一言に魅せられてジャケ買いしてしまいました。時事ネタを盛り込んでみたり、パロディにしてみたり、お坊さんたちの工夫に脱帽。POP作成の参考書としてもオススメです。
米本教助/梅田本店

推薦コメント
パワハラ、モラハラが騒がれる昨今。ど天然上司とその下で働く主人公に癒されます。
米田香代/丸亀店

推薦コメント
映画『恋する惑星』でも舞台となったアングラ感漂う香港の重慶大厦でアフリカ人は何をしていたのか。助け合いや寛容をキーワードとして日本のビジネススタイルや習慣との違いを、ボスの人なつこさや憎めなさも描きながら鮮やかに浮き彫りにしていくノンフィクション。日本人研究者ならではの立ち位置をうまく活用した好著。
大田光穂/事務局

推薦コメント
「動物性愛」というテーマだけで忌避するのは余りに勿体ない!セクシュアリティを考える上で避けては通れない名著。著者の切実な動機と真摯なアプローチに胸打たれます。
佐貫聡美/事務局

推薦コメント
自称文学愛好家の方へ。疑似文学あるいはメタ文学にジャンル分けされる作品なのですが、児玉まりあの文学観に私はさくらんぼのように共感し、大いなる信頼と不信頼を寄せることとなったのであります。
四井志郎/事務局

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