紀伊國屋書店 小田急町田店ではミニブックフェア「#いま名作を読む」を開催しております!
(期間: 開催中~2024年4月30日(火)※予定)
店頭では担当者がおすすめする「名作」とPOPコメント、またフリーペーパーもご用意してお待ちしております。
タイトルとおすすめコメントはこちら
おすすめコメント:小田急町田店 田中沙季
おすすめコメント
大谷はどうしようもない、ほんとうにどうしようもないのだが、はじめて読んだときからずっと、彼の弱さが、どこか他人とは思えないのだ。妻の強さが、まっとうさがまぶしく、苦しい。
表題作以外では『親友交歓』『桜桃』がとくに好きだ。
おすすめコメント
『外科室』ほど純粋な想いが描かれた短篇をほかに知らない。外見だけでこんなにも強烈に誰かに焦がれる経験は、後にも先にもわたしには起こりえないだろう。だからこそ、焦がれるのだ。
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わたしも含めたただの読み手、つまり書かない者には書き手の気持ちは、苦しみは一生理解できないだろう。だからこそ想像して敬意を払いたい。心ない言葉で、態度で、芸術を途絶えさせてはいけない。
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おすすめコメント
日記文学にのめり込んだのは間違いなくこの作品に出合ったからだ。何度読んでも驚きがある。来世というものがあるとして、武田百合子のようなひとになれるなら、もう一度人間として生まれたい。
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上林といえば『聖ヨハネ病院にて』だが、この1冊には妻が亡くなったあとの家族たちの様子や、上林が聖ヨハネ病院を再訪したときのことも収められている。かけがえのないひとを喪っても日々は続くのだと改めて思った。一体どんな思いでこれらの作品を書いたのだろう。
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表題作を読んでも結婚願望が芽生えることはない、むしろひとりで生きる決意がより強固なものになるのだが、大阪への憧れは募る一方だ。結核により33歳で亡くなった彼の作品を、まだまだ読んでみたかったなと思う。
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この作品のあやうさが好きだ。力をこめると壊れてしまいそうで、だからこそうつくしくて、折に触れて眺めたくなる。犀星の煩悶や不器用さが透けて見えるようだ。
担当者より(小田急町田店 田中沙季)
書店で働いていると、何十年も何百年も読み継がれるというのがどれだけ稀有なことかよくわかります。次の世代に継ぐ一押しをするのも、わたしたちの大切な仕事のひとつだと思い、今回のフェアを企画しました。今回の選書は10代から20代にかけて読んでいた作品ですが、好きな作家の作品を読破するまでほかに見向きもしなかった、その執拗さがいまの仕事に繋がっていることを、当時の自分に教えてあげたいです。
担当者の熱い想いが詰まったフェア。
ぜひ小田急町田店へのご来店お待ちしております!