紀伊國屋書店:紀伊國屋じんぶん大賞2023 読者と選ぶ人文書ベスト30

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紀伊國屋じんぶん大賞2023 読者と選ぶ人文書ベスト30

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紀伊國屋じんぶん大賞 第1位

『布団の中から蜂起せよ
 ―アナ-カ・フェミニズムのための断章』高島鈴

布団の中から蜂起せよ


高島鈴 さん 特別寄稿

 このたびは大変大きな賞をいただき、ありがとうございます。『布団の中から蜂起せよ』を支えてくださった布団の中のみなさまに、まずは感謝を申し上げたいと思います。私はこの本を、あらゆる意味で揺らぎのある生を生きる人のために、今生きているのがしんどいと感じている全ての人のために書きました。そのような人たち─もしかするとあなた─に向けて、本書は黙って開かれた扉として、誰かが飛び込んでくるのを待っています。

 副題にあるアナーカ・フェミニズムとは、アナキズムとフェミニズムが合体した言葉で、国家をはじめとするあらゆる権力を否定し、またあらゆる差別を否定する思想を指します。アナーカ・フェミニズムの革命は流動的で水平的な共同体をいくつも作り出し、人の生存を最大限に尊重するでしょう。

 国家・差別がない社会は想像できないとおっしゃるでしょうか? それを可能なものとして想像する営為こそ、アナーカ・フェミニズムのパワーなのだと思います。まず信じなければ、何事も始まらないからです。まずは今の世の中とは違う形の世の中が可能であると、共に想像して欲しいのです。そのように現状に対する抵抗の意志を持って生き延びることは、すでに/常に革命的なことです。だからこそ私はくりかえし「生存は抵抗だ」というスローガンを掲げ、読者を生へと扇動します。私を含め、日々布団の中に力なく横たわって拳を握りしめるほかない人たちこそ、革命の主体であると信じています。

 今、この政治・社会状況は、人が生きていることの価値をまったくもって軽視しているようにしか私には見えません。このような状況の中で、「あなたに死なないでほしい」というアジテーションを振るうのは、とても無責任かつ暴力的なことだと自覚しています。それを自覚したうえで、それでもあなたに生きていてほしいと言いたいです。生き延びて、新しい社会を共に作りましょう。

高島鈴さん 撮影:熊谷円
撮影:熊谷円

高島鈴(たかしま りん)
1995年、東京都生まれ。ライター、アナーカ・フェミニスト。「かしわもち」(柏書房)にて「巨大都市(メガロポリス殺し)」、『シモーヌ』(現代書館)にてエッセイ「シスター、狂っているのか?」を連載中。ほか、『文藝』(河出書房新社)、『ユリイカ』(青土社)、『週刊文春』(文藝春秋)、山下壮起・二木信編著『ヒップホップ・アナムネーシス―ラップ・ミュージックの救済』(新教出版社、2021年)に寄稿。中世社会史研究者としては、本名である杉浦鈴名義で方法論懇話会編『療法としての歴史〈知〉―いまを診る』(森話社、2020年)に寄稿している。

「読者の皆さまと共に優れた人文書を紹介し、魅力ある『書店空間』を作っていきたい」―との思いから立ち上げた「紀伊國屋じんぶん大賞」は、今年で13回目を迎えました。おかげさまで、本年もたくさんのご応募と推薦コメントをお寄せいただきました。一般読者の方々からいただいたアンケートを元に、出版社、紀伊國屋書店社員による推薦を加味して事務局にて集計し、ベスト30を選定いたしました。

*2021年11月以降に刊行された人文書を対象とし、2022年11月1日~11月30日の期間に読者の皆さまからアンケートを募りました。当企画における「人文書」とは、「哲学・思想、心理、宗教、歴史、社会、教育学、批評・評論」のジャンルに該当する書籍(文庫・新書も可)としております。

スタッフの熱意が詰まった小冊子、著者の特別寄稿もお楽しみください! ※「紀伊國屋じんぶん大賞」店頭配布小冊子に関する誤植のお詫び・訂正のお知らせ
▶小冊子PDF ▶Kinoppy電子書籍版

 ▶「じんぶん大賞」Twitter公式アカウント(@jinbuntaisho)


「紀伊國屋じんぶん大賞2023」ブックフェアは、2023年2月に全国の紀伊國屋書店にて開催し、期間中、受賞者の著者サインまたはイラストがプリントされた特別レシートを発行いたしました。※終了しました。


紀伊國屋じんぶん大賞2023贈賞式は、2023年2月28日(火)に新宿・紀伊國屋ホールにて開催いたしました。
当日の様子はこちらからご覧いただけます。⇒受賞者からのメッセージ「キノベス!2023/キノベス!キッズ2023/紀伊國屋じんぶん大賞2023/第10回 紀伊國屋書店ベストセラー大賞」贈賞式の模様を公開いたします(2023年2月28日 紀伊國屋ホール)


▼「紀伊國屋じんぶん大賞2023」選考委員が選ぶ! 選外この1冊

*推薦コメントの執筆者名は、一般応募の方は「さん」で統一させていただき、選考委員は(選)、紀伊國屋書店一般スタッフは所属部署を併記しています。

紀伊國屋じんぶん大賞2023 🥇 1位 🥇

推薦コメント
健康で健全でハードルの高い平均的「普通」からは、実はほとんどの人間がはみ出るのではないだろうか。はみ出てしまうことに病む人にも、強さを信じている人にも読んでほしい。こんなにすべての人に優しい本は初めて読んだ。
匿名希望さん

今年一番待っていた著者による単著。どんなに弱くても、人生のあらゆるシーンに介在してくる権力にわずかでも抗うこと全てを、抵抗の意志を持ってただ生存することそのものを、抵抗と呼び、革命的行動である、と断言する。それは、他人のために、少しでもこの世をマシな方向に動かすためである。これほどまでに優しく、同時に厳しいアジテーションを他に知らない。
Fuppuさん

社会と自身のあいだの軋轢を書きつくし、また徹底的に考えぬいたエッセイ。筆者は「生きづらさ」という言葉に収斂せず、だれもが「生きられる」社会を求め続ける姿勢を崩さない。生きるのが辛く嫌な事が多い世の中でくじけそうになっても、己の言葉を研ぎ澄ませてギラギラと反撃の機会を伺っている、まさに「身を削った」ような文章に痺れた。
赤穴千恵/ゆめタウン下松店

布団から起き上がれない。そんな極限状態を知っている人にこそ生きていてほしいと手をさしのべ、共に蜂起せよとこの本は叫ぶ。アナーキストでもフェミニストでもなくても、何らかの生きづらさを抱えた人にとにかく、とにかく読んで欲しい。今年一番のお守りです。
阿波野茜/梅田本店

🥈 2位 🥈

推薦コメント
普段何気なく感じているコミュニケーションに関するモヤモヤを言語化して分析する本にはじめて出会いました。言語に関わるすべての人に読んでほしい本です。
前田丘人さん

言葉は、人を救うこともできるが、ときにナイフにもなり得る。その言葉を媒介としたコミュニケーションにおいて起こる違和感を、日常生活、フィクションの世界から拾い上げ、丁寧に見つめた一冊。少し立ち止まって、あなたとわたしの間で起きた言葉のやり取りを見つめてみよう。それは、社会を見つめることに通じている。
山田萌果/札幌本店

ありとあらゆる場所で分断が絶えない今、コミュニケーションについて改めて意識させられる場面はあまりにも多い。哲学者の目から見た日常の風景は私たちにとって多くの示唆に富む。
(選)林下沙代

🥉 3位 🥉

推薦コメント
今年の人文書を語るには、やはりこの一冊を除くことは出来ないと思います。二項対立の脱構築を主軸とすることで、デリダ、ドゥルーズ、フーコーを読み解き、グレーゾーンのリアリティ、世俗的な深さを語る入門書。現代思想の入り口として最適な一冊だと思います。
ほしさん

哲学史の中でもとりわけ理解しづらい現代思想を、実践的な側面から体系的に捉えなおす画期的な一冊。難解な諸概念について、論理的欠陥のない明晰な定義ではなく、その概念が生まれるに至った背景や具体的・現実的状況を用いて説明しており、その鮮やかな手腕に脱帽。
(選)小山大樹

哲学に触れていると、分からないままにしてきたことも多い。そんなアレ(デリダやフーコー)やコレ(超越論的や否定神学システム)を明快に、そして何よりも哲学によって世界の認識が変わることを認識させてくれるかたちで説明してくれるので、蒙を啓かれる快感に満ちた一冊。
辻宜克さん

4位

推薦コメント
トランスジェンダーが生きていくうえで直面する困難を、様々なマイノリティと共通する社会構造の問題としてとらえる視座を提供する一冊。トランスジェンダー当事者である当方も、これまで問題の表層しか見ていなかったことに気づかされた。本書がLGBTQ+関心層にとどまらず、幅広い層の読者の注目を集めていることの社会的意義は非常に大きい。
篠洲ルスルさん

5位

推薦コメント
哲学って要するに何なの?と常々思っていたが、哲学の〝門前書〟ということで、私にもわかるかな?と読んでみた。テーマ別に体験と考察が書かれているのが、普通にとても面白く、興味深く、そして何よりとっても読みやすい。そして、哲学ってこういうことかも?と、自分も自身の身の回りでおきた〝??〟に対し、ちょっと哲学してみようと思わせてくれたのがすごい。
匿名希望さん

6位

推薦コメント
逍遥しているのはオックスフォードの街並みか、20世紀のイギリス哲学か。いや実は歩いているのは哲学者の頭の中なのかもしれません。哲学者は変人・奇人ばかりとはよく聞きますが、意外とそのエピソードって知らないものです。どうぞ、思う存分味わってください。
(選)髙部知史

7位

推薦コメント
なぜ日韓に限らず世界中でグローバル時代にナショナルな記憶の政治が解き放たれるのか。ドイツ歴史家論争の21世紀版のような重厚な議論で、一方的な加害者か被害者かの立場を超えて困難な記憶と向き合う思考の極点を示し、過ぎ去ろうとしない過去から未来への対話を開く、韓国の人文学者の注目書。
(選)野間健司

8位

推薦コメント
手に取りやすい作りでありながら、「修養」の変容から「自己責任論」でおおわれた現在までの精神史を描く力作。ドラマチックなしめくくりは圧巻。
(選)大籔宏一

9位

推薦コメント
1974年に起きた「モナリザ・スプレー事件」の社会的背景を当時の資料や当事者の証言から丁寧に記した良書。表面にあらわれた行動の浅薄さに冷たい視線を向けることは容易いが、その裏にある誰かの苦しみを知ることの重要性を教えてくれる一冊。
(選)出口優夏

10位

推薦コメント
西洋哲学への深い知見のうえで、東洋哲学の知見からテクノロジーを根本的に問いなおす本。独創的な問題意識と壮大な思考は、国内で類を見ない。京都学派も正面から論じられており、日本で読まれるべき一冊。現代中国の状況にも目配せされており、文体も平易なので読みやすい。
匿名希望さん

11位

推薦コメント
「生産様式」ではなく、多くが見逃していたという「交換様式」について、『資本論』を中心にマルクスやエンゲルスをはじめとした思想家たちの著作を読み解き、この危機の時代に新たな希望の到来を予感させる大作。世界の歴史を横断し、宗教の戦禍を抜け、未来の光を見る。
(選)土井一輝

12位

推薦コメント
植物に憧れ、光合成ができるようになれたらいいのになと思いながら生活する中で、「植物のふるまいに目をとめ」「歴史学、文学、哲学、芸術を横断しながら人間観を一新」という紹介文に興味をそそられて購入。今年1番の面白さかも。芋づる式に欲しい本も増えてしまいました。
アガサ・クリスピークリームドーナドナマラドーナさん

13位

推薦コメント
本書の帯文にあるように「あらゆる存在の解放をめざす包括的正義の理論」をめざす上で欠かせない書籍だとおもう。あらゆる搾取構造の根本に、人間による動物支配があり、その改善(解放)なくして真の平和はありえないと感じ行動することに決めました。
つゆきしげふみさん

14位

推薦コメント
著者の博士論文を書籍化した初の単著。100年前にアンリ・ベルクソンが編み上げた生命進化の哲学の内側に深く入り込み、その背景を読み解き、そしてそれを現代において語り直すという野心的な試みが大成功している。生命の発生と進化の理由を大胆に提示し、そして思考は宇宙生物学へ!
(選)藤本浩介

15位

推薦コメント
ケア/ジェンダー関係の本を読むと必ずと言っていいほど言及されながら手に入らなかった名著。「こんなことが書かれていたのか……」と発見に次ぐ発見がある、待ちに待った翻訳。
YOOさん

16位

推薦コメント
学校で失われた一人の少女の命。事故の前に見逃されていたもの、事故の後に見過ごされていたもの。それは、羽菜ちゃんという一人の人間の確かな存在だった。「なぜ、羽菜ちゃんが」。自分はこの問いの行方を見守る立場だと思っていたが違った。私もまたこの問いと向き合わなくてはいけない「当事者」だった。
伊藤佑太郎/福岡本店

17位

推薦コメント
お堅い博士論文でありながら、あやしく猥雑で一周回って知的な世界が好きな人にはたまらない読み物でもある。ほぼ百年前の「軟派出版」を担った人々のユーモアたっぷりな真剣さに、笑ってしまいながら矜持を感じる。どこまでもメタになりがちな「教養」の話にも風穴を開ける仕事。2020年代の文化では失われている何かがある。
(選)野間健司

18位

推薦コメント
ジーファーとは沖縄のかんざし。そのシンプルな美しさと500年余りの歴史に惹かれた著者が、約10年かけて膨大な資料と取材を重ねて編んだノンフィクション。沖縄の女性にとってジーファーとは何か、紐解かれていくとともに浮かび上がる沖縄の歴史と生活。金細工職人、又吉健次郎さんへの聞き書きも圧巻だった。
マンタロウさん

19位

推薦コメント
どれだけ科学が発展しても、運命や魂の存在を私たちはいまだ手放していない。自ら偶然へ飛び込み、他者と時間を共有し、思いがけない方へ人生が漂うとき、リアルな〝生〟の手ざわりがその先にある。現代社会の生き方を根本から問い直す、道標のような一冊だった。
(選)池田匡隆

20位

推薦コメント
「心に傷を負う経験をした人びとにとって、文学や文化は生きのびるための表現となりうるのか」。著者自身の経験もふまえて書かれたこの本がずしりと重いのは、言葉にならない声や叫びを多分に含んでいるからかもしれない。語ることが難しい経験を語る物語の可能性、聴くことの重要性を教えてくれた一冊。小さな声がかき消されることのない社会へ変えていくために、是非読んでもらいたい。
(選)津畑優子

21位

推薦コメント
始皇帝や曹操が生きていた時代の人々はどんな暮らしをしていた?気鋭の中国史家が文献史料と出土資料をフル活用して古代中国の1日を再現した話題作。口臭にうるさく、女性はイケメンに熱狂し、どん欲に性を愉しむ……面白すぎるけれど、全部史料にエビデンスがあるところがすごい。
田中正敏さん

22位

推薦コメント
難解な哲学を、その背景まで含め内容を損なうことなく解説することは、高いレベルの知性が要求されるし、それが本物の知性であると、本書を読んでつくづく思う。同時に、今後の私の読書も考えさせられるものとなった。
坂本悦子さん

23位

推薦コメント
ボカロ曲を様々な人文科学の手法を用いて分析することで、現代の時代精神について考える。講義から書籍の形になったことで、初めて出会う理論でもじっくり自分のペースで読み進められるのが嬉しい。ボカロ曲を耳だけで楽しむことが増えた今、映像や言葉を含めた「ボカロ曲」に出会いなおせる一冊。
吉田実穂/東京営業本部第三営業部

24位

推薦コメント
70年前、第一号となる水俣病患者が公式に認定された。「私たちは、国家権力に対して、立ちむかうことになったのでございます」。その宣言のもと始まった闘争は、結集と分裂、交渉と決裂を繰り返しながら声なき声を掬い上げていく。声を上げることの重要性が日に日に増している現代こそ、参照されるべき歴史である。
(選)中島宏樹

25位

推薦コメント
2022年に生誕100年を迎える橋川文三。橋川に影響を与えた保田・丸山・柳田・三島にさかのぼりながらその思想の軌跡を丹念に追う。私たちがいまもつべき「歴史意識」とはどんなものか。アクチュアルな問いが突きつけられる。
(選)大籔宏一

26位

推薦コメント
本のタイトルが気になり、読み始めました。「叱る」ことにより人の脳内では喜びを得るという報酬回路が備わっており、依存性があることを知りました。人間関係や社会で生じる様々な問題を「叱る」側に着目しています。多くの方に読んでもらい、知っていただきたいです。
中村絵里/ブランド事業戦略部

27位

推薦コメント
フランス19世紀の「集合知」とも言える『百科全書』が完成するまでの苦闘を900ページにわたって描いた労作。概念そのものでできている宗教との苦闘がこれほどのものだったとは。感銘を受けながら読みました。
前田丘人さん

28位

推薦コメント
正直あまり褒められない好奇心から読んだが、普通だと思っていた一つ屋根の下のきょうだい達が次々と向こう側の世界に行ってしまう様は壮絶だった。本人のみならず親きょうだいをも巻き取って苛み、一度行ったら帰ってこれない。これを読んで親の教育に責任を帰するのは簡単だが、責任を取れる人などおらず、だからこそこうした記録に価値があるのだと思う。
(選)後藤渚

29位

推薦コメント
哲学や倫理学などの文系の学問については、よく「それって何の役に立つんですか?」といわれます。本書は、その問いを曖昧にはぐらかすことなく、「役に立ちます!」と正面から答えていきます。
クラツタクヤさん

30位

推薦コメント
遅延をもたらす時間こそが、クオリアを、意識を、そして自由を創造する源となる。拡張されたベルクソン哲学が胚胎する射程の広さと豊穣な可能性は、世紀を跨いだ今でもまったく色あせてはいない。高いポテンシャルを秘めたベルクソン時間哲学のエッセンスが、軽やかな筆致で駆け抜ける本書には凝縮されている。
(選)中島宏樹

「紀伊國屋じんぶん大賞2023」選考委員が選ぶ! 選外この1冊

推薦コメント
日中戦争の勃発直後、北京近郊の街・通州で、日本の傀儡政権・冀東防共自治政府の保安隊が反乱を起こし、日本人居留民225人(うち朝鮮人111人)が虐殺された通州事件。この事件の全貌を、日中戦争研究の第一人者が、事件に至る前史から、被害者姉妹の「戦後」の道のりまでを詳述した決定版。
松野享一/学術和書部

推薦コメント
本書は、精神医学界のキーパーソンであった曾祖父、祖父、父をもつ著者が、文化人類学者の視点を活かしながら、どのようにスティグマが生まれ変化してきたのか、その歴史を紐解くものである。スティグマは社会や文化と結びつくものだからこそ、変えていくことができる。
津畑優子/学術和書部

推薦コメント
こういう和書を待っていた。キットラーの衣鉢を継ぐドイツ流のメディア学と文化学がどこに向かおうとしているかを示す手頃な論考・翻訳が一冊にまとまっている。あらゆる文化は「文化技術」であるという認識に根ざす、英語圏のそれとは一線を画する21世紀の人文学の可能性の尖端がここにある。
野間健司/学術洋書部

推薦コメント
失われゆくものを書き留め、後世に残すことは書籍が持つ根本的な価値の一つであろう。戦前から現代までの小値賀町大島の暮らしが徳蔵さん・マツノさん夫妻の証言から鮮やかに綴られる一冊。平成の東京に生まれた会社員の私とは何もかもが異なる人生に価値観を揺さぶられる。願わくば島のお漬物を食べてみたい。
出口優夏/OCLC事業部

推薦コメント
日常の些細なある出来事から、哲学者は懐疑論を丹念に辿ってゆく。自分ではない他者のことなど、わかることなんてないのではないか。言葉にするとあまりにも絶望的ですが、揺らぎを続ける世界を受け入れていくこと。読後は小さくとも、確かな希望が残りました。
林下沙代/札幌本店

推薦コメント
アニメに潜む宗教性を、「宗教学者が」横断的に分析していく骨太の研究書。著者は元々アニメ好きというわけではなく、本書のもとになった論文を執筆するにあたり、「還暦を超えて見るには辛い苦しいアニメやマンガ」もある中、時には数百話にも及ぶ膨大な量の作品を鑑賞したという。そのような意味でも、類まれな労作と評するに相応しい一冊。
小山大樹/札幌本店

推薦コメント
実際に2000連休を体験した著者によるドキュメント。感覚でつかめない程の長期の連休をとると人はどうなるのか。そもそも「休み」とはなんなのか。全く活動しない「休み」は存在しうるのか。表題以外にもこの本は様々な「問い」を呼び起こしてくれる。
東二町順也/新宿本店

推薦コメント
「知らなかった」というのがまず出てくる感想。第二次世界大戦中に仏教界が行った様々な戦争協力。戦争の正当化、梵鐘や仏像の供出、従軍僧侶の派遣……そして「一生多殺」の提唱や仏典の解釈変更。善悪の判断や評価は置いておいても、まずは日本人が知るべき歴史。
生武正基/新宿本店

推薦コメント
膨大な注釈書に分け入ることなく、かといって「ハイデガー語」を自家薬籠中の物ともせずに、テクストに寄り添いながらも現代の読者への回路を保ち続けている。こうしたバランスの上に成り立つ本書こそ、数多ある『存在と時間』入門書の中でも「最初」の一冊となり得ることだろう。
中島宏樹/横浜店

推薦コメント
子どもと散歩することで見つめ直す生命の営みを、在野の数学者が丁寧に綴ったエッセイ。「センス・オブ・ワンダー」を思わせるその言葉は、まるごと誰かに贈り物にしたくなるほどに美しい。
池田匡隆/ゆめタウン下松店

推薦コメント
男性性研究の必須文献がついに邦訳。理論的枠組みと同時に、生活史研究の積み重ねた第四章は特に重要。日本での議論にも資するところ大と確信する。
大籔宏一/ゆめタウン徳島店

推薦コメント
ローマ帝国後期のアカデミアを牽引した女性哲学者ヒュパティア。悲劇のアイコンや革新者、「記録に値する女性」としての潤色、あるいは「好奇の目から逃れられなかっただろう」という好奇の目……そうした受容にもかき消されず残った、彼女の哲学者としての実像と功績に焦点を当てた硬派な評伝です。
後藤渚/横浜営業部

推薦コメント
男性性をテーマに様々な分野の研究者たちが「会議」する一冊。必ずどこかの章にはぐさりと刺さる部分があるはず。すべての男性に手に取ってほしい。
滋野峻也/静岡営業部

推薦コメント
奇しくもというべきかそうなるべくしてそうなったのか、『ジョン・フォード論』と同年に刊行された映画の喜びに満ち満ちた一冊。難解な書物ではないかと訝しんでいる人こそ手に取って、おかしみ溢れる軽妙な語り口と活き活きとした毒を楽しんでほしい。映画論に親しんだことのない人は、映画の見方が嫌でも変わってしまうでしょう。
土井一輝/中部営業部

推薦コメント
全ての知を掌握できると信じていたルネサンスの人文主義者たちは、新大陸の再発見や活版印刷術の登場によって生じた情報の氾濫に立ち向かう。情報を編集し意味を与え、あらゆる可能性を見出そうとした彼ら。日常的に情報の取捨選択をする今、彼らの姿を振り返ってみても良いかもしれません。
竹谷かれん/大阪第一営業部

推薦コメント
ポピュラーになること=形骸化され、本質を失うのは文化芸術の宿命なのか。作曲家と同時代の演奏の再現を志向する古楽演奏についても、「なんちゃって古楽」と呼ぶべき事態が生じていることに批判的検討を加えます。本物を求める音楽の旅へ、ぜひ!
髙部知史/京都営業部

推薦コメント
まさにこういう本を読みたいと思っていた、中島隆博による中国哲学の入門書。諸子百家から現代まで、それぞれの思想家の短くも印象的なフレーズが引用・読解され、新書ながら濃密な記述で、中国哲学の通史と、その政治的な立ち位置を教えてくれる。何度も参照したくなる新書。
藤本浩介/シンガポール本店

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2024年「本屋大賞」受賞作が発表されました!【2024年4月10日(水)】

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★★受付終了しました★★今村昌弘さんサイン会

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〈第317回 新宿セミナー@Kinokuniya〉『なんだか今日もダメみたい』(筑摩書房)刊行記念 竹中直人トークショー

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